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3.

 卒業の直前になんとかつむぎは就職を決めることができた。

 ぎりぎりのぎりぎりで、書類審査や筆記試験や面接で。

 何度当たっては砕けてを繰り返したかわからない。

 もう、選べる状況ではない。

 日本の就職は鮮度がものを言う。

 『新卒』のラベルが剥がれたらさらに苦難の道が待ち受けているのだ。

 とにかくつむぎは世間知らずなりに総当たり戦をかまし、少し見識が広がった……ような気がする。

 定まらない日々のせいで卒論もぎりぎで、心身ともに満身創痍だった日々もこれで終わりだと思うと、卒業式の最中に涙が出た。

「あおげば……とうとし……」

 無意識のうちに諳んじてしまい、両隣に座っていた友人たちが思わずつむぎをガン見したことは、半年くらい後になって聞いた。

 

 そして、問題の就職先だが。

「大きな会社って……すごいな」

 親会社、子会社孫会社などのグループと、関連会社に外注、派遣。

 ビル一つの中に全部詰め込まれてもまだ足りず、近隣のオフィスビルにも別部署があるが、それでもここは地方の支社。

 本社も大きな全国規模の会社の、ひ孫会社だった。

 とにかく色々な人が入れ代わり立ち代わり働いており、プロジェクト次第でメンバーも変わる。

 もちろん取引先の人とも多く顔を合わせ、そりゃあこれだけ人がいればその中に未来の夫の一人や二人や三人いるだろうと思ったりもした。

 だがもちろん、本文は仕事だ。

 占いの事は頭の片隅に置いといて、とにかくせっかく掴んだ就職口だ。

 つむぎは自分なりに真面目に働いた。


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