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仮初めの虚
かつてヘラヘラ生きていた。
何も考えずに過ごしていた。
それでよかったのか、それがよかったのか。
答えのない問に悩むことなく平々凡々と暮らしていた。
何をもって生きていると証明できるのか。
何をもって死んだと判断されるのか。
死んだも同然の生を持つ者もいれば、まるで生きているかのような仮初めの虚もある。
自分がどこに分類されるのかは自分が一番よく知っている。
誰に愛され、誰に愛されないのか。
誰に嫌われ、誰に嫌がられるのか。
答えは明。
自分で考えろということ。