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第5話「夢と朝」

夢を見た。

白い空間で出会った切れ長美人の女性が、必死にごめんごめん…!!と謝っている。


「ほんっとにごめんなさいね!久しぶりに転生魔術を使ったから間違えちゃって」


「公爵令嬢じゃなくて公爵令嬢狩りに任命されてたんですけど…」


「もう取り消しはできないのよね。でも公爵令嬢狩りも楽しいのよ?」


「というか、もし公爵令嬢に転生していたとしても狩られてた?可能性があるってことですか?狩るってどういう意味なん…」


「あらやだ、ごめんなさい!ほかのお客さんが来ちゃったからまた連絡するわね!あ、私のことはレオナって呼んでちょうだいね」


レオナは質問をさえぎるように言い残して、消えてしまった。

公爵令嬢狩りが何なのか、分からずじまいだったな…と考えていると段々意識が遠のいていく。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「姉ちゃん起きて!朝!」

ランセルがバタバタ走り回って朝ごはんの支度をしてくれている。

そういえばランセルの両親はどこにいるんだろうか。ボーッと上を向いて晴天の青空を眺める。

私が昨日消し去った屋根は、復活しているわけもなく、魔法初めて使えたなぁ…と呑気なことを考える。


「今日はロラスと僕と一緒に公爵令嬢狩りに行くんでしょ。最近、令嬢が増加傾向の西アコウ城周辺を任されているから、早めに行かないと帰りが深夜になっちゃう!」

早く食べちゃって、着替えはベッドの上に用意しておくからね、と働き者のランセルが作ってくれたトースト、サラダ、スクランブルエッグのようなもの…を口に入れる。


「ロラスさんってどんな方なの?」


ランセルはなんでそんなこと聞くの?と言いながらも教えてくれた。

「最近現れた駆け出しの騎士だよ。1か月前の狩りで苦戦していたロラスを姉ちゃんが助けてから妙に懐かれて、ここに一緒に住みたい!とかも言い出した…」

ランセルは嫌そうに思い出す。まぁ、一緒に住むのは万が一のことがあったら大変だから僕が大反対したけど!とランセルはぶつくさ言っている。


「マスカット~!…とランセル。ロラスが来たよ~~!!!」

トントンと扉を叩く音とともに、愉快な声が聞こえてきた。

どうやら私の転生先の名前はマスカットらしい。


「僕はついでか!」とランセルがぷくっと怒った顔で扉を開ける。


「マスカット、今日も会いたかったよ~!あれ?用意はまだできていないのかい?遅いじゃないか…でもマスカットのためならいつまでも待てるさ。なにか手伝えることはあるかい?」

現れたのは銀髪を綺麗に整え、身長が180センチ以上はあるだろう、眉目秀麗な男であった。

目の二重幅は広く、顔の余白が少ない男は、ニッコリ私に微笑んだ。


「姉ちゃんこれから着替えてくるから、ロラスはここでお茶でも飲んでてよね!」

文句を言いつつ、ロラスにお茶を用意してるランセルは優しい子だと思う。


さて、と朝食も食べ終わったし、着替えに行こうとベッドに向かった。


「いやいやいやなにこれ…何なのこの服!!ちょっとランセル!!!」

思わず大声でランセルを呼んでしまう。

どうしたの?と部屋の扉からランセルとロラスが覗きこむ。


「こんなの着れるわけないじゃない!」

ほぼ紐の黒ビキニを手に私ドン引き、ロラス満面の笑み、ランセルは顔が真っ赤を通り越して、もはや赤黒い。


「僕…!こんなの用意してないもん!」

ランセルが泣きそうになりながら、ムキッとロラスを睨む。


「ランセルが用意したのかい?なんておませな坊やなんだろうね」

悪戯っぽくランセルを揶揄うロラスは、小躍りしながら、私の部屋に入ってきた。


「僕が用意したのさ、マスカットに似合うと思ってね」

この世界では身体のラインを出せばだすほど清楚なんだよ、と意味のわからない事を言っている。


ロラスを無視し、ランセルが急いで用意してくれた鎖骨と腕の部分がレースで透け、身体のスタイルにフィットする黒いドレスに着替えた。


「お姉ちゃん、あとロラスも…!公爵令嬢狩りに行くよ!!」


ようやく次は狩りに行けます…!

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

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