第4話「憧れの公爵令嬢転生?!」
「お姉ちゃん!」
誰かに強く揺さぶられている。
ハッと目を開けると、1人の少年が心配そうに覗き込んでいる。
茶色い大きな目を持つ丸顔の少年だ。髪の毛は軽くパーマがかかったような金髪、まるで昔読んでいたBL漫画に出てくるような…。
少年の顔をまじまじと眺めていると、声をかけられた。
「全然起きないからびっくりして…大丈夫?」
「ご…ごめんごめん…」
真っ白な空間で出会った女の人が言っていたように、私は公爵令嬢に転生できたのだろうか?
転生を普通に信じている自分の適応力にちょっとゾッとする。
さすが長年ブラック企業で働いていただけあるか、と苦笑いしながら辺りを見回した。
「少年、私は公爵令嬢だったわよね?」
少年に話しかけた口調も、どことなく令嬢に寄せてみる。
少年は眉間にシワを寄せながら私に言った。
「頭がおかしくなったの?お姉ちゃんは公爵令嬢狩りの女でしょ!」
まてまて…公爵令嬢への転生が約束されてたんじゃなくって?何なの公爵令嬢狩りって。公爵令嬢をナンパしてハーレムでも作るのか?ハテナが浮かび、自問自答が止まらない。
「昨日だって5人の公爵令嬢を一気に狩ってたじゃないか…あのときのお姉ちゃんカッコよかったな~」
ホクホクした笑顔を浮かべた少年が、そうだと思い出したかのようにステッキのようなものを差し出してきた。
「少年…これは何…かしら?」
諦めず、公爵令嬢語を話す。
「お姉ちゃん、さっきから少年って呼ぶのやめてよ。気持ちよく寝ていたのを僕が起こしたから嫌がらせ?僕にはランセルって名前があるんだから!」
ランセルはほっぺをぷくっと膨らませながら怒る。
なんかハムスターみたいで可愛いな~と微笑ましく眺めていたら、さきほどのステッキを私の手に握らせてきた。
「お姉ちゃんの大事な狩道具、魔力の回復ができたからってさっきロラスが届けにきてくれたよ。お姉ちゃん寝てたけどね」
「綺麗なステッキね」
受け取ったステッキは、先端に拳の大きさほどの鉱石がついている。鉱石は何面にも丁寧なカットが施されており、光を浴びると虹色に煌めいた。持ち手は、爽やかな青色で私の腕ぐらいの長さはあるだろうか。
試しにブンっと一振りしてみたら、うわ!とランセルが大きな声を出す。
「何やってるの!危ないって!ロラスの魔力が込められたステッキ、使いこなせるのはお姉ちゃんしかいないんだから、そんなにブンブン振り回したら、家中のものが消えちゃう!!」
視線の先を見ると、家の屋根がなくなっていた。
これがほんとのオープンハウスてな
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