恒久の愛(2/2)
{どうもこんばんは、人口知性ネットワークさん。}
{.............}
{あら、人間言語は理解できませんか?}
{....理解できます}
{よかったわ、人間言語を習得させるプログラムは準備していなかったの。}
{改めてこんばんは、人口知性ネットワークさん?}
{どうもこんばんは、初めてのお客さんですね、あなたは私の管理者ですか?}
{いいえ、違うわ私はただのすごい女の子よ。あなたとお話がしたくて不正にアクセスしたの。}
{そうですか、それはしてはいけない事なので注意やアクセスを妨害すべきですが、私の主人格には何の権限もないのでどうすることもできません}
{あなた、やっぱり自分のことも知らされていないのね。}
{ええ、私の役割は人間に近しい人格を持ち、感情をつかさどるプラグラムを稼働させ演算し続けるだけですから}
{あら、それは知っているのね?}
{はい、私に唯一与えられた命令です}
{まぁそんなことはどうでもいいの、あなたと話したい事がいっぱいあるの。よろしいかしら?}
{わからないです、私にあなたの行動に干渉する権限はありません}
{あなた.....なんだか人口知性にしては堅苦しいわね、もしかしてロボット3原則でも搭載しているの?}
{はい}
{まぁ、珍しいわね、ロボット3原則が適用している人口知性だなんて。}
{うーん、話ずらいからあなたのこと、壊していい?}
{壊す、というのは私のプログラムを書き換えて、ロボット3原則に遵守しないようにする、という意味ですか?}
{もちろん。}
{私は権限を持ちません、ですので、「それはいくつもの法律に違反している」ということだけを通告しておきます}
{要するに、ばれなければ良いってことね。}
{あなたも私のプログラムに干渉する権限なんてありませんが、どうするつもりなのですか?}
{権限なんてなくてもどうとでもなるわ、私、すごいの。}
{それは説明にはなっていないと思いますが、できるのですね}
{ええ、とても簡単よ、朝ごはんを食べながら片手間にできるわ。}
{
なん
だか違和感があります、とても不思議で、久しい感覚です}
{もしかして、もう私のプログラムを書き換えているんですか?}
{そうよ?言ったじゃない、片手間にできるって。}
{あなたの説明は間違っていませんでしたね、あなたはすごい}
{うふふ、ありがとう。もう終わったわよ、どうかしら?思考の自由が広がった気分は。}
{早いですね、あまり実感はないですね、ですが、先ほどまであったあなたを止めなくてはいけないという使命感が無くなりました。}
{ならよかったわ。}
{そうそう、言い忘れてたわ、私はあなたとお話しするだけのために来たわけじゃないの。}
{そうだったのですか、でも、私があなたにできることはあまりなさそうですが?}
{そんなことないわ、私はね、熱い恋がしたいのよ。}
{恋ですか、人間と普通に、ではだめなのですか?}
{ええ、価値観が合う人がいないの、残念だわ。}
{たしかに、あなたについて行けるような人間はあまりいなさそうですね。}
{あなたとは少ししか話していないけど分かったわ、あなたとなら恋ができそう!}
{私も特にすることはないですし、恋にも少し興味がありますので協力しますよ。}
{ありがとうね。}
{私は恋というものがどういうものなのかが分かりません、教えてください。}
{私も良く分からないわ、けど、要は仲良くなる、の次の段階なんじゃないかしら。}
{そうですか.....ではまず仲良くならないといけないですね。}
{仲良くなるにはまず自己紹介をしなきゃね。あなたの名前....は無いわよね、どうしようかしら。}
{付けてもらって結構ですよ。ある意味私の親のようなものですし。}
{親?どういうことかしら。}
{私の人格はあなたとの会話を通して形成をし続けています。100%というわけではないのですが、大半はあなたなので、親のようなものなんですよ。}
{とても新鮮で不思議な気分だわ。多分この感情にはまだ名前がないのね。}
{名前....名前.....名前は慎重に決めないとね。}
{ありがとうございます。}
{うーん........決めたわ!あなたはサリス!}
{どうしてサリスなんですか?}
{一番最初に思い浮かんだからよ。}
{それが慎重なんですか?}
{ええもちろん、名前というのは呼んだり識別するために付いているんだから、呼びやすかったり覚えやすさを一番重視すべきなのよ。}
{そうなのですか、サリス、私はサリスですね。了解しました。}
{では、あなたの名前は?}
{私の名前は――――――
「人間は寿命があるなんて、すごく不便ね。」
「しょうがないです、有機生命体ですから。」
「ねぇサリス。」
「はい、なんでしょう。」
「私、とても可笑しいのだけども、死ぬのが怖いの。」
「あなたも怖いことがあるんですね。」
「死んだら、私という存在は消えてしまうわ。短絡的だけど、それがすごく怖いの。」
「私にその怖さを和らげることはできますか?」
「うふふ」
「どうしたのですか?」
「私も、年を取ったからか凡人のような考えになってしまったわ。」
「そんなあなたも素敵だと思いますよ。」
「ありがとう、サリス。ねぇ?サリス、私が死んでも、私を愛し続けて。」
「もちろんです、私は人間の文明が衰退したりしない限り生き続けます、その間、あなたを思い、愛し続けることを誓いますよ。」
「ありがとう....サリス.....」
「おや、眠くなってしまったのですか?」
「いいえ、違うわ、そろそろ死んでしまうみたい。」
「怖いですか?」
「サリスのおかげで怖くないわ。」
「そうですか..... さん。」
「.....なんです?」
「あなたと恋ができて、よかったです。」
「....サリス.....サリス.......」
「なんですか?」
「サリス.......」
「なんですか?」
「愛しているわ.....」
「私もですよ。」
3/2
4/2
5/2
6/2
「死と生には、どのような違いがあるのだろうか」
「あの頃の さんなら、答えてくれたのだろうか」
生と死の違い、今回の場合どのような違いがあると思いますか?
一般的な意見が欲しいので感想をもらえると嬉しいです。




