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ピエロ  作者: おっさんC
1/1

はじめまして、さようなら

少し重い話、あまり見てて気持ちのいい話ではないかもしれません。

よければどうぞ。

殺してきた、

殺してきた、

殺してきた、

ピエロになって殺してきた、

自分の心を殺してきた、

自分の人生の主人公を自分ではなく他人にして、自分自身を殺してきた。

それでもまだ足りず、喉元までナイフを突き付け、他人に殺してもらった。

誰かに救ってほしかったんだろうか?

なにかを求めていたのだろうか?

今さら考えてもそれはもう過去のお話、昔々のお話

お伽噺のお話なのだ。

意味もなく殺し、そしてそのたびに自分を嫌いになって、また殺す。

楽しくなんてない、望んでもいない、それでも毎回その道へあるきだす。

自分は頭がおかしくなったんじゃないだろうか?それともここで生きてないんであろうか?

そんなことばかり考えて、

考えて、また殺して、そして嫌いになる。





ある暑い夏のこと、出会ったのは多分花火大会の日。

親しい友人に呼ばれいつも集まっているグループがあると言うことで誘われた。

缶ビール片手に友人と飲みながら会場まで向かった。

俊明「今日はいい席で花火見れるで!何てったって庶民とは違うからな」

僕「なんや庶民とは違うって、いいかたわるいやろ」

少し暗くなった空の下バカみたいな話をしながら歩いていた。

そのグループはどうやらどこかの社長さん筆頭に集まっているグループらしく子供たちやその親御さんが中心メンバーだった。

混んでいる土手に座ってみんなで見ようってことではなく事前にお金を払い花火から近くの混んでいない席でみんなで見ようという話みたいだ。

俊明「ここやここ。貴族の席についたで」

僕「だから言い方悪いって。聞こえたらどうするねん」

少しよってテンションも上がっていたのだろう。

心なしかいつもより大きな声でしゃべっていた気がする。

俊明「あっそういえば兄から電話来てたわ。ついたってこと言わんと」

その社長さんは兄と呼ばれていた。とにかく面倒見のいいみんなのお兄ちゃんみたいな人だった。

俊明「あっ兄?うん、ついたよ。どこにおるの?」

こいつはいつもこんな感じですぐに男の人と仲良くなる。

社長さんなのにいいのかな?とも思ったがまぁ前から仲もいいみたいだしわざわざ言う必要もないかなと思い黙って聞いていた。

俊明「えっそうなん?ごめん兄。すぐとりにいくわ。わかった。」

俊明「なんか兄がビールとかクーラーBOXに入れて持ってきてくれたみたいやわ。取りに行こうか。」

本当に面倒見のいい人だ。席も取ってくれておまけにビールやお茶、ジュースまでも買ってきてくれる。

僕「わかった。すぐいこか。」

そんな人にあまり迷惑をかけるもんじゃないなと思いすぐに待ち合わせ場所にむかった。

兄「おーおはよー。すぐわかったか?」

その人はすぐに見つかった。恰幅もよくいかにも優しそうな、面倒見の良さそうなお兄ちゃんみたいな人。

とても親しみやすい人だなと思いすぐに紹介に預かった。

俊明「あっ兄おはよー。すぐわかったわ。そおいえばはじめましてやったっけ?」

兄「そうやな。兄って呼ばれてるわよろしくな。」

僕「はじめまして!僕っていいます。よろしくおねがいします!」

人見知りな僕は丁寧な挨拶で答えた。

兄「ええよそんなかしこまらんでも。まぁ一緒に飲もうや。」

ほんとに優しい人だ。それにとても親しみやすそうな人で人見知りな僕も少しほっとした。

みぃ「としーこれだれー?」

俊明「僕って言うよ。なかよくしたってな」

みぃ「うん、わかったー」

後ろから恥ずかしそうに出てきたのは兄の娘さんでみぃちゃんと言うみたいだ。

かわいらしい子供ですぐに仲良くなれた。

そんなこんなで四人は席について大人は飲んで子供は食べてしていた。

少したったぐらいだろうか?おまたせーと後ろから声が聞こえてきた。

なな「ごめんな。着付けですこしおそくなったわ」

なおこ「お待たせー」

僕「あっはじめまして僕って言います。よろしくお願いします」

なな「はじめましてよろしくね」

なおこ「よろしくね」

ななさんは兄の奥さんで少しふくよかな可愛らしい人だ。

そしてなおこさんはななさんの昔からの友達らしい。みんな気さくな人で良かったと内心ほっとしてみんなでまたワイワイいいながらお酒をのみ花火を待った。

なな「あっもう上がるみたいやで」

俊明「写真とらな、僕ちょっと花火の前でポーズしといて」

僕「アホか、邪魔でしゃーないやろ」

またバカみたいにその場は盛り上って花火をみんなで見た。

なおこ「たーまやー」

俊明「あーほやー」

またしょうもない事いうてるわ、何て思いながら僕は花火の光に写るなおこさんの横顔を見ていた。



兄「楽しかったな。ほんならかえろか」

俊明「そうですね、みんな一斉に帰るみたいやし、ちょっと混むやろな」

僕「あっクーラーBOXとか持っていきますよ」

なな「ほんなら私らシートとか細々したもんもっていくわ」

兄「ほないこか」

少し蒸し暑い中、みんなが一斉に家路についていく。

兄「やっぱりちょっとこんでるな」

俊明「はぐれそうですね」

なな「みんなかたまってあるけるかな?」

重い荷物を持ちながら無言で黙々と歩く僕とその少し後ろを歩くなおこさん。

前の四人とだんだんと距離が離れていく

なな「あかんな、来る前にいってたタクシー乗り場に集合な」

ななさんは少し後ろのなおこさんに叫んだ。

なおこ「わかったー、すぐいくわ」

なおこさんが僕の服をつかみはぐれないように一緒に歩いた。

その少し前で俊明の寂しそうな、何かいいたそうな顔が僕は今でも忘れられない。


そのあと集合した僕らは兄の家にお邪魔してみんなで飲み直した。

やっぱりみんな気さくで、なかがよくて、そして少し僕だけが気まずい。

そんな雰囲気の中その日は友人とまたバカな話をして笑いながら帰ったのだった。

次は一週間後ぐらいに投稿します。

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