夢と未来の歩き方
列の最後方、転校生のほうを見てみると、目が合った。とりあえず、愛想笑いをしてテストのことのほうが現状深刻だな、と少しだけ頭を抱えようとしていると、その後方から声がかかった。転校生だ。
「あの、」
少し驚いたが、ここは平静を装って
「ああ、俺は東。よろしくね。」
「よろしくお願いします。あの大丈夫ですか?」
え、なにが?ああ、頭を抱えていたからか。
「て、テストの出来がね、よくなくてね…」
「素直な人ですね。」
と、微笑まれた。ぎくしゃくしすぎだろう。あ、当たり前か。
「改めまして、倉橋和です。よろしくお願いします!」
彼らは、ごく普通の高校生活を送ることになる。物語になんてする必要がないくらい、ごくごく普通の高校生活。
春が来た。春が来た、から始まる物語はたいていが青春ラブストーリー的な展開を見せるものだが、果たしてどうだろうか。この物語の主人公は、ごく普通の高校2年生だ。ごく普通で変わったこともなく、ただ高校生をしている。少しひねくれてはいるが、そういう年頃がだいたい高校2年生くらいだったりする。つまり難しいお年頃である。
そういった年頃の若者は、時には、現実か夢想か区別のつかない体験をすることもある。時には、一生をかけた長い長い夢を見ることもあるかもしれない。
大人になると、そんなことは忘れているか、夢だったのだろうと妙に納得してその型にはまった生活にいそしむことになるのだろう。
せめて現代の大人の方よ、夢を忘れずに。時折、思い返してみてくださいと進言しておこう。
後記になります。
物語を完結させるというのはとても難しいもので、私も色々と、何度も物語を書いてみましたが初めてと言っていい完結作です。出来は正直よろしく無いと思いますが、「書いてみよう」の次に躓く「完結しない」という壁を一つ破れたのかとも思います。物語を完結させると、そのキャラクターたちに命が吹き込まれるなと感じます。これからも、何かかけた際は投稿を検討します。ぜひ見つけた時は「ああ、あいつか」と覗いてみていただければ幸いです。




