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輝きのその先へ  作者: 追憶の欠片
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初登場 美桜 華恋

留美香が走り去って行ってから、俺は色んなクラスの人に声をかけてみたが、それでもなかなか相手が見つかることはなかった。一体俺の相手はどこの誰なのだろうか?こんなに広いグラウンドにいて目的の人物を見つけ出すのは正直かなり厳しいと思うんだけどな、歩き疲れたからちょっと近くのベンチに座って待ってみるか、ペアが少なくなってきたときには見つけやすいだろうしな。そう決めると俺は近くのベンチに深く腰を落とす。


「50番50番の方はいますか?」

俺が腰を落としたと同時に近くから俺と同じ番号の子の声が聞こえてきた。まさかこんなに早く目的の人物に会えるとは思えなかったから、ラッキーだったな。


「50番は俺だぞ~」


「どこにいらっしゃいますか~」

かなり大きな声で声をかけてみたが、周りの声と被ってしまっているためか、どうやら俺のことが見つけきれないらしい。


「こっちこっち~ベンチの近くにいるよ」

どうやら俺と同じ番号の子は無事に俺のことを見つけることが出来たらしく、俺のいるところに歩いてきた。近くまでくるとお互いの顔をしっかりと認識できるようになり、相手の女の子の顔を見た瞬間俺は安堵のため息を吐いた。


「どこかで聞いたことのある声が聞こえると思ったら、ライ君だったとは、お久しぶりですわ、」


「あぁ、久しぶり美桜みざくらさん、クラス離れちゃったからもう会わないかと思ったよ。」

彼女の名前は美桜みざくら華恋かれん去年俺や水鳥・神斗と同じクラスになった学級副委員長だ

見た目は完璧なお嬢様で人目を惹く金髪少女だ。人当たりが良く、運動・勉強・共に優秀な女の子だ、初めはこの子と仲良くなることはないと思ったが、ひょんなことから話すように仲良くなったのだ。

まぁ、他クラスであることは今初めて知ったけど、そこは別に話さなくてもいいだろう、そもそも俺は誰がクラスメイトなのかほとんど知らないからな。


「私も会えるとは思いませんでしたわ、ライ君は私に積極的に話しかけたりはしてなかったですから。ところで桜丘さんは元気ですか?」

この言葉から分かる通り、美桜さんは俺の幼馴染の水鳥と仲が良かった。水鳥はあの性格だから、俺が美桜さんと普通に話せるようになった時にはもの凄く仲が良くなっていた。


「心配しなくても水鳥ならいつも元気だよ、たまに不機嫌になりやすい日とかあるけど、あいつが風邪を引いたところとか見たことないしな。」


「元気なら良かったです。最近は忙しくて遊ぶことも少なくなってきたので、その話を聞けて安心しました。」


「忙しいっていつもの習い事とか?」


「えぇ、そうですわ、今はピアノに茶道、バイオリンを習っています。」


「3つもやってるんだ、大変じゃない?」


「好きでやっていることなので、とても楽しいですわ、特に今はバイオリンが楽しくて楽しくて」

そういう美桜さんの顔はとても嬉しそうで、見ているこっちにもその楽しさ、嬉しさが伝わってくる。

美桜さんにバイオリンはもの凄く似合ってると思う。一度演奏を聴いてみたいな


「すごく嬉しそうだね、美桜さん綺麗だからバイオリンとかすごく似合ってると思うよ。」


「ありがとうございます。綺麗って言われることはあまりないのでそう言ってもらえて嬉しいですわ、でも軽々しく綺麗や可愛いとは言わない方がいいですよ、そういう言葉は言いすぎると軽くなってしまいますから。」


「本当のことを言っただけなんだけどな、分かった、気を付けるよ。良ければ今度演奏を聞かせてもらってもいいかな?」


「もう少し練習して、お見せできるレベルになればその時は是非」


「うん、分かった楽しみにしておくよ。」

きっと素敵な演奏を聞かせてくれるんだろうな、今から楽しみだ。


「ところで美桜さんはどこのクラスになったの?」


「私は紅葉クラスですわ。ライ君はどこのクラスなんですか?」


「俺は縁クラスだよ。ちなみに水鳥も同じクラス」


「それでしたら休み時間に遊びに行かせていただきますね」


「うん、いつでも来なよ、水鳥も喜ぶだろうし。どうせなら来るときに花咲さんも誘ってさ」


「そうですね、琴音とは今年も同じクラスになったことですし、そうさせていただきます。」


「あっ同じクラスなんだ、花咲さんは元気でやってる?」


「はい、琴音は相変わらずですわ、あの子の元気がないと心配になるので常に元気でいてほしいと思いますの。」


「そっか、元気なら良かったよ。」


「もしかしてライ君は琴音に好意を抱いているのですか?」


「違う違う、花咲さんにはそういう感情を持ってないって、」


「つまり他の女性には好意を抱いているんですね、」

あっ、なんか話が嫌な方向に流れてきたな、まぁ、好きな人なんか…俺はそう考えると何故か数分前の留美香の顔を思い出していた。


「もしかして私の前にお話しされてた、雪白さんですか?少しいい雰囲気になってましたし。」


「ちっ違う!あいつ、留美香のことは好きじゃない。」

俺はふと脳裏をよぎった女の子の名前を出されて少し焦ってしまった。そんな俺の反応が怪しかったのか、美桜さんは俺にさらに追い打ちをかけてきた。


「留美香のこと…ですか、ライ君が女の子の名前を呼ぶのは珍しいですわね、本当に好意を抱いていないんですの?」

女の子ってどうしてこんなに恋バナには積極的になるのだろうか?


「だから俺は本当にあいつのことなんて」

そこまで言うと、俺の言葉を遮るように宗兄の声が聞こえてきた。


「よ~しみんな~話し合いはそこまでにして、そろそろ花見に移るぞ~とりあえず元のクラスに集まってくれ~補足説明があるからな~」


「残念ですわ、もう少しで聞き出せそうでしたのに、どうやらここまでのようですわね。」

あぁ~良かったどうやらようやく解放されるらしい、留美香の時は恨んだけど、今は心からグッジョブ宗兄

といいたい、数分前に恨んでごめん。


「そうだね、本当に好きな人が出来たら教えるから、今は本当にいないよ。」


「分かりましたわ、今はそういうことで納得しておきます。それではライ君、またですわ。」


「あぁ、またね美桜さん」

俺は手を振り美桜さんを見送った。今回は知ってるメンバーと話が出来て良かった。

さてと、それじゃ、メインの花見でも楽しもうか、俺は気持ちを入れ替えると元のクラスの場所へ移動を始めた。、

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