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輝きのその先へ  作者: 追憶の欠片
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予期せぬ目覚め

「まさかこんな時間になるなんてな。」


今日は始業式の次の日ということもあり午後の3時まで学校がある。

昨日の少女の件を考えるのを後回しにしていたことが今裏目に出るとはな。

今現在時計の針は2時を指している。

寝過ごしたとかそういうわけではないんだ。完全に遅刻だから言い訳をしているわけでもない。

何故なら


「夜中ってないだろ」

俺は暇を持て余していた。近所迷惑になるからこの時間に風呂に入るわけにもいかないし、14時間も寝た結果全く眠くない。

外に散歩しに行くわけにもいかない。だって補導されたくないからな!


「さて、どうするか、やることないな」

家には暇を潰すものも特にない。強いて挙げるなら水鳥が持ち込んできた少女漫画があるくらいだ。別に少女漫画が嫌いなわけでも

あまり読まない訳でもない。むしろ水鳥の影響でよく読むほうだ。じゃあ読めばいいじゃないかと周りからは言われそうだが、全部読み返しすぎて内容を覚えてるので、

読み始めで今後の展開が分かるので、はっきり言ってつまらない。


「しょうがない時間はたっぷりあるから、留美香っていう女の子への謝り方、内容を考えるか。」

まずは勘違いさせるようなことをして悪かった。それから改めて自己紹介をしないとな。

その他に必要なことは~……


俺は脳内で謝るシュミレーションを開始した。それから数分悩み続け


「よし!決まった。」


俺は自分の中で出した答えに満足し、時計を見てみると時刻は2時30分を示していた。

どうしよう、本格的にやることが無くなった…まぁ布団に入ればまた眠くなるだろう。


「じゃあ再度おやすみ~」


………寝れない。こういう時はどうするんだっけ?確か羊の数を数えるんだったけな。

羊が一匹…羊が二匹…羊が三匹

これで本当に眠くなるのか疑問に思うが、信じてみるか!


羊が1000匹…羊が1001匹…羊が1002匹

あれ?おかしいな全然眠くならないぞ。きっとまだ数えたりないからかな?もっと数えるころには眠くなるだろう。


………羊が1857匹…羊があれ?今何匹めだっけ?確か羊が1827匹…羊が…


って寝れねぇよ!どう考えてもおかしいだろ、なんだよ羊が1000超えたあたりからおかしいとは思ってたけどさ!

頭使いすぎて疲れただけじゃねぇか!誰だよこんな嘘教えたやつは!

俺は怒りのあまり興奮して余計に眠れなくなった。

でも時間はかなり経っただろう。えっと…見ると時計の時間は4時30分を指し示していた。

「全然時間経ってねえじゃねぇか!」



ガシャン


思わず目覚まし時計を叩きつけ大きな音が鳴ってしまったが、こんな時間だ誰か起きてるわけでもないし、そんなことは些細なこ、



カラカラカラ

「雷!うるさい、こんな時間に起こさないでよ!」


水鳥はどうして音の発信源が俺だと分かったのだろうか?ちょっと言い訳をしてみるか。


「水鳥俺が音を立てたとは限らないじゃ」


「ごめんなさいもないんだ、ふ~んそう、もういいわ」

カラカラカラ


……弁解も出来なかった。素直に謝っとけよ俺の馬鹿!

俺はこの後自分の行動のせいで更に眠くなくなることになった。


そして登校前に水鳥に謝るところから朝が始まるのだった。


「朝早くに起こしてごめんな水鳥。」

俺は今朝の大きな音を立ててしまったことについて水鳥に謝っていた。


「あの時は少しイラッとしちゃったけど別にもういいよ。どうせ雷だし」


「本当にすいませんでした。」


「だからもういいってば」


そう言って水鳥が少し笑っていたので俺は少し安心した。どうせっていう言葉から呆れられているのはよく分かる。

水鳥の中の俺のイメージがどうなっているのか知りたいと思う。今日この頃


「そう言えば雪白さんになんて謝るか決めたの?」


「それなら大丈夫、羊の数を数える前に考えたからな」


「羊??よく分からないけど、上手くいくといいね」


「俺もそう思う。仲良くなれるといいなと思うけど、厳しいんじゃないか、第一印象最悪なんだよな。」


「第一印象は変えられないけど、その後の印象は変えられるんだから、ファイトだよ。」


「おう、ありがとう。ところで水鳥はどのクラスだった?」


「私は緑えにしクラスだった。」


「おっ!今年も同じクラスだな」


「うわ~今年もなんだ~」


「その反応はひどくね?」


「だって小学校からずっと同じクラスなんだよ?そろそろ雷から離れて落ち着きたいなと思ってたのに。残念」


そんな反応される俺のほうが残念だよ。


「言われてみればそうだな、これだけ一緒だと運命じゃないか?」


「悪夢の間違いだと思うわよ。…いつもフォローするのが大変なんだから」


最後の方はあまり聞こえなかったが、そんなに俺と一緒は嫌なのか?


「せめて担任の先生がいい人なことを願うしかないかな」


今の言葉で確信した、相当嫌らしい。


「話してるうちに学校に着いたね、じゃあ教室に向かおうよ」


「あぁ」


それから少し歩き、下駄箱の前にたどり着いた俺たちは一つの問題に直面した。下駄箱ってどこ使えばいいか分かんねぇ…

お互いに少し困ったが水鳥が助け舟を出してくれた。


「念の為にビニール袋持ってきておいて良かった。はい、これ雷の分」


「ありがとな 水鳥ありがたくもらっておく。」


俺は水鳥からビニール袋を受け取り、履いていた靴を袋に入れた瞬間固まった。

そういえば上履き持ってきてないぞ…


「もたもたしてるなら、先に行ってるね」


「おう、また後でな」

俺は水鳥に別れを告げた。何で上履きのこと忘れてたのかな俺は…そんなことを考えながら

流石に素足は寒いのでスリッパを貸してもらうために職員室へと向かった。


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