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輝きのその先へ  作者: 追憶の欠片
2/9

~始まりの朝~

次の話は少し長くかかると思います。

私立緑風りょくふう学園


校内はとても広く校門を通れば沢山の桜紅葉さくらもみじの木で並木道が出来ている。春になれば桜を満開に咲かせ、秋には色鮮やかな紅葉を魅せる。

自然で溢れているこの学園は、安い学費にも関わらず、設備は良く学校行事が幅広いことから毎年大勢の受験生で溢れる人気のある学校である。

そんな学園に通う俺、飛流ひりゅう雷騎らいきは今日で二年生になる。


「ライ~、起きて朝食できたよ~」

起こしてくれてるのは、俺の幼馴染の桜丘さくらおか水鳥みどりだ、俺と水鳥の両親はご近所なこともありとても仲がよく一緒にいることが多かった、そのため同い年の水鳥とも一緒の時間を過ごすことが多くなり自然と仲良くなったのだ。今思えば仲良くなれたのは水鳥の明るくフレンドリーなところも大きかったかな。


「うっう~ん、後300秒寝かせて」


俺が朝に弱いことを知っているからか、大事な日などはよく起こしに家まで来てくれたりする良いやつだ

感謝してはいるけどなかなか素直に伝えられないことも少なくない。

だって恥ずかしいじゃん。


「はぁ、5分も待ってたらご飯冷めちゃうでしょ?いいから起きて」


「分かったよ………起きて着替えるから先に降りててくれないか?」


「じゃあ先に待ってるね。少し経って降りてこなかったら、着替え中でも部屋に入るから」

そう言い残して水鳥は部屋を出ていった。


ふぅ…さて起きますか、少し急がないと水鳥は本当に部屋に入ってくるからな

以前着替えるのにもたもたしてたら無言でドアを開けられ、冷たい目で着替え終わるまでじっと見られたことがあった。あのときの視線はちょっと耐えづらかったな、早く下に下りよう

俺は急いで準備を済ませリビングに向かった。


「おはよう水鳥、起こしにきてくれてありがとな」


「その挨拶は起きたときにするべきだったと思うけど…おはよう、もう起こすのも慣れたから気にしなくていいわよ、そんなことより、ご飯食べちゃいましょ」


「そうだな、ありがたく頂くとしますか」


「「いただきます」」


いきなりだが、俺は親から仕送りをもらっている。いわば一人暮らしの状態だ。

家は一人で暮らすには無駄に広く、友達でも誰でもいつでも誘えるし、ご近所とも仲が良く良いこと尽くしだ。

あぁ~今日は待ちに待った始業式だな、今年はどんなクラスになるのか

俺は始業式のことを考えて、期待で胸が一杯になった。


「ライすごく楽しそうだね」


どうやら表情に出ていたらしい、ちょっぴり恥ずかしいな。


「今年もクラス替えがあると思ったらなんだか嬉しくなっちゃってさ」


「ライはクラス替え好きそうだもんね。私は好きじゃないかも」


「おっ意外だな、あんな面白いイベント楽しめないなんて水鳥は損してるな~」


「楽しいには楽しいんだけど疲れるんだもん」


「確かに疲れるけどな、そこも含めての楽しさだろ」


「そうかも、あれ?でもライは去年はクラス替え嫌がってなかったっけ?」


「クラス替えが終わった後の、知らない人と話すのが辛くてな…」


「私はそれこそがクラス替えの楽しみだと思うんだけどな~友達もたくさん出来るしね」


「知りあってすぐに仲良く、なんて俺には出来そうもないな。水鳥は誰とでも仲良くなれそうだけど」

以前話しかけに行って話しが続かなかったなんてことがあった、そいつはあまり話さないタイプだったこともあり、こっちから振る話題がなくなった時の沈黙は痛いものがあった。まぁ、後日なんとかして共通の話題を見つけたあと仲良くなるのは早かったが。


「私は自分から話しかけに行ってるし、それに話題なんていくらでもあるから、話していくうちに自然とね」


「初対面でよくそんなに話題が見つかるよな、去年ならどこの中学だった?とか、どこの部活に入る予定?とか俺も色々聞けたけど、今年は二年生だからその手は使えないし、特に興味も持てないし」


「あはは…ライは興味ないとあまり自分から動かないもんね。」


「まあな、っと飯美味しかったぞ、ご馳走様。」


「はい、お粗末さまでした。私もご馳走様でした。」


「片付けは俺がやっておくから、水鳥は登校準備でもしててくれよ、一度家戻らないとだろ?」


「それならお言葉に甘えさせて頂きます。後はよろしくね」


「あぁ、任せとけ」

俺は使った食器をを丁寧に洗っていった。食器を洗っていると玄関から水鳥の声が聞こえてきた。


「ライ~準備できたよ~」

ちょっと丁寧に洗いすぎてたかもなぁ、まぁいっか。


「おぅ、今行くぞ……お待たせ!」


「うん、じゃあ行こっか」


~登校中~


「なぁ水鳥、学校まで少しだけ遠いと思わないか?」

俺たちの学校は自宅から徒歩30分の場所にある。

距離にすると約2kmちょっとになる。うん遠いな。


「ライは、始業式とか入学式とかある度にそう言ってるよね」


「遠いのは事実なんだから言いたくもなるだろ」


「少しなら気持ちも分かるんだけどね、卒業までにいったい後何回同じセリフを聞くのかな…」

やれやれ、もう聞き飽きたよ。なんてため息をつかれた


俺そんなに毎回言ってたっけ?おかしいな、そんなに言ってるつもりはなかったけど…

いや、待てよ…思い返してみれば小・中学校時代もかなり言ってた気がするな。

そう考えると高校生活は残り2年近くだから………


「後4,5回位じゃないか」


「言わないようにする努力はしないんだね…」


「してもいいけどすぐに忘れるからな!」


「堂々といわないでよ…はぁ」


「水鳥、知ってるか?ため息ばかりついてると幸せが逃げるんだってさ、だからほら、笑おうぜ」


「ため息の原因に言われてもねぇ~」ジ~………

俺はこの視線ちょっと辛いよなと思いつつ

そんないつも通りのやりとりをしていると、後ろから肩をたたかれ、声をかけられた。


「よっ!雷騎、水鳥ちゃん、おはよう」

振り向いた先にいたのは…友人の西園寺神斗さいおんじかみとだった。


「おう、ぉはよ~神斗かみと、顔が近いから、離れろ」


「おはよう、しん君、ちょっと近いから離れてくれる?」


「ん?あぁ、ごめんごめん、すぐに離れるよ。」

そういうと、神斗はすっと俺の隣に移動してきた。ちなみに今の配置は

車道側から神斗、俺、水鳥の順だ。普通は水鳥が真ん中だろ…


「んで、二人とも何話してたの?」


「他愛もないいつもの雑談よ、ライがくだらないこと言ってたから、呆れてただけ」


「雷騎のことだからどうせ、学校が遠いとかでしょ?こいつあれだから」


「そうそう、ライはあれだから」


「二人とも人を挟んであれ扱いするのやめろよ、少し傷つくだろ。」


「「へぇ~嘘くさ~い」」


「二人そろってひどいな!俺は実は結構傷つきやすいんだからな!」


「そうなんだ、私先行くね~」


「俺もついてく~、雷騎お先~」

二人はそう言って走り始めた。


「待て~俺のこと無視していくな~!」

置いてかれるのも嫌だから、俺は二人を追うために走り始めるが、問題が一つだけある。

あいつら、足速いから、追いつけるかな?まぁ疲れたら途中で歩いてゆっくり行くか、そんなことを思いながら、俺たちは学校へと向かった。


~校門前~

「と~うちゃく♪ちょっと疲れたよ~神しん君結構余裕そうに走ってたけどもしかしてまた足速くなった?」


この頃俺はまだ学校に着いてはいなかった。


「足が速くなったって言うよりは体力がついてきたって感じかな、主に雷騎が考えた遊びのせいで」


「確かに体力はつくよね日向ぼっことか・こおりおにとか・それにライは時々変な遊び思いつくもんね。自分で考えた遊びで墓穴掘ってた時は面白かったけど」


「墓穴?あぁ、かくれんぼのことね、確かにあれは面白かったね、あの雷騎の慌てた顔とか」


「そうそう」


「急に顔が赤くなったと思ったら、次の瞬間には一気に青ざめてたし、」


「あれはちょっと気の毒だったと思うけど」


「まぁ、あれは自業自得だから、それにしても雷騎遅いな…」


「そうね、そろそろついてもいい頃だけど…噂をすれば来たみたい」


「どうしたの、雷ライ、いつもよりも時間かかってたわね」


俺は二人を追いかけようやく追いつくことが出来た。


「はぁ、はぁ、ようやく追いついた~お前ら相変わらず足速いよな、ついていくのが大変だったぞ」


「「その割には汗かいてないよ(ね)(な)」」


……俺はいつもこの二人を律儀に追っている時は確かに汗をかいていた。だが今日は違う、目に見えるものだから誤魔化しようがない。多分これは事実を正直に話したほうがいいと思う、そんな気がする。

「すまん正直途中で疲れたから歩いて最後だけ今まで走ってきたふりしてた」


……じ~………


うっ…二人の視線が辛い

やっぱり無理してでも走ってくれば良かったかな…


クルッ

テクテクテク

「神君、今年も同じクラスになれるか楽しみだね」


「あぁ、俺も水鳥ちゃんと同じクラスになれるといいなって思ってたんだ、すごく楽しみだよ」


「待て、俺のこと置いてくなよ~二人とも今日のクラス替え楽しみだよな」


スタスタスタ

あれ…心なしかあいつら早歩きになってないか?

これ完全に置いていかれるパターンじゃ…


「今日の集合場所は体育館だったよね?担任の先生誰になるのかな」


「担任だったら今年も神田かんだ先生が俺はいいかな」


「私も宗兄そうにい好きだから担任だといいな、まぁ、行ってからのお楽しみだね」


「そうだね~」


「いやだから、待ってくれって、なぁ、俺が悪かったけどいないモノ扱いはやめようぜ!、なぁ」


「「ごめん今大事な話してるから黙っててくれない」」


「ごめん」

何も言い返せなかった俺はトボトボと二人の後ろをついていくことしか出来なかった。

とりあえず誤字脱字がないと嬉しいな。

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