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第9話 動き出す心

 


 私たちが行き着いた先は草一つ無い空き地でした。

 エリックさんはついた途端に私の手を離し、じっとこちらを見てきます。

 感情があったころの私ならば恥ずかしくて顔をそむけてしまうだろうなどと考えながら私もエリックさんの顔を見つめました。


 「何があったの?」


 「何もありません」


 「嘘だ! じゃなきゃ君が昔のように戻ってしまうなんてことはない!」


 そこまで私の感情が無くなってしまうことはわかりやすいことなのかと思いました。

 エリックさんを見つめていた顔を下へと向けていくとそこには枝を握ったエリックさんの手が見えました。その手は固く握りしめられていて枝が折れてしまうのではないかと思ってしまいます。

 その枝をよくみると、それは花を小さく、しかし存在を主張して咲き誇っている桜でした。

 

 桜。

 あの婚約者の……。


 「椿? どうしたんだ?」


 私が急にうつむいたからなのか、エリックさんは心配そうな声をだします。

 桜を見たからなのか心配そうなエリックさんを見たからなのか、私の心の奥からどろどろとした醜い感情が前にでてこようとします。

 

 「椿!?」


 私が取った行動はエリックさんから逃げるというものでした。







 しばらく走り、気がつくと思いでのヒガンバナ畑にいました。

 あの毒々しいまでの真っ赤な花はまだ蕾をつけていませんでした。

 私はその場にしゃがみ込んでしまいました。

 

 「なんでこんなことになったのかなぁ?」


 感情を捨てたはずなのに。

 昔の私に戻ったはずなのに。

 婚約者なんか関係ないのに。

 エリックさんの思いも封じたはずなのに。

 結ばれないって分かってたはずなのに。


 「…………っ」


 この涙はなんなのでしょう。

 鍵をしていたはずの心の周りにはあの人からもらったたくさんの花とその花言葉でいっぱいです。

 鍵はいつのまにか花となり、なくなっていました。

 残ったものはもう止めることができない心だけです。


 「かなわないのに!」


 「なんで私の心は消えないのですか!」


 「消えて……っ! 消えてよぉ…………」


 どんなに願っても、あふれてくるものは涙と彼への思いばかりです。

 

 「昔は捨てられたのになんでっ!」




 神様、私が欲張ったからですか?


 

 

本当にお久しぶりです;

それなのにこの文の短さ……もうどうしようもありません。

絶対に終わりまで持っていきたいと思うのでかなり不定期更新ですが、読んでやってくれるという優しい人は最期までつき合ってやってくれると嬉しいです。

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