「冒険者」という職業はなりたつのか
「異世界」ものにおいては、ゲーム的なご都合主義的「お約束」が存在することが多いです。
「冒険者」が街の外にでれば、モンスターが湧いて出て、それを退治すれば経験値と財貨が手に入ります。
そんな職業が成り立つためには、モンスターの発生と駆除がきれいにバランスが取れないといけないはずですが、なかなかに非現実的な想定だと思います。
実際には退治しすぎないようにカルテルを結ぶ必要があるはずで、「冒険者ギルド」がこうした調整をするしかないはずですが、そのような記述は読んだことがありません。
「実力」だけで生きていける世界は、なかなか構想するだけでも難しいようです。
世知辛いものですね。
こういった「お約束」は、「大人の事情」として軽く流してしまうのが、正しい態度というものでしょう。
全体として不自然であっても、局所的に成立するケースも多々あるので、あえてそういうものと考えて納得することにしましょう。
現代におけるビジネスモデルであっても、何十年も持続可能なものはまれです。
アメリカの「西部劇」の世界にしても、実際のガンマンの時代というのはきわめて短い期間しか続かなかったようなのに、強い印象をぼくらに残しています。
異世界の「冒険者」も、きっとそういう一瞬のきらめきなのでしょう。