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「現実」を乗り越えるための具体的な方法

「魂の交流」を現実世界でうまくやるのは、実際ハードルがかなり高くなってしまっています。


さもなければ、「異世界」小説にわざわざ逃げていったり誰もしません。


昔の人情ものとかを見て、昔はこんなことが現実にできたのかなあ、と思うくらいです。

「恋愛」だって「友情」だって、昔はもう少し機能していた風なのに、なぜ今はこうなんだろう。


残念ですが、今はこうなのです。

(その理由は、後の機会に回します。)


とりあえず、今の現実は「クソ」だということを踏まえて、そこで何とかする方法を模索する以外にないと思います。


昔はよかったなあ、で終わるのではなく。


死んで「異世界」でやり直そうか、ではなく。



というわけで、ぼくが見つけた決定的に重要なメソッドをここで披露しようと思います。

ここまで煽っておいて、具体的に役立つ方法が教えられないなら非道すぎますから。


これは自分が壁にぶつかってどうしようもないときに、そこを突破する方法として発見したものです。

ぼくオリジナルで、本邦初公開です。

怪しげではありますが、効果は自分の中で確かめてあります。


認知科学や仏教の修行法、キリスト教などを研究してたどり着きました。

その効果は、人見知りで臆病なぼくが、ここまでいろいろ憶見で断言して一歩もはばかることがない強気の態度で判定してください。



最初のステップです。

まず、「根拠ないけど俺は偉いぞ」とつぶやきます。

(怒鳴るでもいいけどそこはお好みで。あと、好みで別パターンの選択も可。)


本や映画に影響されたり酒飲んでハイになってるときには、素でやれるかもしれませんが、普通だとちょっと切ないような後ろめたい気がするはずです。

ここで無理して頑張って、何度か自分に言い聞かせるようにしてください。

言葉の意味を噛みしめながら、自分の胸や腹にしみこむようにしてください。

この時点で相当いたたまれない気持ちになってきているはずです。


ここで自分のすぐそばにもう一人の人間が立っているイメージを作ってください。

背格好はだいたい自分と同じです。

そんなにしっかりしたイメージでなくて、肩から首筋の輪郭くらいでとりあえずOKです。

その人物が、「そうそう」と、自分の言葉に相づちを打つイメージです。


根拠ないけど俺は偉いぞ。 ――そうそう。

根拠ないけど俺は偉いぞ。 ――そうそう。

根拠ないけど俺は偉いぞ。 ――そうそう。


繰り返していると、自分の言葉に誰かが本当に相づちを打ってくれているような気がしてきます。

錯覚です。

人間は自分が作り出したイメージにも騙される程度にはバカなので、これを利用します。


後ろめたさが薄れてきて、「こんな風に思うのも実はありなのかもしれない」という気持ちが育ってきたら成功です。



次のステップです。

今度は、その時点の自分が、もう一人ダブルでいるイメージを作ります。

根拠ないけど俺は偉い、という感覚がある程度しみこんだけど、まだ面映く思っているような自分のイメージです。

それが自分のすぐ近くに立っています。


わー、こいつ、よくいけしゃあしゃあとこんな顔ができているなあ。

恥ずかしそうだけれど、ちょっとだけ誇らしそうじゃん。

よくやるなー。

いいのかなー。

これもありィ?

うーん、ありでもいいか。


こんな自問自答を繰り返しながら、その都度自分の感覚をイメージにフィードバックしていきます。

恥ずかしいのは自分ではなく、自分の友人であるかのような錯覚をつくり、友人がOKなら、自分もOKでいいかという思考に誘導されます。

人間は孤立して主体的にふるまうのは嫌だけれど、周囲の友達に引きずられればたいがいのことはやれてしまうという心理を利用しています。



最後のステップです。

となりにいる自分が、もう少しステップアップをもくろんでいるという風に、イメージを強化してみます。

となりの自分が強く輝いているような、少し上に顔を向けているようなイメージがいいかもしれません。


え、こいつ、まだ続ける気?

この上、行くの?

本気か?

えー、正気じゃないぜ。

クソ、でも、ちょっとかっこいいかも。

こいつだけ、そんなー。

うー、俺もめざすべきなのかー。


やはり自問自答を続けて、自分が引き上げられる感覚をつかみます。

2番目のステップでは、マイナスの想念の影響を減らすことが目的でしたが、それだけだとじきに元に戻ってしまいます。

このステップでは、もう一段上が基準としてなじんでいくようにしているので、マイナスの想念は払拭することが可能になります。



このメソッドは、人間の主体性の弱さを、錯覚による擬似フィードバックループを利用して克服するという画期的なメソッドです。

だれか相手がいなければ実現できないはずの「魂の交流」を、一人二役でやってしまおうという荒業です。


それだけに傍目には滑稽に見えるかもしれませんが、心理学を高度に応用した実践性の高いテクニックです。


基本は以上です。

あとはバリエーションを増やすなり、レベルを上げるなり、いろいろ試してほしいと思います。


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