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3話 ソロコンテストと恋の狂詩曲(ラプソディー) #5

 数分後……。

「入るよ〜!」

 ロゼが男子の部屋に入ってきた。

「シャワー室、空いたから入って。ん、何、この絵?」

 ロゼは彼女のイメージイラストを見つけてしまった。3人はあーっ、ロゼさんのギャップのスイッチが……。と焦っていた。彼女はその紙を見て……。

「ほう……。私は帽子の方が好きだな。露出が多いのは好きではない」

「ロゼさん……?」

とザークがもう俺のこと、見放したの? というような顔をしていった。

「やったー! 僕の勝ちだ!」

とレイムが嬉しそうな声と顔をしていった。

「帽子の方の絵はレイムが描いたんだ。そりゃー、そうだよね。隅の方にレイムの絵が描いてあったからすぐに分かったけど」

 ロゼはいつもの彼女に戻った。シヴァが、

「じゃあ、俺はシャワーを浴びて来る。3人でごゆるりと〜♪」

といって部屋から出ていった。

「シヴァさん、行ってらっしゃい。なぜ、僕の絵を?」

 レイムはシヴァをご親切に見送った(?)。

「露出が多いのは好きじゃないから。レイムの方がカッコよさはあるかなぁって思ったんだ」

 シヴァのことを気にせずにロゼは絵の話に戻した。

「ロゼさんは色っぽさではなくて、カッコよさ及び大人っぽさを要求するんですね」

「うん。だけどね、レイム。これはもうちょい開けた方がいいんだよね……」

 服のアドバイスだろうか?

「これはロゼさんにコスプレさせたらどんな感じがいいかっていう話になってザークと僕で絵を描いたんです」

「えっ、私に? さっきのトランプ大会の時、レイムがロゼさんが最下位になったら教えます。っていってたから、やっぱりコスプレかと思ったんだ。まぁ、私もクラスでよくいわれるよ。私がレイムの絵が気に入ったのは帽子と靴。だって、踵が低いものじゃないのはもちろんのこと、ヒールだもん! 私、ヒールならたくさんあるし。ザークのは何度もいうけど、露出が多い、それからブーツ。私が嫌いなものがほとんどかな……」

 ロゼは興奮したかのようにいっていた。

「ロゼさんの服の趣味がよく分かりました」

「私も2人は絵が上手なことがよく分かりました。今日はもう遅いからシャワーを浴びて、早く寝な。おやすみ、お2人さん♪」

「ハイ、おやすみなさい、ロゼさん」


女子side

 ロゼが部屋に戻って来たとき、他の女子メンバーは悪戯っぽい笑みで出迎えた。

「ロゼ、メンズの部屋で何してたの?」

 マリアがいう。

「な、何もしてないよ。ただ、ザークとレイムと話してただけだけど」

「何について?」

 ナミが聞く。

「例のジャン先生とのコスプレ疑惑のこと。男子たちが私がコスプレしたらこんな感じじゃないかとか色々想像してたみたい」

「ホントにそれだけ?」

 リヴァルが問いかける。

「うん」

「ホントにホントにそれだけですか?」

 ハイ、女子メンバーに問いつめられるロゼだった。

「……(問いつめないでよ……。)ホントにそれだけだよ……」

「そう、ならいいや(ならいいです)」

「そうだ! メンズがいないことですし、またトランプ大会でもやりませんか?」

 オペラがいった。

「さんせー!」


 それから彼女らは1時くらいまでトランプをしていた。その時、メンズは寝ていた。先生たち、すっぴんで彼女らの部屋を通ったが、彼女らは気づかなかった。


 彼らが学校の宿泊室に泊まり始めて2日目。

 彼らは6時に起きて来た。ちなみに、今日は意外とラフな服装(注・Tシャツとハーフパンツっぽいもの)をしている。

「おはようございます」

「ハイ、おはよう」


 時は流れ……、3000年。

パンドラクロスside

 その館らしき建物の中に書斎があり、そこには2人の男女がいた。1人は男性、1人は白衣を着た女性だった。

「ライトレイの奴らが動き出した」

「そうね……」

 トレイズとアリソンがモニターを見て、冷静にいった。

 その時、その書斎のドアが開いていたらしく、イナーシャとラファがそこを通過した。

「さっき、ライトレイの奴らが動き出したっていってたよね?」

「ハイ」

 2人は顔を見合わせて……、

「みんなに報告しなきゃ!」

 そして、彼女らは走り出した。


ライトレイside

「さあ、行くわよ!」

「了解!」

「あれ、ロブ、いつからいたの?」

 ネロがロブに問いかけた。そういえば、ロブが出てくるシーンが少なかったような気がするのは気のせいだろうか?

「さっきからです」

「そう……、分かったわ」

「みんな、これから俺が開発した武器を渡す」

 ベネディクトが全員に武器を渡していく。

 その武器は楽器だった。

 ティーが……、

「あの……、ベネディクトさん。これは楽器じゃないですか?」

と怪訝そうにいった。それぞれの楽器は異なるもので、サラはフルート、リリアはトロンボーン、ティーはトランペット、ユアンはトライアングルとその他いろいろなバチ、ロブはチューバだった。

「そうだよ。これらは武器用の楽器だから。原本となる楽器は別にあるから安心してくれ。これらはすぐに使えるようになっているから使う前には十分に注意をしてほしい」

とベネディクトが楽しそうにいった。

「そうですか……」

 ティーは食い下がったのであった。

「今日こそ奴らをコテンパンに倒してやる……!」

 あのー、ネロさん。この作品でバトルシーンの描写は初めてなんですけど……。

「そう……、私たちの活躍をたくさん描写してね」

 あっ、ハイ、分かりました。


パンドラクロスside

 イナーシャとラファが他のメンバーに状況を説明したり、呼び出したりしてバタバタしていた。その状況をすぐに理解したのはフィオナだった。

「何が起きたんだ?」

「ライトレイの人たちが動き出したみたいです」

「フィオナ、協力して」

「分かった。男子たちにそのことを伝えてほしいと」


イナーシャside

「こちらはウィル。名前をどうぞ」

「おはよう。ウィル、こちらはイナーシャ。今から緊急会議を開くから、今から私の部屋に来て!」

「了解」


ラファside

「こちらはセロン。名前をどうぞ」

「セロン、おはよう。こちらはラファ。今からイナーシャさんの部屋で作戦会議をやるみたいだから、至急来て!」

「分かった」


フィオナside

「こちらはエリアス。名前をどうぞ」

「こちらはフィオナ。おはよう、エリアス」

「フ、フィオナさん……♪おはようございます♪」

「なんか朝から嬉しそうじゃん。あっ、今からイナーシャの部屋で会議をやるみたいだから、至急彼女の部屋に来てほしい」

「分かりました。フィオナさんのためならどこにも一緒に行きます!」

「私のためではなく、みんなのための方がいいんだが……」

「あっ、すみません。今から行きます!」


トレイズside

「イナーシャを電話で呼び出せ」

「了解」

 アリソンがイナーシャに電話を繋ぐ……。

『ハイ、こちらはイナーシャ。名前をどうぞ』

「あっ、イナーシャ?こちらはアリソン。今、何やってるの?」

『今、メンバー全員で作戦会議を始めるところです』

「そう……。あっ、ちょっと待ってて」

『ハイ』

 アリソンは保留モードに切り替える。

「今から、彼女の部屋で作戦会議を開くみたい」

「そうか……。全員をここに呼び出せ!」

「了解」

 保留モード、解除。

『アリソン、どうしたの?』

「あっ、ちょっとね……。今から、トレイズの書斎に来ること、できる?」

『うん、多分……。今から行くね』

「了解」

 電話、終了。

「今から、こちらに向かうみたいね……」

「そうか……」


イナーシャside

「今から、みんなでお父様の書斎に行って、作戦会議の続きをしましょう」

「それ、私のセリフなんだが……。イナーシャ、さっきから仕切り過ぎだぞ」

 フィオナは誰にも聞こえないようにいった。イナーシャが……。

「フィオナ、なんかいった?」

「いや、別に何も」


ライトレイside

「奴らも動き出した……」

「そうだな……」

 ネロとベネディクトがポソッといった。


パンドラクロスside

 トレイズの書斎にイナーシャたちが駆けつけた。

「お父様、どうなさいましたか? 突然、私たちを呼び出して……」

「作戦会議をしてたみたいだな」

「ハイ。始めようとしたら、アリソンから電話がかかって来たので」

「ほう……。そうか。じゃあ、早速、作戦会議を開始するか」

「ハイ」


 それから、数時間くらい、念入りに作戦会議を繰り広げていた。


 時は戻り……、2010年。

 未来はゴタゴタが起きそうなのに、現在は平和である。

 彼らはなぜか楽器を洗ったり、磨いたりしている。

 楽器を洗っているのは金管楽器だけで、木管楽器は楽器を磨いていた。アレ? 金管楽器の人たちが楽器を持って大移動をしていた。ちょっと誰かに聞いてみよう。

「コンクール前には毎年、楽器を洗ったり、磨いたりしているんだよ。綺麗な楽器で本番を迎えたいじゃない。私たちは毎年、第2体育館の近くで楽器を洗っているんだよ」

とマリアがいった。

「何か洗いおけでも借りて来ましょうか?」

 レイムがいった。

「そうですね。去年はどこで借りてきたんですか?」

 ザークがレイムに続けていった。

「確か、生物準備室だったよね」

「うん。ヨナ先生から借りてきたような……」

 マリアがロゼに聞いていた。

「ねぇ、マリア。生物準備室に行こう」

「うん。じゃあ、みんなはちょっと待っててね」

「ハーイ」


ロゼside

 コンコン♪

「ハーイ。あっ、ロゼとマリアだ!」

 白衣を着た女性が出てきた。

「こんにちは、ヨナ先生」

「ヨナ先生、洗いおけってある?」

 ロゼがヨナに問いかけた。

「あるよー。いくつ必要?」

「6個ある?」

「うん。あるある」

「あっ、ロゼ。ジャン先生がいるよ」

 マリアが楽しそうにいった。

「あぁ……。今日はついてないな……」

 ロゼ、今にも泣きそうな顔をしている。

「あっ、ロゼ君とマリア君、久しぶりだな」

 ジャンはロゼを前にすると嬉しそうだ。

「こんにちは」

「こ、こんにちは、ジャン先生」

 マリアは普通に、ロゼは少しドギマギしながら挨拶を交わした。

「ロゼ君、今日もホルンが恋人かい?」

「ハイ。つーか、相変わらずギザ!私はギザな人は嫌いなの知ってるでしょ!」

 ハイ、ロゼはジャンに冷たく当たる。ヨナはマリアに洗いおけを渡し、

「あと15分くらいは楽しめるわね」

と話していた。


アールside

 ロゼたちが洗いおけを取りに行っている間、アールたちはぼんやりと日陰で休んでいた。

「ロゼさんたち、遅いですね……」

 ザークがロゼたちを心配しているような口調でいった。

「ヨナ先生、洗いおけを捜索するのに、時間がかかってるのかなぁ……」

 アールがいう。シヴァが続けるように、

「人数的に多いから人数分の洗いおけはないんじゃないのか?」

「それならあり得るかも……」

「もしかして、もしかしてかも知れないですが…、ロゼさんの嫌いなジャン先生に捕まっているかもしれませんよ」

 レイムが実に面白がっているようにいった。



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