表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/22

2話 引き裂かれた友情関係


 2010年、現在。

 新入生(1年生)が入ってから、彼らの生活の変化があった。

 それは何かというと……。


3年生side

 ロゼとリヴァルはナミとマリアから距離を離していた。

 ナミが話しかける。

「ねぇ、ロゼ」

「何?」

 ロゼはナミに対して冷たく接する。

「……。何でもない……」

「用がなければ話しかけないで」

「すみません……」


2年生side

「ねぇ、ラドル。ここ最近、オペラとシヴァの様子、おかしくない?」

「確かに…。同じクラスメイトなのに……」

 アールとラドルが話していた。しかし、オペラとシヴァは他のクラスメイトと一緒にいるため、2人は話しかける雰囲気ではなさそうだった。


1年生side

 1年生の3人は廊下にいた。

「オイ、ラーグ。最近、音楽室にきていないが、どうしたんだ?」

 ザークが問いかける。

「……」

 ラーグは黙っていた。

「黙っていたら何も分からない。何か話してくれ」

 レイムもなだめるように問いかけるが、やはりラーグは何も答えなかった。


 その原因は……。

 3000年、未来の世界。

 パンドラクロスもライトレイも「修行」という名の辛い壁が立ちはだかっていた。両チームの18歳の4人は特に現在の世界では「受験」という名の壁とピリピリした環境で生活しなければならないのだ。


パンドラクロスside

 イナーシャとウィルはアリソンの実験室にいた。

「あー……。また失敗……」

「アリソン、また失敗したの?」

「アリソンさんって、おっちょこちょいなんですね」

「ううん。アリソンはいつもそうだよ。ウィル、気にしないで」

「ハイ」

「ん? イナーシャ、何かいった?」

「別に。気にしないで」


 フィオナとエリアスは射撃場にいた。

「フィオナさん。パースエイダーはこう持てばいいんですか?」

「そう! できるようになったじゃん! 流石(さすが)、私の弟子!」

 オイオイ、『私の弟子』っていいすぎじゃないのか?

「じゃあ、実際に撃ってみようか♪」

「ハイ」


 セロンとラファは……。

 フィオナ達と違う射撃場でトレイズの講習(?)を受けていた。

「武器の理論から話させてもらおう。これは手榴弾。これの使い方は安全ピンを抜いて……こうやって持って……そうしたら、投げる!」


 ドッコーン!

 手榴弾が爆発し見事な爆発音が轟いた。

「わぁーっ!」

「2人とも、怯えていたら闘えなくなるぞ!」

「ハイ。」


ライトレイside

 ライトレイのメンバーはそれぞれの武器の訓練や楽器の自主練習などをしていた。

「ティーさん、サラさん、リリアさん、ユアンさん」

「なーに、ロブ。」

「なんだい、ロブ。」

「このように、修行を受けていて辛くなったりした時ってありますか?」

「辛くなったりしたことね……」

 リリアとサラが口を開く。

「私とサラは武器はもちろんのこと、楽器の経験がなかったの。その時の師匠とベネディクトは怖かったなぁ……」

「まぁ今となると笑い話になるけどね……。ホントに怖かったんだから!」

「私も最初は凄く怖かったなぁ。師匠って美人だけど怒らせると怖いから」

「俺もそうだったなぁ……。最初はみんな師匠に怒られてばかりだった。未だに最初の方で怒られていないのはロブだけだな」

「そういえばそうね。ロブって師匠のお気に入り?」

「どうだろうね」

 ハイ、とても微笑ましいお話であった。


 2010年。

 チャイムが鳴る。

 1年生の3人は教室に戻った。他のメンバーも自分の座席に座る。

 1年生はアリアの数学、2年生はエルの国語、3年生はロイドの英語の授業をしていた。ほう……、3人はこんな教科の担当なんだ。


 授業終了。

3年生side

 彼女らは生物の移動教室のため、教室から出た。ロゼとリヴァルはナミとマリアを避けるように姿を消した。


2年生side

 こちらも移動教室。全員体操着に着替えていた。こちらも距離を離している様子。


1年生side

 あっ、こちらはお喋りしてるようだ。唯一の移動教室ではない。黒板には、2次関数の話だっただろうか分からないが、何やら書いてあった。

「ホントに答えろよ」

「……」

「あっ、分かった。僕たちを敵に回す気なんだろ」

「敵に回すことはないよ。ザーク、レイム」

「ふーん……。誤魔化さなくてもいいんだぞ」

「だから、誤魔化してないし……」

「なんか怪しい……」

 ザークとレイムは顔を見合わせた。

「怪しくなんかないよ。僕を疑わないでよ」

「レイム、ラーグに話しても無駄さ。あっちに行こうか」

「もう、僕たちはラーグを信用しない」

 ちょっとした仲間割れか?


 ついに1日が終わった。

 放課後の音楽室では、ロゼ、リヴァル、ザーク、レイムの4人がいた。

「ロゼさんたち、今日はナミさん、マリアさんはこないんですか?」

「彼女らは週番だから遅れてくるみたいだよ」

「そういうザークたちはラーグと一緒じゃないのね。どうしたの、ラーグは」

「今日の休憩時間にちょっとしたいい合いになってしまって……」

 レイムが事情を3年生の2人は話した。

「なるほどね……」

とロゼ。

「私たちも今日、マリアたちを避けていたんだよね、ロゼ」

「うん。まさか、1年生にもこんなことがあるとは思ってなかった」

「ってことは、2年生にも同じことがあり得るということですか?」

「推理が正しければ、あり得る!」

 3年生コンビ、凄し……。

「こんにちは! リヴァル、ロゼ、今日は4人だけ?」

 エズミが音楽室に駆け込んできた。

「今のところはですね。2年生はまだ1人もきてないので、まだ分かりませんが」

 ロゼが答える。

「そっか! 私は今日、暇(注・会議と問題行動がないこと。)だよ。」

「先生は暇かも知れませんが私たちは暇ではありませんよ!」

 リヴァルはちょっとイライラしていたらしい。

「ナミとマリアは?」

「2人とも、週番ですよ」

 ロゼは冷静にエズミの質問に答えている。

「2年生は今のところまだきてないから……。ラーグはどうしたの?」

「レイム、答えて」

「ハイ、リヴァルさん」

「実はラーグとちょっとトラブルがあって……」

 レイムがいいかけたと同時にオペラが音楽室に入ってきた。

「こんにちは。週番だったので遅くなりました。すみません」

「あっ、オペラ、お疲れ様。レイム、続けて」

 エズミがレイムに話を進めるように促した。

「それで、僕とザークはラーグに口を利いていないのです」

「そうなんだ……」

「ロゼさん、ナミさんとマリアさんが帰るのを見ましたよ」

「ありがとう。2人は何かいってなかった?」

「いえ、何も」

「無断欠席ですかね……」

「それって、ラーグにも同じことがいえるんではないんですか?」

「かもね……」

 オペラとロゼがやり取りをし、今度はロゼとザークとレイムがやり取りをしていた。

「そうそう、今日は私以外の2年生はきませんよ」

「そっか。ありがとう」

「今日はこれで、フルメンバーか……」

「そうですね……」


 引き離された友情。

 過去と現在を行ききしている彼ら。

 なぜ、私たちは友情を犠牲にしてまで闘わなくてはならないのか。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

その他の作品はこちらから(シリーズ一覧に飛びます。)

cont_access.php?citi_cont_id=791034390&size=200
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ