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時空の演奏者たち【原作版】  作者: 楠木 翡翠
おまけストーリー
21/22

現在と未来〜フィオナの前世〜 #1

この作品は原作そのままを投稿しています


あとから『改訂版』を投稿しますので、ここでは改稿は行いませんので、ご了承ください


※この作品は拙作の『不思議な事件が起こる学校で』と私の友人の作品 『DreamSchool』のコラボレーションストーリーです

 私はフィオナ。数ヶ月前に18歳になった。この話は私とエリアスが約990年前にタイムスリップした話である。


 それはある日のこと……。

 私とエリアスは射撃場にいた。そうしたら……。

「フィオナ、エリアス、ちょっと話があるんだが……」

 突然、お父様が現れた。

「何でしょうか?」

「これから2人で2009年11月に行ってもらいたいんだが……」

「2009年って……、この世界から991年も前じゃないですか」

「ということは私たちタイムスリップさせる気ですか、お父様」

「そういうことだ」

「了解!」


 といういきさつで私たちは現在、2009年にいる。

「ここが過去の学校か……」

「そうみたいですね……」

「なんかどの教室も人が動いてないぞ」

「演技じゃないですか? 僕たちは未来から来たから驚かそうというドッキリとか」

「そうだといいが……」

 そうしたら、突然、歌声が聞こえてきた。

 私たちはその教室のドア付近に向かうと他に2人の女性がいた。片方は私に似たような女性だった。

「こんにちは」

 私たちは2人に挨拶をした。

「こんにちは」

 彼女らも挨拶を返してくれた。

 彼女らが教室のドアを開けた。

「いい歌ね」

「そうですね……、師匠」

「聞き慣れない歌だな……、誰が歌っているんだ?」

「うーん……。そうですね、この教室じゃないんですか」

といって私たちは歌に誘われて教室に入った。

「……。ティア……?」

「そうよ……。ミサ、どうしたの?」

「ティア、助けて……。私、すべてを失った気がするの……」

「すべてを失った気がするって、どういうこと?」

「実はニャンニャン刑事さんとニャンニャン仮面っていう変態仮面がベルモンドに洗脳されてしまったの……」

 2人は知り合いのように話していた。ティアさんとミサさんか……。ティアさんがにっこりと微笑んで……。

「大丈夫よ、ミサ。私がいるじゃない」

 彼女はミサさんを励ました。ミサさんはティアさん以外の人たちを見て……。

「他の人達は?」

「この子は私の弟子のカノン。他の2人は私にも分からないわ」

 ティアさんはカノンを紹介したが、彼女にも私たちのことは知らなかったらしい。むしろ、私たちも彼女らのことは知らない。

「そりゃ、知らなくても仕方ないですね。はじめまして、僕はエリアスです」

「はじめまして、私はフィオナです」

 私たちは自己紹介をした。ミサさんは疑問符が飛んだようだった。

「エリアスさんとフィオナさんはどこからきたの? ティアとカノンちゃんは過去からきたみたいだけど……」

「私達は未来からきました。私達からしてここの世界は過去です。ミサさん、分かりましたか? それと、フィオナさんって……。他人みたいじゃないですか。例えば、ティアさんを普通にティアって呼ぶように、私をフィオナって呼んでもいいんですよ。それより、私達にできることがあれば協力しますので。ね、エリアス?」

「ハイ! 喜んで協力します」

「私たちも協力するわ。カノン、貴女も協力するわよね?」

「ハイ! ミサさんのためなら、私もできる限り協力します!」


 こうして、私たちは次元を遥かに越えて出会ったのだ。


 数分後……。

「ん? ミサ、さっき、誰かいなかった?」

 突然、ティアさんがミサさんに話しかけた。

「どんな人?」

 ミサさんが反応する。

「何か、黒いスーツタイプのものを着て、黒髪の片目の女性よ」

「黒髪の片目? あっ! ひょっとして……」

とティアさんとミサさんが話していた。

「ひょっとして……?」

 私たちは興味を持って聞いてみた。

「ネオンさんだったりして……」

「ネオン……?」

 誰だ、それ? ネオンは元素番号10番の元素なら知っているが……。

「カノン、彼女のこと知っているの?」

「ハイ……」

 カノンが悲しそうにいった。ミサさんが……。

「カノンちゃん、ネオンさんは……」

「ネオンは?」

 カノンはミサさんを促した。みんなには知らない衝撃的な事実を今、告げることになる……。

「実は……、彼女はスパイなの」

「えっ、あのネオンが……?」

「カノンちゃんが思っている彼女の姿は仮の姿……。実際の彼女の姿は敵なの」

「敵?」

「そう」

 カノンとミサさんが深刻な声と顔をして話していた。まぁ、私とエリアスは彼女のことは知らないけどね。


 やっと、戦闘シーン。

 私はカノンとで、対戦相手はネオン。彼女も私とカノンによく似ていた。

「カノン、武器はどうする?」

「フィオナこそどうするの?」

「何、コソコソしているの? 早くしなさい」

 うわーっ、何? 凄く性格が悪い!

「ハ、ハイ!」

「分かればいいわ」

 性格が悪い上に私と声、ほとんど一緒じゃん! だけど、口調は残念ながら明らかに違うが……。


 気を取り直して……。

「行くぞ、カノン!」

「ええ」

 私とカノンは拳銃を構えた。(注・カノンも2丁拳銃使いだったから、さりげなく嬉しかった。)そうしたら、ネオンの鋭い連射。

「キャーッ!」

「さっ、早くかかってきなさいよ」

「カワイクない女だな!」

「ネオン……」

 カノンはついに、泣き出してしまった。私はもの凄くイライラしていた。だって、彼女は涼しい顔でズバズバいい放ってくるから。

「泣いたって無駄よ。オマージュ(注・『敬意』という意味。)!」

 彼女は脅すようにいい、魔術を使った。

「うっ……」

「フィオナ!」

 私はその場で倒れてしまった。

「ついに、貴女と1対1ね……。かわいそうにね、貴女の相棒が倒れてしまったわ。このバトルを終了してもいいかしら?」

「いいえ、続ける!」

「そう」

「そこのクールに気取ってる人!」

 私は立ち上がった。ホントに性格が悪い上にクール気取り。

「何? 気取ってるって失礼じゃない!」

 それが失礼じゃないのさ。

「さあ、カノン、魔術を使うんだ!」

「分かった!」

「……(まぁ、所詮、こちらが有利だけどね……)」

 ネオンとカノンの魔術によるバトル開始。その時、私は撃ったりしているが、悔しいことにすべて避けられていた。

「さあ、いくわよ! オマージュ!」

「(これはフィオナに向けられた魔術……)セレーノ!」

 カノンは守りの魔術のセレーノを使ったが、彼女は守ることができなかった。カノン、その場で倒れる。

「カノン!」

 私はカノンのところに駆けつけたが……、

「どうやら守ることができなかったみたいね……。2人とも、これでもくらいなさい! You don't need to open next door!」

 彼女は微笑を浮かべて、こういい放った。彼女の魔術の強さは計り知れないものだったのだ。

「……。カノン、どういう魔術?」

 私はカノンに問いかけた。しかし……、

「いいえ、分からない……」

とカノンにも分からなかったみたいだ。

「キャーッ!」

 扉が閉まり、魔術は解けた。

 その時はどんな感覚だったんだろう……。なんか、扉の向こうに突き飛ばされたというか、どこかに突き落とされた感覚だった。


 廊下にはミサさんとティアさん、そして、エリアスがいた。

「カノンちゃん、フィオナ、大丈夫?」

 ミサさんが声をかけてくれた。

「ハ、ハイ、大丈夫です」

 私たちは明らかに失神する寸前だった。カノンはミサさんに、

「ちょっと、2人きりにさせてもらってもいいですか」

といった。

「いいわよ」

とミサさんは答え、別のところに移動してくれた。


 ミサさんたちがいなくなったのを見計らって、カノンは口を開いた。

「ねぇ、フィオナ……。これが彼女のホントの姿なんだね」

 カノンが切なそうにいった。

「そう。ここは現実の世界だしね……」

 私もカノンにつられて、切なそうにいった。

「何でだろう。前に夢の世界(私がいる次元)で会った時はソフトな目付きだったの。だけど、さっきの彼女は脅すようにっていったら失礼だけど、鋭い目付きだった」

「カノン、彼女のホントの姿を受け入れてあげるべきだと思う」

「うん……」


 数分後……。

 カラッ。

 教室のドアが静かに開いた。

「ん?」

「ネオン?」

「カノン、どうした?」

 カノンの視界に入ったのは……。両目で見つめるネオンがいた。すっと見つめるその美貌に私たちはキョトンとしていた。

「負けを認めるわ……」

「ひょっとして……」

「ひょっとして?フィオナ、どうしたの」

「貴女は強がりだったんじゃないのか?」

 私はからかうようにいった。

「ベ、別に。強がってないけど……」

「ねぇ、ネオン。ネオンは純粋の方がカワイイよ」

「そう」


 まぁ、そんなこんなで私は終了。次はエリアスとティアさんだ。ここの描写はエリアスが担当する。


 こんにちは。僕はエリアスです。現在、フィオナさんと約990年前に来ている。短いシーン描写のだけど、よろしく。

 僕はティアさんとコンビを組んだ。対戦相手はロレンスさん。

「ティアさん、武器の方はどうします?」

「そうね……」

 2人で話していると……、

「2人とも、どうした?コソコソしちゃって……」

 ロレンスさんがからかう。だけど、たまに、ちゃかしたりからかいキャラがいてもいいと思うのは僕だけかな?

「別に、愛について語っている訳ではないわ!」

「では開始する!」

「エリアス、行くよ!」

「ハイ、ティアさん!」

「さあ、行くわよ(行くぞ)!」

 僕とティアさんは武器を構えた。

「2人とも、手加減しないぞ!」

 ロレンスは短い槍を握った。

「フロンティア!」

 ティアが魔術を使った。このフロンティアは敵の攻撃を不利にする魔術である。

「な、何でだ……。今度はお前だぞ!」

 ロレンスさんはまた槍を投げた。その時、僕は楽器を取り出した。出てきたのは金管楽器のトロンボーン。

「ロレンスさん、これでもくらえ!」

「エリアス、これは楽器じゃないのかしら?」

「分かってますよ! これは武器のトロンボーンですから。」

 僕はチューニング管に弾倉を詰め込み、息をいっぱい吹き込んだ。(注・よい子は真似をしないようにね。ちなみに、チューニング管とは、金管楽器の音程の高さを調節するものだよ)


 パパパパパパパーッ!

 僕の息で操作している吹き込み式の拳銃(注・トロンボーン)は凄い威力だ。

 流石、アリソンさん。以前よりもパワーアップしていると核心していた。ティアさんの魔術も凄い。

「こいつら凄いぞ……。うっ、イテ、何をする!」

 ティアさんは鞭でロレンスさんの頬を往復ビンタ! どうしたんだろう? よく見ていたらちょっと変化があった。元々は蒼い髪と紫の瞳をしているが、現在は蒼い髪はそのままで紅い瞳をしていた。手にはいかにも怪しい球体を持っている……。

「うふふ……。これでもくらってなさい。」

「ティアさん……な、何やってるんですか?」

 僕が教室の隅っこで怯えていた。その時、僕は女性って怖いなと思った。

「堕天使の宴、発動!」

「ギャーッ!」

「さあ、私と踊るのね……。いいわ、壊れるまで踊りましょう。うふふ……」

 ティアさんの暴走(?)はあと何分続くんだろう……。そう思っているうちに……、

「テ、ティアさんとエ、エリアスさん……。降参します!」

「分かった」

「ならいいわ」

 すぐにいつものティアさんに戻った。ギャップって怖いですね。


 まぁ、そんなこんなで僕とフィオナさんは無事に終了。今度はミサさんだ。1対1のバトルはどんな展開になるのか? 次の描写はフィオナさんに渡ます。



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