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8話 過去に生きる彼らと未来に生きる彼ら

この作品は原作そのままを投稿しています


あとから『改訂版』を投稿しますので、ここでは改稿は行いませんので、ご了承ください

 現在、3001年。

 彼らは決意した。過去の人間と会うことを……。


 時は戻り……、2011年。

 2月下旬。3年生は自由登校期間が終わり、1・2年生の生徒会役員は予餞会の準備をしていた。ちなみに、吹奏楽部員も3年生を送る会の準備をし、3年生と最後の思い出を作れるようにした。


 予餞会の日の放課後にリヴァルたちは音楽室に来ていた。エズミに呼ばれて音楽室に入ると……。

 そこにはお菓子! なぜ、お菓子が準備してあるかというと……。

「何か先輩たちにちょっとしたおもてなしをした方がいいでしょ?」

とエズミがいっていた。その行為は毎年恒例のため、部員たちは違和感なく、準備したのであった。


「座席って決まってるの?」

とナミがいう。

「ハイ。決まってますよ。自分のコップがあるところがその人の席です」

とザークがいった。

「私はどこの席かなぁ?」

 ロゼ、席を探す。

 彼女がたどり着いた席は……。

 レイムの隣だった。

「さあ、お菓子を食べながらお話しよう!」


 それから、彼女らは3年生の進路の話や1・2年生の愉快な話をしながら、お菓子を食べていた。


「では、次に演奏を聞いてもらおうか♪」

 1・2年生は楽器の準備に入った。3年生は舞台の前の椅子に座り準備が終わるのを待っていた。

「今年は3年生が4人いるってことで、4曲演奏しまーす!」

 エズミはいつものテンションでいった。

 そして、演奏開始。1曲目はドラマの主題歌。2曲目は演奏会の時に演奏した曲。3曲目はアニメの主題歌。最後である4曲目は甘く切ない卒業ソング……。

 1・2年生の演奏を耳にした3年生は感動しているのかどうか分からないが、泣いていた。

 まぁ、1・2年生は涙をこらえながら演奏しているので、多少ぬけぬけになってもしょうがないと思った。

 気づいたら、演奏が終わっていた。エズミが……。

「みんな、感動しているようだけど大丈夫? これから1人ずつ最終メッセージをいってもらうけど……。さて、先輩たちの涙を引いてもらうためにアールからの一言を聞いてあげて」

「ハイ……」


 時は流れ……、3001年。

 彼女らは2011年の彼女らをとあるモニターで見ていた。

「彼女らが過去の私たち……」

「実際に会って話をしたいよね…」

「過去と現在で何か分かり合えることがあるかもしれないしね……」

「では、行きましょう」

 そして、彼女らは過去の世界へ向かった。


 時は戻り……、2011年。

 アールの一言が始まった。

 彼女のコメントを簡単に説明すると、3年生に一言ずついい、部員全員のことを話したのであった。

「最後になりましたが、3年間本当にありがとうございました!」

 ここで涙が引くかと思ったら、号泣レベルに達してしまっている。

 今度は3年生から後輩たちに最終メッセージのコーナーだ。

 ナミとマリアは簡単に纏めて話した。

 リヴァルは彼女の過去の話や辛くなったら、私たちのことを思い出してほしいことを伝えた。

 ロゼは今まで隠していた、ジャンと自分は実は親戚関係であり、今度コスプレ企画があったら絶対に吹奏楽部員にオファーするし、誘ってほしいといっていたことを伝えたのであった。


 そして、エズミからの一言。

「3年生のみんな、3年間本当にお疲れ様。今年の3年生は初心者で色々と大変でした」

 一旦、区切って……、

「それでも、辞めずに続けてくれてありがとう。これからも頑張ってくださいね!」

といった。


 そのあと、リヴァルたちは後輩たちからプレゼントを受け取り、写真はお馴染みのカイルが撮った。途端に見慣れない人たちが姿を現した。

「誰?」

「こんにちは。過去に住む私たち」

とフィオナがいった。

「なんか、この人、私と同じ声だし、同じ顔をしてる……。つうか、みんな、同じ顔で、しかも、アリア先生とエル先生とロイド先生のそっくりさんがいる。先生たちを呼んでくる!」

とロゼがいった。

「ちょっと待ってくれ!」

「なんで、止めるの? どうして!?」

 フィオナは音楽室に出て行こうとするロゼの腕を掴んだ。

「それは私と貴女は人が違うのはもちろんのこと、性格もまるっきり違う! しかし、私と貴女はどんなに違っても、いつしか共通点はあるはずだ!」

「共通点?」

「そう。さっきは腕を掴んでしまってすまなかった。これだけは貴女たちに知ってほしい。住む次元が違っても、私たちと貴女たちは同じ人間。たとえ、どんなに遠くにいても私たちは繋がっているから……」

「私たちは繋がっている……」

 その会話を最後に、フィオナたちはロゼたちの心にしまうようにすっと吸い込まれた。

「私たちは繋がっているもんね……」


 彼女は心の中にいる彼女に声をかけた。


 そして、彼女からの返事はなかった。



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