不思議な光
冷蔵庫からよく冷えた天然水を出して、ガラスのコップにたっぷりと注ぐ。
「うぁ……。」
冷たい水を一気に飲んだためか、頭がキーンと痛む。
「そうだ。キャットフード。」
そういって、彼女は食器棚の中を覗く。だが、そこにはいつもあるはずのキャットフードは一つもなかった。
「……無いじゃん。お母さん買っておいてくれてないじゃん。」
今からコンビニに行って買ってきてもよかったのだが、家から出たくない彼女に、そんな選択肢があるはずもない。
「猫……何か猫が食べられるもの。」
彼女の目に、封が相手机の上に置きっぱなしにしてある煮干しが止まった。
「これ、いつのだろう……。」
彼女は警戒して臭いをかぎ、一本つまんで口に入れた。
「変な味はしない。大丈夫かな。」
彼女は天然水と、煮干し、猫用のコップを持って自分の部屋に向かう。
「ほら、ミィ。ご飯だよ。」
猫用のコップに天然水を注ぎ、煮干しを大胆にも袋から掴めるだけつかんで、ミィの傍に置いた。
ミィも日向のように警戒して臭いを嗅いでから、安全だと確信すると、勢いよく食べ始める。
「おいしい?」
そう聞くが、そんな言葉に築かないほど、ミィは必死にえさを食べ続ける。
「ご飯あげるの忘れてて、ごめんね?」
そういって頭を優しくなで、立ち上がる。
「続き、やろ。」
そういって天然水と煮干しを持ち、またパソコンに向かおうとすると、急に目の前が真っ白になる。
「何……これ。どう、したの……?」
『どうやら、少し失敗してしまったようだ……。』
パソコンから、不思議な声が聞こえたが、日向にその声は届かなかった。