異世界での生活③
「オレはパーティは組まないのか?」
「いや、おれは一人で十分だ。」
冒険者ギルドのカウンターのおっさんが渚に視線をやったのに気付いたので、おれは説明した。
「こいつはおれの妹だ。冒険者じゃない。」
「そうか。そいつは失礼した。」
これからおれがやろうとしていることはおれ一人じゃないと出来ないからな。
何にせよ、一人で充分なのにパーティを組む必要があるか? ナナオとならともかく。
おれはクエストを受注し、冒険者ギルドを出ると適当なところにおれの別空間の部屋につながる扉を作って中に入った。当然、渚もついてくる。
そしてすぐにまた部屋の扉を別の場所に繋げると、おれは扉を開けて外に出た。
繋げたのはコカトリスの卵がある巣の近くの場所だった。
「よし。コカトリスは留守だな。」
おれは難なくコカトリスの卵をゲットして、また扉を開けて自分の部屋に戻った。
こうすりゃ移動距離の問題は解決ってわけだ。
おれはナナオにもらった地図で、もうひとつのクエストの依頼場所を確認した。街から南に片道一日かかる場所……この辺か?
おれは部屋の窓から外をうかがった。窓の下には道が見え、少し道を進んだところに村のようなものが見える。依頼は、村の家畜を襲うゴブリンどもの討伐か。まあ、おれなら楽勝だろう。
「渚はここで待ってろ。」
「はい。」
おれは扉を道の脇に繋げると開けて外に出た。
おれは村長に依頼受注の話をしてゴブリンが現れるおおまかな方向を聞くと、感知の魔法を使ってゴブリンを探した。ゴブリンどもはすぐに見つけられた。
「雷の魔法で一掃してやる。」
バリバリバリーン‼
と、おれの雷の魔法の雷鳴がとどろく。今のでゴブリンを三体やれた。
おれは剣を抜いて、残ったゴブリンを剣撃で切り裂く。
四体目、五体目、六体目、七体目。
ゴブリンたちはおれに立ち向かう間もなくすべて倒された。ここはゴブリンの巣か?
念のため周囲にもゴブリンが隠れていないか感知の魔法で確認したが、どうやら不意打ちのおかげで全部倒せたようだな。
おれは村に戻り、村長にゴブリンどもを討伐した場所を伝えた。
「ここに行って確認しておいてくれ。報酬はあとで冒険者ギルドに持ってきてくれればいい。」
「わ、わかりました……。」
これにて完了だ。おれは適当な場所で周囲を見渡して誰も見ていないことを確認すると、また別空間の自分の部屋に戻った。この部屋にはおれと渚しか入れないが念のためだ。
「どうだ? この方法ならクエスト達成はすぐだし、毎晩アンナの宿に帰れる。」
「はい、神様。」
冒険者ギルドのカウンターのおっさんはおれをDランク冒険者にしてくれると言っていたし、収入の問題はこれで解決だな。
夕刻には街に戻り、冒険者ギルドにコカトリスの卵を納品したおれは、渚と一緒に宿の食堂のテーブルに座った。
「あ、カミサマ、ナギサさん。いらっしゃい!」
アンナはおれに気付いて声をかけてくれたが、すぐに忙しそうに他のテーブルへと行ってしまった。おれはアンナの長めのスカートが揺れる後ろ姿を眺めた。あのアンナのつり目の可愛い笑顔も尻も、今夜またおれが自由に出来るんだよな。
「渚。ここの酒はまずいが肉は美味いぞ。」
「神様。私は別に食事をとらなくても平気なのですけど。」
「そうだろうとは思っていたが、別に食えなくはないんだろ? こういう料理を楽しむのもこの世界を知ることになるんだぞ。」
「そうですね。」
おれはアンナが運んでくれた肉に食らいついた。相変わらずスパイスが利いていて美味い。これもプラス一ポイントだな。ジャンクフードに近いと言われればそうかもしれないが。
渚は上品そうにナイフで肉を切り分けて口に運んでいる。
「どうだ?」
「美味しいです。」
渚がそう答えて微笑んだ。
その渚の表情におれは不意打ちを食らったみたいにドキリとした。渚は長い黒髪で目鼻立ちの整った綺麗な顔をしていて、おれはあっちの世界の神の姿を見て美人だと思ったのを思い出した。渚はあっちの神と同じ姿をしている。
「く、食い終わったら部屋に戻るぞ。もちろんそれぞれの部屋にだ。」
「はい、神様。」
おれと渚は食事を終えると食堂を出てそれぞれの部屋へと戻った。
今頃、渚は自分の部屋で一人黙って座っているのだろう。
「そろそろ、アンナが来る時間だな……。」
コンコン。と部屋の扉がノックされる。
「カミサマ、来たよ。」
「アンナ。」
部屋の扉を開けると、薄い生地のパジャマ姿のアンナが立っていた。おれはアンナを部屋に招き入れた。アンナの身体から甘い匂いがして鼻をくすぐる。
「アンナ。キスだ。」
「うん。カミサマ。……んっ……。」
アンナと手を絡めながらキスをする。舌を絡める。
おれはアンナをベッドに寝かせて服を脱がせた。アンナの胸が小さいのは残念だが、おれの下半身はアンナの裸で充分に反応していた。
おれも裸になってアンナの上に覆い被さる。
「アンナ。」
「カミサマ……あっ……。」




