夏未緘(なつみかん)
あの夜
花火より先に
君が消えた
指先に残る
ラムネの泡
さよならの味
「好きだったよ」って言えたら
この季節はもう少し優しかったのかな?
蝉の声が
遠ざかるたび
君の名前が
空に溶けてく
余熱 まだ胸に灯ってる
冷めないまま
ひとりで燃えてる
影 ふたり分の沈黙
夏が終わって恋も終わった
最後に嘘でもいいから
抱きしめて
そうすれば
まだ夢でいられたのに
ふと風鈴が揺れる
君の不在を鳴らしてる
季節は変わるのに
私は変われない
余熱 まだ胸に灯ってる
冷めないまま
ひとりで燃えてる
影 ふたり分の沈黙
夏が終わって恋も終わった
そして
秋の温度が肌にしみる