レキタス語 文法
◆音素
▶ 母音
a /a/ 開放/原初の振動(第一環の素粒律)
e /ɛ/ 分岐/反映(双方向の揺れ)
i /i/ 緊張/尖端の意味(高階識体の反応)
o /o/ 包含/結界(意味の結界化)
u /u/ 溶解/深層共鳴(第四環の波)
y /ɪ/ 崩壊/虚の語尾(未定義・揺れの兆し)
※yの使用は意味的に不安定な語、揺れる存在、または翻律対象語に限られる
▶ 子音
l /l/ 流動、継続(構造内振動)
r /r/ 断裂、共鳴(構造外への跳ね)
k /k/ 結節、交点(意味の分岐点)
t /t/ 定着、名指し(語の錨)
s /s/ 音波、意味の浸透(翻訳操作)
m /m/ 包含・対称性(低次環)
n /n/ 吸収、引力(高次構造化)
h /h/ 無形、風の要素(第一環/語以前)
d /d/ 境界線、遮断(定義と否定)
特に「l, r, k, y」の使用頻度と語中位置は、当該の語が「固定・可変」かを示す。
[語頭]
l 流動的安定性:環境や条件によらず持続するが、緩やかに変化する性質を持つ
r 循環性・回帰性:周期的に意味が再現/反転する可能性を含む
k 固着性・強制的固定:意味や形が外部からの干渉に強い
y 潜在可変性:初期状態では固定されているが、外部条件で容易に変化する
[語中]
l 構造の層間接続:複数の意味階層を橋渡しする(安定寄り)
r 内部循環・意味反転の潜在化(可変寄り)
k 意味の切断・強固な境界形成
y 可変接合:前後の音素・意味要素を柔軟に結びつける
[語末]
l 安定終止:意味を静的に閉じる
r 可変終止:終わりながらも次の変化の可能性を残す
k 固定終止:変化を強く封じる(封印的)
y 開放終止:他語や位相への連結を可能にする(翻律に近い性質)
※語例(語中位置が末尾の場合):
shikit = 固定形「識体」
shikitar = 可変形。再構文化や変化可能性を帯びた形。
shikitay = 柔らかく変異しうる形態、接続・同調などを示唆。
◆文法構造
語構成の原則は「子音(C)+母音(V)」、「子音+母音+子音」
第一環は単音節の語が多い。
第四環は三音節以上、語中変調が多い。
▶語例
[第一環]
単音節/硬音/開放音/t/, /k/, /a/
kat(結び)
[第二環]
二音節/対称構造/e/, /n/, /m/
tenem(命)
[第三環]
中母音/共鳴構造/調音変化/r/, /i/, /s/
sireth(語の律)
[第四環]
多音節/破裂音と長母音/音の揺れ/y/, /u/, 変調
lyrida, kauniel(未定義律、翻律体)
▶接頭語・接尾語
-fact ~によって構築された存在
meta- ~を変容させる
meni- 意味、思考、構造
quor- 場、秩序
lek- ゆらぎ、共振
natu- 定義、確定、真性
-iel 意識核、存在の気配、柔らかく沈む 不定・未確定・非実体的な存在に付与される
-aes 未確定、中間状態、揺らぎ、曖昧 不定・未確定・非実体的な存在に付与される
-yth 振動存在/構造化直前の意味、薄膜 不定・未確定・非実体的な存在に付与される
d- 崩壊・剥離・終末・脱構文の兆し 翻律領域(未翻訳/再翻訳不可能な意味領域)に属する語の兆候。翻訳不可
r- 裂構文(意味が多軸化しすぎて裂けている)・多義軸・相互共鳴干渉 翻律領域(未翻訳/再翻訳不可能な意味領域)に属する語の兆候。翻訳不可
y- 転調・滑動、翻律由来の非構文語、意味が根源的に不安定 翻律領域(未翻訳/再翻訳不可能な意味領域)に属する語の兆候。翻訳不可
◆語中変調
語の途中において音や振動パターンが変化し、意味構造に「揺らぎ」「分岐」を挿入する(意味の二重性・共鳴・崩壊・再構築を引き起こす)。
つまり、語の途中で、思わぬ方向に逸れる/反転する/別の層に落ちる(識壊)ことがある。
(意味が振動すると、解釈が「重層化」する)
第三環~第四環の語に頻出。
例:
・語中変調の無い語
⟐tenem 網状に連なる意識
C+V+C+V+C
te 意識
nem 架構造
・語中変調のある語
kauniel 深層共鳴する魂が、識別を経て構造化
C+V+《変調》+C/V変化+C
kau 魂-振動-深層共鳴
ni 第三環の「高振動変調」
iel 不定・未確定・非実体的な接尾語
◆語中変調が起きる理由
第三環の律構造干渉
意味構造が安定しきれず、内部で「未定義な振動」が挿入される
第四環の干渉
構文が“内側から破られる”ことで、意味が複数方向に割れる
翻律の発動
語そのものが「語ではなくなる」過程の前兆として変調が入る
◆語中変調語の意味的特徴(語中変調の4つのタイプ)
構造跳躍型
kau⇆ni
一語内で意味位相が跳ぶ(層を跨ぐ)kauniel
内在反転型
rhi⇅ten
意味が語の内側で反転し矛盾を内包rhythen
意味帯域融合型
lir⇅ysa
高次環と低次環の意味が融合liryssa
構文共鳴型
thae⇆lun
隣接語と共鳴して翻律を誘発thælun (古構文)
◆変調点を示す記号
※第一環には出現しない。第二環には稀にしか出現しない。
⇆
語中の母音が変化し、リズムと抑揚がズレる
kaun⇆iel意味断絶・跳躍点
⇅
語中の音が反転/跳ねる(急激な音高変化)
ly⇅rith共鳴強化・構造不安定化
~
音が曖昧化/消失しつつ続く
sai~len翻律波起動時に使われる
’(アポストロフィ)
音が鼻音化/破擦化して意味が揺れる
v’nth, s’rul語間接続/破語指定
⟐(円記号)
発音せず、“意味のみが響く”無声詞
⟐tenem翻律体/神話構文内限定