七語(Seven Words of Structure)
「レキタス識界」の設定資料
◆《七語》とは
各々が固有の「意味波」を持ち、干渉・共鳴することで識界を構成する。
◆《七語》の語名と語源
〈凡例〉
語順(第何語)
語名
意味核
現在の状態
振動特性
主人公との共鳴状態:結果・効果
● 語源や解説
1
Na
存在・定義
現在の状態:壊れかけている
単一波(安定)
干渉(不協):リルは未定義であるため、Naとの同調は識界の崩壊を招く。Naはリルを定義しようとするが失敗する。
● 極限の単純語。
●「名」=名前を与えること
●ラテン語「natura(本性)」、日本語の“な”
2
Orlun
意志・変化
現在の状態:安定中
螺旋波(加速)
共鳴(高):自己運動、選択性と高い親和。リルの変化を促進する。
●「or」=原動力(origin, orbit)
●「lun」=月、周期、変化(lunar)
⇒意志とは軌道の変動の中に現れるという思想
3
Melif
時間・記憶
現在の状態:崩れつつある
渦波(反復)
共振(不安定):過去の記憶にアクセスできるが、波が逆転すると記憶崩壊を引き起こす。
●「mel」=蜂蜜/記憶の甘苦さ(melancholy, memory)
●「if」=仮定・条件
⇒時間は常に仮定上の記憶で構成されるという意図
4
Qasya
関係・共鳴
現在の状態:不明
共振波(双方向)
同期(不定):共鳴強度は相手による。強く結びつけば語に近づくが、離れれば崩壊を妨げる。
●「qa」=疑問・問い(question, qua)
●「sya」=繋がり、糸(Sanskrit: sya “to bind”)
⇒関係とは「問う」ことと「結びつき」の統合体
5
Fekto
構造・法則
現在の状態:歪曲
格子波(整列)
反発(直交):リルの「意味未定義性」と真っ向から対立する。長時間の接触はリルの構造が固定化される恐れがある。
●「fek」=作る、接合する(from fict-/fact-)
●「to」=方向・安定(toward, total)
⇒構造は“方向づけられた制作”という理念
6
Shur
形式・象徴
現在の状態:機能停止
静波(無音)
透過(非干渉):響かずに通過する。意味のない「余白」として互いを保つ。
●「sh」=息・風(無声音)
●「ur」=原型・根(proto-ur, ur-text)
⇒象徴とは無音と原型の融合=静かなる形
7〈失われし語〉
欠落・未定義・虚無
現在の状態:失われている
欠波(無)
共鳴源(生成):リルが振動することで、識界の「代替構造」が仮に生まれる。識界に仮の平衡がもたらされる。
●名称すら存在せず、発音も意味も不明
●「リル lyr」はその仮名=未定義性の容れ物
◆第7語と主人公の関係
第7語は深層領域に最も近い語で、完全な音形と意味は識界から失われている。
そもそも第7語の性質上「定義されていてはいけない」。
現在はその「欠片」となりうる存在――主人公(lyr)――が召喚され、欠落を補完するために配置されている。
名前「lyr」は、語頭の l(流動的安定性)+語中の y(可変接合)+語末の r(可変終止) から成り、これは「安定して存在しながらも、異質な位相を橋渡しし、最終的な意味を確定せず次へ委ねる」という性質を象徴する。
※文字については、「レキタス語文法」のページを参照 https://ncode.syosetu.com/n4088kw/6/