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七人の刑事(後編)

挿絵(By みてみん)

 — トッパー、きれいに咲いたね

— トッパー、一緒に自転車に乗ろうよ

— トッパー、また明日ね

 庭師の息子である自分に、親友のように接してくれた貴族の少年。 館の主人であるその父親も寛大で、二人がともに遊ぶことに嫌な顔はしなかった。 

 そんな公平で心優しい家族を、火災と殺人が襲った。

— 必ず捕まえてやる。

 一人残った少年が、どんな顔をして言ったのか覚えていない。覚えているのは、その固く握られた小さな拳だけだ。

— トッパー…忘れないでね…覚えていてね

 そう言って差し出された、銀の懐中時計。

(そうだ…時計…取り戻さないと…)


「トッパーさん!!」

 甲高い声にトッパーは跳び起きた。見ると腕組みした下宿屋の女主人、ホーガス夫人がベッド脇に仁王立ちしている。

「いつまで寝てるつもりですか!都会に来たら時計を見て動くことを覚えたほうがいいですよ!」

 寝惚けたトッパーは、無い懐中時計を探る。

「生憎…時計を失くしてしまって…」

 夫人は風船のような体を振り、全身で呆れて見せる。

「街はとっくに動き始めていますよ!お巡りさんがいつまでも寝ていていいわけありませんよ!」

 お巡りさんではなく刑事なのだが、何度言っても分かってもらえない。

「さっさと起きる!食べる!働く!いいですね!」

 嵐のような夫人が出てゆくと、あとにはささやかな朝食がテーブルに残されていた。

 下宿屋の主人というものは、しょっちゅう下宿人の部屋に来ては世話を焼いたり食事を用意してくれるものなのだろうか。トッパーには分からなかったが、有難く朝食を頂き身支度をして外に出ると、しばらく立ち尽くした。

 辺りはまだ、霧に覆われていた。

 首都を覆っているのは霧ではなくスモッグだと言うが、顔を濡らすこれは正真正銘の霧だ。

(陽の出前に起き出すのが、首都の人間の普通なんだろうか?それともホーガス夫人が特別なのか?)

 またしても判然としない思いを抱えつつ、かといって部屋に戻るのも間が抜けているので、トッパーは霧のなかを歩き出した。

 早朝のせいなのか、霧のせいなのか、普段より澄んだ空気が心地よい。通りにこそ行き交う人々がまばらにいるが、近道のためいつも横切る公演はひっそりと静まり返っている。

 この公園はあのお邸の庭に似ているとトッパーは思った。大きな池があり、その側に柳が植えてあり、柱のような黒松が周りを囲んでいる。

 またぼんやり昔のことを思い出していたトッパーは、すぐ側に来るまでそこに人がいることに気がつかなかった。

 その人はベンチに腰掛け、杖に顎をのせながら霧にかすむ池を眺めているようだった。

 自分のことは棚に上げ、こんな朝早くから何をしているのかと訝るトッパーに相手も気づいた。

「これは…刑事さん、朝早くからお仕事ですか」

 帽子からちらりと覗いたその顔は思ったよりも若い。

「…おはようございます」

 杖を持っているから老人かと思ったが、どうやら貴族の青年だ。身に着けている物も上等そうに見える。

「大変ですね刑事さんも」

 青年は池を眺めたまま言う。相手が貴族となればあまり関わらないほうがいいと判断したトッパーは、

「ええまあ」と適当に答え立ち去ろうとした。しかし青年が「ところで」と引き止めるように言った。

「『切り裂きジャック』は捕まえられそうですか」

 ゆっくりと振り返った青年とトッパーの目がぶつかる。

(まさか…)

 霧で現実感が薄らいでいるせいだろうか。それともここ数日、やけに思い出すことが多かったせいだろうか。

 いや、()()少年はこんな冷たい微笑み方はしない。

 もっと屈託なく笑う子供だった。しかしその灰色の目は、ひどく似ている気がした。

「それは…まだ何とも言えません」

 目を逸らしトッパーが答える。相手はトッパーを見つめたまま「そうですか」と言った。

「頑張ってください。首都の人々の信頼を得るためにも」

 偉そうな物言いにトッパーは幾分むっとして

「努力はしています。もっと首都の人間が協力的なら捜査もしやすいんでしょうが」

 言いながら今度こそ立ち去ろうとしたトッパーを、また青年の声が引き止めた。

「どうやら」

 ベンチから立ち上がり、ゆっくりと青年がトッパーの正面に立つ。灰色の目がこちらを見据えながら言った。

「君たちには本物の憎しみが足りないらしい」

「— どういう…」

 気色ばむトッパーの眼前に、銀の懐中時計がぶら下げられる。

「犯人を心から憎悪する人間でなければ、捕まえることはできないってことさ」

 目を見開いているトッパーに、青年は寂しげに笑い

「それとも君は…もう忘れてしまったかな」

 そう言ってその手に懐中時計を握らせると、背を向け歩き出した。

 ようやく射し込み始めた朝陽に、霧とともに消えてゆく後ろ姿を、トッパーは言葉もなく見つめていた。



(何だったんだあれは…)

 事務所の前で、トッパーは大きくため息をつく。出勤前からひどく疲れた気分だ。

 重い足取りで階段を上り、事務所のドアを開き、思わず「うわっ」っと声を出した。その声に事務所の長椅子で寝ていた人物が跳び上がる。

「ああ…トッパーか…早いな」

 寝惚け眼で頭をかくフォスに、トッパーは帽子を取り

「すみません…課長が泊まり込んでたなんて知らなくて」

「いやいや、私がかってにやっていることだ。こちらこそ驚かせてすまないな」

 手の平で顔をひと撫でしたフォスは両手をこすり

「どうだい、君も一緒にお茶でも」

 トッパーが「え」と言った瞬間背後で声がした。

「あれえ今日はもう一人いる」

 振り向くとポットとカップを載せたトレイを抱えた少年が立っている。

「ああ、有難うヒュー。下の花屋の子でね。いつもこの時間にお茶を運んでくれるように頼んでるんだ」

 ヒューと呼ばれた少年はジロジロとトッパーを見ながらフォスの前の小卓にトレイを置く。

 フォスが二つ用意されたカップを見て

「おや、察しがいいな。もう一人分頼もうと思っていたのに」

 ヒューは手慣れた様子でお茶の準備をしながら

「母ちゃんが、昨夜遅くに貴族っぽいお客が来てたみたいだから念のためって」

 それからトッパーを見て

「この人じゃないみたいだけど」

「…そうか。さあ、トッパーも座ってくれ。お茶を頂こう」

 仏頂面のトッパーは促され自分の机から椅子を引っ張ってくる。

「誰か来ていたんですか」

「ああ…まあな」

「もしかして相談者?最近うちのお客さんでも多いよ!警官じゃなくて刑事に相談してみようかって人」

 お茶を用意し終わってもヒューは帰る気配がない。

「俺もでかくなったら刑事にしてってフォスさんに頼んでるんだ」

 ヒューがトッパーに向かって言う。

「俺もフィセル兄ちゃんみたいな刑事になりたいんだ」

 トッパーは危うくお茶を吹き出しかけた。フォスも苦笑して

「私が力になれるかどうか分からないが…そう言ってもらえるのは嬉しいな」

「だってかっこいいじゃん!選ばれた警官なんだろ?悪党たちも尻尾巻いて逃げ出すような」

「…あんまり逃げられたら捕まえにくいんだけど」

「そうだな」カップを両手で包みながらフォスが言う。

「選ばれたと言うより、新しい役割を与えられたというのが正しい。警官の役目は主に犯罪の抑止と取り締まりだが、刑事の役目は、起きてしまった犯罪の捜査だからね」

 ヒューは首を傾げ

「よく分かんない」

「つまり、犯罪を犯した奴を捜し出して捕まえる刑事より、犯罪を犯さないように見張ってる警官のほうがある意味かっこいいってこと」

 少し意地悪く言うトッパーをヒューが横目で睨み

「大人のくせに子供の夢を壊すなよな。刑事以前に人間失格だぜ」

 言い捨てて荒々しく事務所を出てゆく少年から、トッパーがフォスに視線を移す。

「…都会の子供は皆あんなに生意気なんですか」

 都会のガキと言うのはかろうじてこらえた。フォスがまた苦笑する。

「あの子は特に機敏だな。あのまま、刑事に理想を持ち続けてくれればいいが…」

 そう言って窓の外に目をやる。朝陽に照らされたフォスの白い毛や髭を見つめながらトッパーは訊ねた。

「どうして…『切り裂きジャック』を捕まえろなんて言ったんですか」

 フォスが静かにトッパーを見る。

「皆に言った通りだよ。刑事という存在を確かなものにするには、一番の功績だろう?」

「けど」トッパーはカップを置き

「話を聞いて回った印象だと、五年前の『切り裂きジャック』の事件と、今回の切り裂き事件には、あまり類似点が無い気がします。やはり単なる新聞の扇動では…」

「共通点というなら…五年前の事件にだって無かったよ」

 相手の静かな言葉にトッパーははっとする。

「大した共通点なんか無かったのを、新聞は『切り裂きジャック』などとあたかも単独犯のような書き方をしてジャックという連続殺人犯をつくり出した。おまけに犯行の詳細までがことごとく記事に載るしまつだ。これが…」

 悲しみと疲れが入り混じった目がトッパーを見る。

「私たち警官の間にどれだけ混乱を起こしたか…分かるかいトッパー」

 トッパーは何と答えていいか分からなかった。

「私たちは確信していたよ…この事件は連続殺人犯によるものではなく、多発する殺人事件だと。しかし世間はジャックの影に囚われ、全ての殺人事件の共通点を探し始める。するとどうなるか」

 ひどく冗舌なフォスは、トッパーにではなくここにはいない誰かに話しかけているようだった。

「一人の人間を殺した殺人犯ではだれも納得しなくなるんだ。連続殺人犯のジャックでなければ…。しかしそいつは殺人犯だがジャックではない。結局…その殺人犯は釈放される」

「そんな…」トッパーが苦々しく呟く。フォスがふっと我に返って、また苦笑した。

「いや…しゃべりすぎたな。すまない。私があえて『切り裂きジャック』を捕まえろと言ったのは、君たちがどこまで先入観を持たずに捜査できるか確かめたかったからだよ。たとえ…上司の言葉でも疑ってかかれるようにね」

 それを聞いたトッパーは、顔が熱くなるのを感じた。

「…どうしたね」

「俺…まるっきり…真に受けて…」

 フォスは一瞬きょとんとしたが、次には吹き出した。

「いや、すまない…騙す気はなかったんだが…ほんと、すまない…トッパー、君は何というか」

「いいですよ…単純馬鹿と言ってくださって」

 腹を抱えて笑っているフォスに、トッパーが情けない顔で言う。

「いや…あの方が言っていたように…まっすぐだ」

「…え」

 そのとき事務所のドアが勢いよく開き、フィセルが飛び込んできた。息を切らしたフィセルは二人を交互に見て言った。

「また出ました…『切り裂きジャック』です」



「結論から言うと、前の二件と同じだな」

 台の上に横たわる遺体の示しドクターヘンリーが言った。

「顔を切り刻まれ、死因は失血死。勿論身元は分からない」

「手掛かりになりそうな所持品とか…何も?」

 すがるように言うフィセルにドクターは首を振り

「ホッブズが言うには何もなかったそうだ。犯人が捨てたのかどうか。それは分からん」

 冷たく、硬くなった顔の分からない被害者を見つめ、トッパーは呟いた。

「またホッブズ巡査が運んできたのか…」

「ああ」ドクターはもう死体を切り刻むための道具を並べている。

「今度は何だったかな…顔見知りの花売りだったかが報せに来たそうだ」

 トッパーは黙って考え込む。「そういえば」とフィセルが思い出したように

「今日はシスターは来てないんだね」

「ああ」糸鋸を光にかざしながらドクターが

「この前マクリーンに叱られたから遠慮してるんじゃないのか」

「マクリーン!?」

 トッパーとフィセルが声を合わせる。

「マクリーンがここに来たの!?」

「ああ、珍しくな。そのときちょうどシスターもいて、『部外者が来るな』とか何とか言われてたからな」

「マクリーンは…何しにここへ?」

「何しにって」またドクターが面倒臭くなってきているのが、声音で分かる。

「お前さんたちと一緒だよ。例の顔を切り裂かれた遺体の状況を訊いてったんだ」

(マクリーンが…)

 トッパーとフィセルは顔を見合わせた。


「何か意外でした」

 歩きながらフィセルが言う。

「マクリーンさんも『切り裂きジャック』の事件を調べていたなんて。課長の言葉に素直に従うタイプじゃないと思ってました」

「…そうだな」

 トッパーはぼんやりと答えた。三件目の殺人が起き、事件は激しく動いているはずなのに、その流れを全くつかめないのがもどかしかった。

 二人が階段を上り、事務所の扉を開くと、ノーマン、ダウニング、マチェックの三人が一斉にこちらを見た。その表情にトッパーの背中に悪寒がはしる。

「…どうかしたのか?」

 ノーマンがうつむき

「マクリーンが…」

「マクリーンさんがどうしたんですか!?」

 フィセルが詰め寄る。ダウニングが白い毛の混じる頭をかき回し

「刺されたらしい。昨夜…ジャックの事件の現場の近くだ」

「そんな…」フィセルの声が震える。

「まだ、意識が戻らないらしいです」

 書類でも読むような平坦な声でマチェックが言う。しかしその顔には静かな怒りが滲んでいる。

 激しい渦に飲み込まれるような錯覚を覚え、しがみつくように突っ込んだポケットで冷たい物に触れた。あの銀の懐中時計だった。

「トッパーさん…大丈夫ですか」

 ふかくうつむいているトッパーを、気遣うように覗き込んだフィセルの両肩が強くつかまれた。

 トッパーが興奮した面持ちで言う。

「教えてくれフィセル、これが売られていた場所を!」

「ええ!?」


 故買屋『狼の頭』の店主は、驚いたことに目も覚めるような美人だった。しかし、トッパーにそのことを認識する余裕はなかった。

「まあお巡りさん。私にお客を売れって言うんですか」

 マダム・リザは穏やかだが明らかな拒絶のこもった声で言った。

「こんな商売ですが…いえ、こんな商売だからこそ警官にお客を売るなんてことしたら成り立たないんですよ」

「それは分かってる」

 トッパーが全く分かっていない口調で言う。隣に立つフィセルは内心冷や冷やしていた。

「マクリーンがこの近くで刺されたのは知ってるか」

 リザが驚くほど青い瞳でトッパーを見上げる。

「ここ最近、マクリーンが来たはずだ。そして、あんたは教えたはずだ」

 そう言ってトッパーは冊子を取り出すと、マダムの側のテーブルに置いた。あの手配書だった。

「マクリーンはこう言わなかったか。『客を売ることにはならない。何故なら連中は死んでいるから』」

 じっと置かれた手配書を見つめていたマダム・リザは、やがてくすりと笑いトッパーに目を向けた。

「あの人は…マクリーンさんはそんな気取った言い方はしませんでしたが」

 トッパーが顔を赤くし、フィセルが笑いをこらえる。マダムは手配書を手に取りパラパラとめくると、そのうちの三枚を勢いよく破り、差し出した。

「私はこの本を破っただけ。よろしいですか?お巡りさん」

「有難う、この恩はいつか」

 受け取り言うトッパーにマダムはニコリと微笑む。

「二度と来ないでくださいな」


「一体どういうことなんですか」

 店を出るなり破られた三枚の紙を食い入るように見るトッパーにフィセルが訊ねる。

「共通点だ」

「え?」

「『切り裂きジャック』の共通点だ。被害者は皆、近い場所…同じ地区で殺されている」

「まあ…毎回ホッブズ巡査に報せがいってたわけですから、あの人の担当地区ではありますが」

「それが何故か気になるだろう」

「たまたまじゃないですか?」

 トッパーが持っていた紙をフィセルの顔に押し付ける。

「三回も偶然が起きるとお前は教わったのか?マダムがマクリーンに教えたのも三人。ちょうど被害者の数と合う」

「えっまさか」フィセルが紙とトッパーを交互に見て

「ジャックに殺されたのは…手配犯だって言うんですか!?でも…何で故買屋に現れたって分かるんです」

「しばらく身を隠していた手配犯が首都に舞い戻ってきたとして、どうやって暮らす金を手に入れる」

「ああ。それで首都で一番有名な故買屋を訊いてきたんですね」

「そして案の定」トッパーが『狼の頭』を振り仰ぐ。

「その店と被害者が見つかった現場…つまりジャックが現れた場所が近いことが分かった」

「けど」フィセルが必死に頭を整理しつつ

「それだけで被害者が手配犯と断言するには、無理があるような…」

「…それだけ、ならな」言いながらトッパーは歩き出す。『狼の頭』から百メートルほど離れた、細い路地が刺されたマクリーンが見つかった場所だ。

「どういうことなんです?」フィセルが薄暗く湿っぽい路地を見つめ

「『切り裂きジャック』の標的が手配犯なら、どうしてマクリーンさんが狙われなきゃだめなんですか?いや、そもそもマクリーンさんを襲ったのが『切り裂きジャック』なのか…」

「マクリーンは手配犯が首都に戻ってきた手配犯を把握していた」

 フィセルはようやく思い出した。

「ああ…シシ―橋のゲイズさん」

 トッパーも路地を見つめたまま

「だからいち早くジャックの被害者が手配犯の可能性に気づいたはずだ…。都合よく身元不明の人間ばかりが狙われるのは不自然だからな」

「…手配犯だから名乗り出る知人も親戚もいなかったってわけですか」

 ため息をついたフィセルは、また歩き出したトッパーの後を追って

「じゃあ被害者の顔を切り刻んだのは何故なんですか?相手が手配犯だとバレちゃまずいことが…」

 言いながら二人が歩いてゆくと、ヴィンガム河の袂に出た。

「あら」

 いつかのように、向こうからシスターサラが荷物を抱えやってくる。

「トッパーさん、フィセル、お仕事お疲れ様です」

「シスター」フィセルが駆け寄り

「シスター、あれから病院には行ってないの?その…マクリーンさんに叱られてから」

 一瞬きょとんとしたシスターは、「ああ」と恥ずかしげに

「あれはたしかに、私の身勝手で先生や警察の方々のお仕事のお邪魔をしてしまって…マクリーンさんのご指摘もご尤もですから」

「けど」とシスターが二人を見る。

「私、やっぱり病院でのお祈りは続けます」

「えっ」二人が揃って言う。

「それが、自分にとっても正しいことだと思うので。勿論、皆さんのお仕事のお邪魔はしないよう、精一杯気を付けます」

 二人は何も言えず、その真剣な顔を見つめる。ふっとシスターがいつものように微笑み

「だって、こうしてフィセルやトッパーさんたちが一生懸命正義を守るために頑張ってるんですもの。私も簡単に自分の正しさを諦めるわけにはいきません」

 そう言い、去ってゆくシスターの後ろ姿を二人は黙って見つめる。

「…シスターもあれで結構頑固だから」

 呟くフィセルを「行くぞ」とトッパーが促した。事務所への道を歩きながらも、シスターの言葉がトッパーの頭のなかで繰り返していた。

(正義のため…か)



「つまり」フォスが課長室の椅子にもたれる。前もってトッパーから話を聞かされているノーマン、ダウニング、マチェックは黙ってその様子を見つめる。

「標的が手配犯であり…さらにはその人相を判別できないようにしてあったことから」

 フォスが正面に立つトッパーを見る。

「君は、警察関係者が犯人…つまり今回の『切り裂きジャック』だと言うんだね」

「他にもあります」

 トッパーがフォスの机に身を乗り出し

「マクリーンが襲われたのが何よりの証拠です。マクリーンは誰よりも先に被害者が手配犯であることに気づいていた。それはつまり、犯人が警察関係者である可能性に気づいていたということです」

「…手配書を持っているのは、警察関係者だけですから」

 フィセルも深刻な表情で言う。

「手配犯ばかりが狙われたのなら、当然不審がられます。だから身元が判らないように顔を切り刻んだ…」

「だがやはり」ダウニングが頭をかき

「被害者が手配犯だという確固たる証拠が無い以上…何とも」

「全ては可能性です」マチェックもフォスに向かい

「犯人の一つの可能性として、私もトッパーさんの説に納得しています」

 フォスは目の前に並ぶ部下たちを順番に眺める。それから椅子に深くもたれると、細いため息をついた。

「そうか…そうだな…」

 いつも穏やかなその表情が、俄かに厳しくなる。「それで」とフォスは部下たちを見ず

「仮に警察関係者がこの件の犯人だとしたら…君たちはどう対処するべきだと思うかね」

「…それは」部下たちは一瞬戸惑う。

「被害者は手配犯…つまり犯罪者で、犯人は警察関係者…つまり、我々の仲間だ。それでも」

 フォスがうつむく。

「君たちは罰するべきだと思うかね」

「勿論」トッパーは違和感を覚えながら

「それでも判事に突き出し、きちんと裁判を受けさせるのが…」

「判事…裁判…」

 まるで笑い話でもされたように、フォスが口を歪める。言いようのない、その異様な雰囲気に部下たちは顔を見合わせる。

「課長…私たちは…」

「君たちも知っているはずだ」

 ダウニングの言葉を遮り、フォスはまた部下たちに目を向けた。

「本来犯罪者を裁く立場である判事も、裁く場である裁判所も、何の意味もないことを」

 その声はあの朝トッパーに語ったときのような、静かな怒りをたたえている。

「我々警官がどれだけ必死に犯人を捕まえようと、賄賂にまみれた判事と無知な陪審員によって奴らは易々と無罪になるんだ。我々は法に則って犯罪者を捕まえるが…しかしいざその連中を裁く段になるとその法は無いもののように無視される」

 部下たちを試すようにフォスが見据える。

「おかしいとは思わないか」

 誰もが言葉に詰まったが、「つまり」とマチェックが

「課長は…その犯人の可能性のある警察関係者を見逃せと」

「そんな」フィセルがとっさに声を上げる。

「違いますよね課長?第一、まだ警察関係者と決まったわけでもないし」

 ノーマンは唯一人、辛そうな表情で黙り込んでいる。

「そうだな…私は何も同情を求めているんじゃない」

 部下たちを見つめるフォスの表情と口調は、いつもの穏やかなものに戻りつつある。

「ただ、捜査には憎しみが必要だと思うんだ」

 トッパーがはっとする。

— 君たちには本物の憎しみが足りないらしい

「犯罪に対する憎しみ…罪を犯した者への憎しみ…犯罪を生み出す社会への憎しみ…」

 誰もが問いたげな表情でフォスを見つめる。この一見穏やかそうな人物も、警官として内にそんな憎悪を秘めてきたのだろうか。

「しかし」フォスは力を抜くようにまたため息をつき、椅子にもたれた。

「捕まえた犯人が無罪になったら…この憎しみはどうなる?」

 トッパーの背中に悪寒がはしる。

「待ってください、俺が言う被害者も加害者も、あくまで仮定の話で…」

 フォスが静かに微笑む。誰かの微笑みにここまで恐怖を感じたことはなった。

「犯人は私だよ」

「…何を…」

「私が、ジャックだと言っているんだ」

 数秒の沈黙のあと、フィセルが笑い出した。

「やだな、課長…そんな冗談」

 フォスの悲しげな表情に、フィセルは口をつぐむ。

「すまないが…事実だ」

「課長…!」

 初めて声を出したノーマンをフォスが無言で押し止める。

「…君たちにはこんなことになって…詫びる言葉もないが…」

「待ってください課長…」誰もが事態を呑み込めないでいる。

 フォスは皮肉なくらい青く晴れた窓の外に目をやる。

「犯罪と向き合うということは…人の悪意と向き合うことだ」

 そっと机の引き出しが開けられたことに、誰も気づかなかった。

「私は…その悪意に呑み込まれたのかもしれない」

「待ってください、俺たちは…!」

 はっと部下たちが凍り付く。フォスが引き出しから取り出した拳銃を握っている。

「君たちは」

 フォスが誰にともなく微笑む。

「呑み込まれないでくれ」

 銃口がこめかみにあてられる。

「課長!!」

 部下たちの悲鳴ともつかない叫びと銃声が重なった。

 突っ伏したフォスの頭から、赤い血が机へと流れ出しても、誰も状況を理解できなかった。

「おかしい…おかしいですよ…」

 フォスに駆け寄るノーマンを見つめながらフィセルが首を振る。

「何で課長が…そんなわけない…だって、課長はいつでも事務所に泊まり込んでるってヒューが…」

 トッパーはただ呆然と流れる血を見ている。

(何だ…何を間違ったんだ…何で…)

「何で」マチェックも口を戦慄かせ

「まだ何の証拠だって無いのに…何で課長が…」

「医者だ…医者を!」

 苦しげに言うダウニングにノーマンが小さく首を振る。

 トッパーには全てが夢のなかの出来事のように映った。

(何で…課長が死ななければならないんだ)

 ノーマンが倒れたフォスの両肩を抱くようにつかみ、低く呟いた。

「何も…あなたが死ぬことはなかったのに」

 その時、課長室の扉が勢いよく開いた。誰もが一斉に振り返った先には、シャツにジャケットをはおっただけのマクリーンが立っている。そのマクリーンの顔がすぐさま険しくなった。今度はその視線の先を振り返ると、フォスの手から奪った拳銃を構えたノーマンの姿があった。

(ったく…悪い夢だ…)

 何の表情もなくこちらに銃を向けるノーマンを見つめ、トッパーはぼんやり思った。

 こんな悪夢は、あのお邸が火事になったとき以来だ。

— 必ず捕まえてやる

(ああ…俺はまた…何も…)

「お前が…やったのか」

 乾いた声でトッパーが言った。

「ああ」ノーマンはフォスを見つめ

「マクリーンに見つかった時点でバレるのは時間の問題だと思ってたけど」

「じゃあ課長は…」フィセルが肩を震わせ

「マクリーンさんが殺されなかったから…このなかに犯人がいると思って…」

「勘違いしないでくれ」

 ノーマンが感情のない声で言う。

「標的が手配犯だと分からないようにしたのは警察関係者だとバレないためじゃない」

 ノーマンがトッパーを見据える。

「一人でも多く殺すためだ」

 その目に立ち竦んだトッパーの後ろでマクリーンが鼻を鳴らす

「だから俺が刺されただけで良かったなんて礼を言うと思うか?相手が誰であろうと切り刻んでおいて正義漢面とは笑わせるぜ」

「そうだな」ノーマンがマクリーンを見て

「君もちゃんと殺しておくべきだった」

 フィセルが息をのむ。「けど」とまたノーマンがフォスを見下ろし

「そしたら…課長が悲しむと思って」

 子供のように呟く相手にマチェックが

「何故です!?何故こんなことに…!」

「そうだ…もっと他に方法が…!」

 ノーマンがダウニングを見る。

「課長が言っていたじゃないですか…犯人を捕まえても…無罪になったら、この憎しみはどうなるんですか?まして」

 ノーマンは人々の行き交う明るい通りを見やる。

「私が殺したのはたった三人の手配犯…手配書にすら載らずにのうのうと生きている犯罪者がいくらでもいる」

「よせノーマン!」

 窓を開け放ったノーマンがその窓枠に足をかける。

「死にませんよ」

 振り返ったノーマンが仲間たちに銃口を向ける。

「課長が私を生かしてくれたんですから。自らの命と引き換えに…もっと犯罪者を殺せるように」

「違う!」

 近づくトッパーに銃口が向けられる。

「課長はそんなことのために死を選んだんじゃないだろ!そんな…」

「そんなこと?」

 ノーマンの目の色が変わった。

「そんなことならどうして見て見ぬ振りができなかった…どうして黙って見過ごせなかった!?」

 トッパーは歯を噛む。

「手配犯なんてどうせ絞首刑だ…縄で死のうとナイフで死のうとかわらない。なのにどうして見て見ぬ振りができなかった!?黙っていれば課長だって死ぬことはなかった!」

 ノーマンの頬を涙がつたう。

「私に言わせれば君たちのほうがよっぽど正義漢面だよ」

 ノーマンが窓から身を乗り出し、マクリーンが叫ぶ。

「捕まえろ!」

 振り向きざまに仲間たちを一瞥し、ノーマンが言った。

「『切り裂きジャック』はまだ捕まってないんだよ」

 フロックコートをなびかせ、黒い鳥のようにノーマンが窓から飛び立った。

「ノーマン!!」

 窓に駆け寄ったトッパーが見たのは、ちょうど真下にいた辻馬車の屋根に下りる黒い塊だった。

 馬車は塊を乗せたまま走り出す。他の仲間たちも窓辺へと駆け寄ったが、ただ小さくなってゆくその姿を見つめるだけで、後を追おうとする者はいなかった。



 『フォス刑事課長殉職

 新設されたばかりの首都警察刑事課の課長がフォス氏が、強盗犯をを取り押さえる際に撃たれ、死亡し  

 た。なお犯人のほうもこのときの傷が原因で死亡したもよう。

 新設されたばかりの部署の課長の死という悲劇に、刑事課及び警察関係者には動揺が広がっているが、   

 職務に殉じたフォス氏の遺志を無駄にはしまいと一層の士気が高まっている』



「何だよこの記事は!」

 事務所に入るなりトッパーが新聞を叩きつける。フィセル、ダウニング、マチェックも暗い表情をそちらに向ける。

「こんなでたらめ書きやがって…どういうつもりだ!」

 いきり立つトッパーにダウニングがため息交じりに

「有力紙が適当な記事を載せるとも思えないが…」

「私たちは何も聞いてませんが…警察の公式発表ということでしょうか」

 マチェックも考え込みながら言う。

「でも…」悲しげな顔でうつむくフィセルが

「本当にこれでいいのかな…」

 トッパーが歯軋りする。

「いいわけないだろ…!」

「朝から元気だね」

 ぎょっと四人が目を向ける。誰もいないと思っていた、そして誰もが近づかなかった課長室から声がした。

「そろそろこちらに入って来てくれないか」

 また声が言った。四人は顔を見合わせる。

「…トッパーさんお願いします」

「え」

「そうだな、このなかで一番腕力がありそうだし」

「ええ!?」

「頑張れトッパーさん!骨は拾うから!」

「ちょっちょっと待て!」

 押されながら扉の前に立たされたトッパーは、恐る恐るノブを回し、課長室を覗き込んだ。

 そこから動かないトッパーの背後から仲間たちも覗き込もうとした結果、全員が揃って課長室に倒れ込んだ。

 ぷっと吹き出す音とともに、課長室に笑い声が響く。仲間に押しつぶされながらもトッパーが顔を上げる。

 フォスが突っ伏していた机で、ノーマンが飛び降りた窓の前で、その人物は笑っていた。

 あの、早朝の公園で出会った貴族風の男だ。

 よほどおかしかったのか、男は腹を抱えて笑っている。この部屋で屈託なく笑っていることに、無性に腹が立ったトッパーは仲間を押しのけ立ち上がる。

「何故あなたがここにいるんですか」

 相手は涙をぬぐいながら懸命に笑いを収める。他の三人も起き上がると、トッパーの両隣に並んだ。

 男は息をつくと、目の前の四人をじっくりと眺め

「改めて、私が君たちの新しい課長だ」

 四人は耳を疑う。

「失礼ですが…ノーランド卿では?」

 マチェックが恐る恐る訊ねる。相手は微笑み

「いかにも私はジョン・ノーランドだよ。お見知りおきいただいて光栄だよマチェック君」

 ジョンという名にトッパーがはっとする。

「いえ、あのたしか」

 マチェックがしきりに鼻眼鏡を押し上げながら

「ノーランド卿は伯爵では…」

「ええ!?僕たち伯爵様の部下になるの!?」

「んなわけあるか!」トッパーがフィセルを殴りつけ、相手を見据える。

「どういうつもりか知りませんが…悪ふざけがすぎるんじゃないですか」

「ふざける?何をだい?」

 まだ笑いの残る顔で伯爵が訊き返す。

「あれからまだ何日も経っていないんですよ…まさかここであったことを知らないわけじゃないでしょう」

「ああ」ノーランド卿は目を伏せ、机に残る血の跡をすっと撫でる。

「だからこそ…一日も早くこの刑事課を軌道に乗せなければならない。こんなことで頓挫するわけにはいかないんだ」

「こんなことって…」

 かっとするトッパーを今度は伯爵が見据える。

「職務も果たさず、君たちにいつまでも自分の死を悼んでほしいとフォスが望むと思うかい」

 四人はぐっと詰まる。

「世間にここで起こったことを全て公表して、創設早々にこの刑事課が無くなることをフォスが望むと、君たちは思うのかい」

「…じゃあ、あの新聞の記事は」

 ダウニングにノーランド卿はにこりと笑い

「ノーマン刑事は個人的な事情で辞職して田舎に帰ったことになっている」

「…さすがに無理があるんじゃ」

 トッパーは怒りを通り越して呆れる。

「私だってこの刑事課を簡単に無くさせるわけにはいかない」

 ようやく椅子に腰かけた伯爵が、「どうして…」と呟くフィセルを、そして他の三人を見る。

「私が君たちを、刑事として推薦した」

 はっとする四人にノーランド卿は微笑み

「有難う。やはり君たちは優秀だ」

「それに」と机の引き出しを開き

「あの記事のお陰で良いこともあった」

 机に置かれたものに、トッパーたちは息をのむ。

「君たち刑事には拳銃の携帯が許可された。勿論、公にではないが」

 あのときフォスが握っていたものと同じ拳銃を四人の前に並べ、ノーランド卿は両肘をつく。

「課長として…君たちには間違ってもこれを自分自身に向けるような真似はしないでほしいね」



 事務所を出るとき、ヒューに渡された花束を手にトッパーは海へと続く道を歩いてゆく。

「俺…やっぱり刑事になるから」

 花を寄こしながらヒューは拗ねたように言った。

 フォスの事件を誰からどこまで聞いているのか分からないが、少年のその一言にトッパーは救われた気がした。

 もう初夏になろうかという時期だが、海辺に吹きつける風はまだひどく冷たい。

 海を見下ろす崖の近くまで来て、そこに立つ黒い影に気づいた。

 黙って近づいてくるトッパーに、相手が振り向きもせず言う。

「相変わらず気配を消すのが下手だな」

「…もう傷はいいのか」

 トッパーはマクリーンの隣に立つ。二人の足元には小さな石板が埋め込まれている。それを見下ろしながらマクリーンが呟く。

「何も課長が死ぬことはなかったんだ…あいつのために」

 トッパーは初めて、嫌味でも皮肉でもないマクリーンの言葉を聞いた気がした。

「守りたかったんだ…きっと、刑事課も…ノーマンも」

 マクリーンが鼻を鳴らし、持っていたトップハットを被る。

「そこまでするほどのものとも思えないがな」

 踵を返すマクリーンにトッパーはとっさに「俺は」と言った。

「…余計なことをしたんだろうか。ノーマンの言う通り…俺が余計なことを言わなければこんな結果に…それに」

 風が二人のフロックコートを激しくばたつかせる。

「俺にはノーマンのしたことが…どうしても間違っているとは言い切れない」

 潮騒の音がトッパーの胸をざわつかせる。

 やがて、マクリーンが舌打ち交じりのため息をついた。

「たしかに馬鹿が頭を使うだけ余計だな」

「…何?」

「お前がのこのこ進言するまで課長がノーマンのことに全く気づいていなかったと思うか?それとも賢いつもりか?課長やノーマンは何でも自分でやっちまおうとした結果こうなった。自分もその勤勉で真面目な連中の仲間だとでも言いたいのか?」

「俺は…!」

「俺たちの仕事は事実を突きとめるだけだ」

 マクリーンが歩き出す。

「犯人を捕まえた後のことだの上や世間への対応だの…そんなことはあの人がやってくれる」

「あの人って…」

 マクリーンがちらりとトップハットの下から振り返り

「せいぜい自分のクビを心配しろ。無能を雇っておくほどあの人は緩くないぞ」

 去ってゆくその背中に歯軋りしていたトッパーは、ふとフォスに笑われた気がして視線を戻す。

 風は強いが、どこまでも見晴らしのいいこの場所が選ばれたのは、あの新しい課長の厚意なのだろうか。

 ようやくヒューの花束を供え、墓石を見つめていたトッパーは、やがて立ち上がった。フロックコートが海風をはらんで黒い翼のように広がった。

「約束するよ」

 足元の墓石を見つめ、トッパーは呟いた。

「あいつは…俺が捕まえる。必ず」

 花束から花びらが風に千切れ、青い海へと舞い飛んだ。


 

 


 


 



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