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臧否の禍時   作者: まるサンカク四角
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またね

蓮から飛びだしたスキル名は、なんとも子供らしい、単純かつ明快なものであった。「好き嫌い」というスキル名と、サポート系のスキルと言っていたことからも、エリーの固有スキルは、エリーの好感度によって相手にバフやデバフを掛けると言う能力だと分かる。


「念のために、聞いておくが、俺の想像している通りの能力であってるのか」


「それであってると思うよ~」


蓮はサナの問いに肯定の意で返した。「はぁ~」、サナは、深く肺から空気を吐き出す。サナは今一度、エリーという存在と危険性を熟考する。エリーの能力は、使い方によっては何物よりも危険なものだ。バフ・デバフの効力にもよるが、味方全体の大幅な強化・敵の大幅な弱体化が図れる。魔族の大群を束ねる2大魔王、大勢の兵士を抱える各地の国王、彼らにとっては喉から手が出るほど欲しい能力だ。エリーの能力が周知の情報となった時、エリーの暮らしや安全が大きく危ぶまれることになる。だからと言ってサナがエリーを引き取るとなれば、エリーも同時に人間から迫害にあうだろう、いやそれ以前にエリーも家族に許可に、引き取りの許可が取れるかどうか・・・


「ちょっと待て!お前どうやってエリーをここに連れてきた?」

「えっ?普通につれきたよ~」


蓮の言う普通が普通ではないことを知っているサナは、頭を抱えて座り込む。恨みがましい眼を蓮に向けて、一抹の期待を込めて「誘拐」の方法を聞くサナ。


「ちなみにどうやって・・・?」

「サナに会いたいって言ってたから、会わせてあげるよ~って」

「やっぱり誘拐じゃねぇか!?」


サナの希望は易々と砕かれた。まぁ、世間の嫌われ者であるサナの名前をだした時点でエリーの家族が許可を出すはずもない、だからと言って初めてあった蓮を信用するはずもない。結果導き出される結論は、誘拐しかないことは薄々分かってはいたことだ。


「うーん、エリー本人がOKしたんだからいいじゃん~」


サナも年端も行かぬうちに一人で様々なことを決意してきた人生であったためか、蓮の言葉に一理あると感じてしまった。これ以上蓮と話をしても、続きはないだろう。サナは身体をエリーの方に向けて進めた。

腰を落としエリーと同じ目線になる。目を見て話すことで、安心感とそして嘘を許さないことを示したのだ。


「エリー、お前はなんで俺に会いに来た?」

「私言ったでしょ?またねって!」


曇りのない笑顔がサナに突き刺ささった。




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