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臧否の禍時   作者: まるサンカク四角
72/102

回想

「よし、大体の方針は決めた。俺とスペチアーレは魔王を討伐したが、傷を負い魔界滅亡は出来なかった。このテイでアシハラに帰還するぞ」

「それだけでいいの?」

「スペチアーレに大まかな作戦を理解し欲しかっただけだ。他の細かいことはもう各自と作戦を練っている。俺たちは帰還するだけでいいんだよ」


作戦実行における話し合いは終了した。人間、悪魔、魔王、転生者で開かれた小さな会議は、人知れず終わりを迎えたのだ。


回想1


「お前らには迷惑をかけるな・・・」

「気にしないでよ、貴方と過ごして迷惑を掛けられなかったことなんでないもの」

「お姉ちゃんはそう言っているけど、本当は感謝しているの、サナのためなら頑張る」


サナと金鶴、銀鶴の会話。前代魔王タルタルーガ・ネグロを倒した際の会話である。英雄杯の時、サナは多くの者から嫌われることで、力を大きく増していた。その力を使い魔王討伐を人知れず成し遂げたのだ。しかし、最弱と言われている魔王とはいえ、幹部やその他の悪魔を相手取ることなど不可能だったサナは、金鶴、銀鶴の協力を仰ぎ、奇襲を仕掛けることでタルタルーガを倒していた。その結果、前魔王に従っていた多くの悪魔達が残り、それらを纏め上げるという、かなりの問題が残った。しかし、サナは顔を出すわけにはいかない、金鶴、銀鶴にその面倒事を担ってもらうことになったのだ。


「サナはこれから、他の魔王も倒していくんでしょ、私達より貴方の体を気にかけなさい」


金鶴、銀鶴は、純血ではないがサキュバスの血を引いている。サキュバスの魅惑の力は何も相手を惑わすためだけのものではない、愛する相手を安心させる能力もあるのだ。金鶴、銀鶴が放つ魅惑の魔法は、サナの気を和らげ、充足感を与えている。体に不釣り合いな母性がサナを包んでいった。


「ありがとな・・・・」


サナは、魔王との戦闘で疲れた体を二人の少女の胸の中で休ませた。寄り添う姿は、家族のように見えた。


回想2


「天使に手を出すとなると、神は黙っていない。最悪、神を殺すことになるかもしれない・・」


サナは蓮に対して申し訳なさそうに言葉を発していた。蓮はサナが何に対して申し訳なさを感じているのか理解していたが、笑顔と親しみの顔を崩さず返した。


「気にしないでよ~サナ~、元々分不相応な力なんだから~」


神を殺せば、その恩恵である能力は全てなくなる。高潔の使徒と呼ばれる存在は、全て能力を失いただの一般人となってしまうのだ。


「すまん・・・・」


それでもサナの謝罪は止まなかった・・・


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