表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
臧否の禍時   作者: まるサンカク四角
41/102

決着

  サナが攻撃をしかける。抜刀による加速を利用した、所謂居合を使って下段から中段に向けた一閃を放った。相対する男も居合を行う。中段から上段へ流し、重力を利用し中段まで振り下ろした。スピードはやや劣るが威力が増す攻撃だ。


二人の白刃は、接触すると同時に火花を上げたが、力は拮抗していた。両者の刀身はピクリとも動かず、決着はつかなかった。何度も刃が離れ、ぶつかりを繰り返すが攻勢は動かない。


男は一度距離を取り、守りの構えを取った。先ほどからの攻防で、腕力では決着がつかないと判断したようだ。次なる手を考えるため、防御に徹することにした。


「やはり、強さはステータスだけじゃないな。凄い技術だ」

「ステータスの限界はすぐにくる。技術こそが強さだ」


男は技術こそが強さだと言っていたが、自身の言葉に自信を持てなくなっている。目の前の男に、技術など皆無だ。にも関わらず実力は拮抗している。年齢的にも未だレベル100ではないだろうことが理解できる。圧倒的なステータスを持ってすれば、極めた技術も通用しないと思ってしまったのだ。


守りに徹し続けてどれほどの時間が経過しただろう、時間が過ぎていくたびにサナの攻撃に鋭さが増す。考えついた策が、サナの攻撃の鋭角さによって通用しなくなる。思考しては、考え直し、思考しては、考え直す。一度たりとも考えついた策を実行できずにいた。通用する攻撃が減っていく一方で、防御も破られ始めている。


「くそがっ!!!」


男は、これ以上時間をかけるのは不利になると考え行動にでる。


サナの一太刀を肩に受け血飛沫が上がった。鍛えられた筋肉、太い骨、それらに触れる度にサナの剣速は鈍くなっていく。


『ここだ!』


男は痛みを堪えながらも、剣を振るった。


肉を切らせて骨を断つ。男が唯一できる策であった。


「ここまでか・・・」


サナは向かってくる刃を眺めながらつぶやいた。次の瞬間、意識を失ったのは、サナ・・・ではなく、攻撃を仕掛けた男だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ