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臧否の禍時   作者: まるサンカク四角
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決闘

 夜と昼が交じり合っている。世界は曖昧となり、太陽と月がにらめっこしている。サナたちがマガトキ村に着いたのは丁度その時だった。


サナたちから村を挟んで反対側、土煙が上がり、爆音が何度も響く。サナたちは急いで村の反対側に駆けていった。そこで見たものは圧巻の一言だった。勇者でもないただの村人が悪魔達を圧倒していたのだ。オークキングを筆頭としたオークの群れ、鬼王を筆頭としたオーガの群れ、ベアウルフやサイレントスパイダー、ゴブリンなど今まで出会ったことのある悪魔や見たこともない悪魔達がいたが、手も足出せずに殺されていった。


「さすが狂人の村だな」

「異常よ、この強さ・・・」


村人と悪魔の闘いは、一時間続いた。サナたちは基本的には傍観を決めていた。だが、いくら強者揃いの村人たちと雖も、すべての悪魔を倒すことは出来ない。漏れた悪魔達はサナたちが討伐した。


悪魔の出現が無くなり、静かになった荒野で、サナたちはマガトキ村の住民に声を掛けた。


「勇者を務めさせてもらっているサナと言う者です」

「勇者?前代の雑魚よりは強いのか?」


村人は突然失礼な言葉をぶつけた。


「あなた失礼じゃないかしら」

「この村の住民は皆こうなのだよ。気にしていたらてら、やっていられない」


スペチアーレは不満の声を漏らしたが、フォードがたしなめた。


マガトキ村のほとんどの住民は、最大レベルのレベル100に到達しており、フォードやスペチアーレをゆうに凌ぐ力を持っている。だからこそ、彼らは勇者に対しても媚び諂うことをしない。アシハラの兵隊が攻めてきたとしても撃退出来るのだ。


「歴代の勇者よりは強いと思うぞ、なんなら証明してやろうか?」

「面白いな、今期の勇者は。だが井の中の蛙だ、それを今から教えてやろう」


サナは、村人を挑発する。狂人たる村人は、その挑発に迷うことなく乗った。


サナに向かい合うは、禍時時に一番活躍していた村人だった。年齢は40代にさしかかった男性だ。筋骨隆々の姿は素晴らしく、立ち姿ですら、隙一つなかった。


「期待外れだ・・・」


目の前の男は呟いた。サナの姿を見てサナの実力を判断したようだ。この男は、見た目と言葉使いに反して、戦闘の達人だ。日々の戦闘で、実力を知る目が肥えている。


「隙だらけだ。前代の勇者より強いと言うのは嘘のようだな」


サナは何も言い返さない。自身でも自覚しているからだ。サナは己の持つ力と技術が見合っていないことを知っている。だからこそ、マガトキ村に修行にきたのだ。


「もし、俺が勝ったら、修行を付けてほしい」

「考えておこう・・・」


サナは修行を付けてほしいと直談判した。これには男も面を喰らう。「修行を付けてほしい」ということは、自身は貴方よりも劣っていますと公言するようなものだ。それを若輩勇者が、躊躇いもなく言い放ったのだ。


男は少しの関心を持ったと同時に警戒もすることになった。サナは自身が劣っていると公言した上で、勝つ気でいる。つまり、技術では勝らずともポテンシャルで勝てると確信していることに他ならない。


「それでは、始めようか。サナ!」

「あぁ、こい!」


二人の強者のぶつかり合い。見守る人々は固唾を飲むことすらできないほどに緊張している。村の灯りと星々が柔らかく照らすなか、二人の決闘は始まりを迎えようとしていた。


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