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臧否の禍時   作者: まるサンカク四角
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オークの根城END

長閑な草原に、一人の王と一人の武闘家。騒がしいのは、上空を悠々と飛んでいる鳥の群れだけだろう。くの字を描きながら、空を自由に飛び回る鳥たちは、洞窟付近の空で、一層大きく鳴き声を上げた。その声は、開戦の合図を知らせ、消えていった。


「グラトニーファング」


オークキングは、自慢の牙を強化した。食を目的とした牙は、元より頑強なものだが、強化することで、オークキングの現在の牙は、この世のすべての物を砕けると思わせるほどだ。


「オーバーマジック、獅子武(ししぶ)


獅子武は、己の腕、足を強化することで、人間の肉体の限界を超えた力を引き出すことができる魔法だ。


オークキングは、フォードに嚙みつこうと突進したが、フォードはオークキングの牙を掴み、動きを止めた。力はフォードが上だ、自身の足を軸として回転する。オークキングを遠心力を利用しながら、真上に放り投げた。上空では、回避行動は出来ない、オークキングは、これからくる、フォードの攻撃を全力で向かい打つことしかできない。


壱豚(いっとん)プレス!」


オークキングは、自身の体重と落下時にかかる重力加速を利用した、攻撃を繰り出した。


玄武(げんぶ)甲拳(こうけん)


フォードは、自身の拳に硬化魔法を付与した。今のフォードの拳は、岩をも砕く凶器と化していた。


二人の攻撃は、上空でぶつかった。オークキングの速度が上がることを少しでも避ける為、フォードはすぐに攻撃を繰り出していた。加速が十分でないオークキングの攻撃は、いとも容易く打ち破られ、フォードの拳が腹部に炸裂した。アシハラ一の武闘家の拳は、オークキングの腹を突き破り、内臓を吹き飛ばした。血の雨と、砕けた内臓の霰は、緑深い草原を赤黒に染めた。


フォードの完全勝利。力だけは本物の勇者のようであった。


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