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臧否の禍時   作者: まるサンカク四角
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開戦

開戦の舞台となる平野では、カイマンとカイエンの両国が向かい合っていた。カイマン5万の兵士に対して、カイエンは4倍の20万、一見した武力差は歴然だ。


「舞台は整ってるな…」


サナは魔法を展開していく。魔法よりも剣技を得意としているが、それでもタレントとレベルに依るサナの魔法は絶大だ。


「共眼発動…

 正義の女神…

 破滅の刻印…

 地道天昇…」


サナは4つの魔法を唱えた。

共眼、特定の相手と視界をリンクさせる魔法であり、今回は蓮の悪を見抜く眼を共有させている。


正義の女神、情報を元に攻撃の対象を選別する魔法であり、共眼による情報と合わせて審判を行う。


破滅の刻印、対象者に刻印を刻み、術者の魔力が直接干渉した場合、相手の魂ごとこの世から消し去る。


地道天昇、魔法を地面に打ち込むことで、地脈を通り任意の場所から天まだ届く魔力の道を作る。



 サナが魔法を発動させた数秒後、大地の揺れと轟音、平野に漂う深黒がカイエンの兵士が5万人を消し去った。破滅の刻印の効果により、文字通り一片の魂すら残さずに消え去ったのだ。


兵力差は未だ10万と大きいが、カイエンの者達にとってそんなことは粗末なことである。ほんの一瞬で四分の一の戦力を失ったのだ、見掛け倒しの戦力差など意味がないことを全ての者が悟っている。


「皆逃げろ!!!」


カイエンの指揮官が叫ぶ。開戦から数秒で敗走を決めたようだ。声が届いたからかは分からないが、兵士も一目散で逃げ出している。


「良かったよ、退いてくれて」


共眼、正義の女神で対象とならなかった者たちは極力殺したくないと考えていたサナにとって、敗走という選択肢を取ってくれた相手に感謝の念を感じていた。


相手のことを気遣いながら、カイマンはカイエン戦に白星を刻んだのだった…

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