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臧否の禍時   作者: まるサンカク四角
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協定

カイマン滞在も三日を過ぎた。ドナウとの協定会議も煮詰まり、後は代表者であるナイル国王とサナの二人が契約書に調印するのみだ。


一.サナ、スペチアーレ、蓮、以上三名をカイマン所属の者とする。

二.他国との紛争時、カイマン政府はサナとその関係者に対しての干渉を禁じる。

三.契約期間は大陸統一までの間であるが、半永久的にカイマンに対しての侵略を禁ずる。

四.契約内容、事実はカイマン政府・サナ以外の者には秘匿とする。


簡潔に言えばこの4つが主要な内容だ。勿論事細かに審議された内容であるが、サナとドナウが重視していた内容はこの4つに絞られていた。カイマンにとってはメリットしかない条約、圧倒的弱者がこれほど有利な条約を結ぶなど地球誕生以来初の出来事であろう。大層な条約を3日もかからずに作成できた理由はこれに限るといえる。


「本当にこれでよかったの?」


サナとドナウが最後の協議を終えた直後スペチアーレは問う。カイマン所属となることは、サナたちのすべての功績をカイマンが享受するということだ、加えて不干渉の条約の基にカイマンの人びとに被害がないというおまけつきだ。


「わかってないな~、サナにとって国を獲ることは手段であって目的じゃないんだよ~。争いのない平和な世界のための道具でしかないんだよ」


サナの代わりに蓮が答える。しかしスペチアーレも、サナの常日頃の発言を聞いていればサナが王にこだわる人間でないことはわかっている。スペチアーレの質問の本質はそこではない。なぜカイマンを傀儡政権としなかったのか、そこが論議の対象なのだ。


「ドナウは使える、、、この大陸の管理は奴に任せるつもりなんだよ。まぁ、ドナウが国王に忠誠を誓っている以上国王を取り込むことは必要になるがな」


サナがカイマンを傀儡としなかった理由はココにある。傀儡政権ともなれば内政外征すべてに対応できる者を身内から任命しなければならない。サナが知る限りで、その任に就ける人物は蓮を持ってほかにいない、しかしアシハラ統制との兼任は不可能だ。だからこそドナウ擁するカイマンを傀儡とすることを拒んだのである。


「俺のことを信用できないか?スペチアーレ」


これを言われてしまえばスペチアーレに否定の言葉など出せるわけもない。サナの考えを理解できただけでも儲けものだと考えるほかに選択肢はなかった。


「明日には条約が完全に締結される。そこから俺とお前らは完全に別行動だ、頼むぞ」


「「了解!!」」


決意を新たに、三人は賑やかな会話に花を咲かせていった。



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