一話
拙い文章ですが読んでくれたら幸いです。
近未来図鑑というもの読んで以来温めてました!
「セイトー、86式見つかったか?」
「いや、見つかってないです…日が暮れるまでに見つかるかなぁ…」
ため息混じりにセイトと呼ばれた少年は返事を返す。
「どうだろうなぁ…夜飯の時間までには終わらせたいモンだが…よっと!」
そう返すのはセイトと同じ第三プラント廃棄施設捜索班―班といっても二人だけだが―班長、オオトリだ。
「オオトリさん…こんなところに86式なんていう大昔の銃なんてあるんですか…?政府軍と戦うなら普通に光学銃でいいじゃないですか…?」
「お前なぁ…本当に小学校卒業したのか…?軍需品の授業受けただろうが…」
「受けには受けましたけど…そんな50年前の銃のことなんて教えられてませんよ…」
「フン、まぁしょうがねぇか…いいか?現代の光学銃には政府軍が作った安全装置が付いてるんだ…こう、政府軍に銃を向けると安全装置が発動して銃を撃てなくなる」
オオトリは言いながらセイトに銃を撃つジェスチャーをする。
「ああ、それで昔の銃ってわけですね、その安全装置が付いてないから」
「あぁ、そう言うこった。さぁ、さっさと見つけるモン見つけてアジト戻んぞ!」
そのやりとりから二時間が経っただろうか、無言で作業を続けていたセイトが汗をぬぐいながら喜色満面の笑みを浮かべた。
「オオトリさん!資料で見た86式にそっくりな銃を見つけました!」
「本当か!?見せてみろ!」
セイトの元へスクラップの山を乗り越えながら全速力で向かうオオトリ。
「どうですか?86式そっくりだと思うんですけど」
セイトはスクラップから引っ張りだした銃をオオトリに手渡す。
「おお、これかぁ…エラく綺麗だなぁ…うん…うん…ん?これは…あぁなるほど…んでこれが銃倉か…おう!86式だな!これは!」
「本当ですか!よかったぁ〜これでようやくノルマ達成できましたね!」
「おう!お前初めて銃見つけたんじゃねえか?」
「そうですね、今まで見つけたものはナイフとか軍服だったので…」
「それでも充分すげぇんだけどな!いやぁレジスタンスに入って2週間!初めてのノルマクリアだし今夜は美味い飯が食えるな!」
ガハハと豪快に笑いながらスクラップの山から下りるオオトリ。
「そうですね…たしかノルマ達成した班は培養肉が食べられるんですよね!肉は小学校の寮以来だし楽しみだなぁ」
お腹をポンポンと叩きながら、オオトリから返された銃を手にスクラップの山から下りる。
「さてと、帰るか!」