バカにはバカなりの頭の良さがある
人類は自然と対等であった。
秋の柳の紅葉たちは、私をしーんと立ちすくめた。自分のやった罪を許してくれるよう、鮮やかで美しい姿だった。
じゃりじゃりと砂利道を歩きながら、ぼっーと前方に目をやると、曇る空から晴れる空へ変わりゆく途中だった。その美しさに招かれるように、私はわざとじゃりっじゃりっと力強い足音を立て、胸を張って歩いた。愚かで罪に覆われた心を、励ましい表情と楽観的な色彩で、歩けば歩くほどカタルシスのような感覚をくれた。私のやった過ちは許されるのか。幸福な感傷に浸っている資格はあるのか。そんなことは、のしのしと見ている空に近づけば近づくほど忘れていった。