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超常機装テンガイン  作者: 神楽坂 幻駆郎
第一話:降りてきた殺戮の女神
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3:群れる貧者

「マナクリ、君は武神なんだな」

「何故そう思う?」

「俺との戦闘で、君は八手を使わず二本の腕のみで相手をした……八手を使えば勝てたかもしれないのに、だ」

「戦士と認めた者に必要以上の力は使わぬ、互角の条件で打ち勝ってこそ武神の誇りが保たれるというものじゃ」

「ストイックだな、そう言う考え方は嫌いじゃない」


 バッドが笑う。


「よもや人間に褒められる時が来るとはな……」

「喜べよ、素直に……君も俺の家族と会えば、考えも変わる」

「家族?」

「ああ、かけがえのない、俺の家族だ」


 そう言って、近付いてくる陸上艦隊をみやる。


「だがその前に、片付けなければならない問題がある」

「なんだ、それは?」

「周りをよく見てみな」

「人間か、性懲りもなく……」


 バッドたちを取り囲むのは、ボロ服を身に纏った、生身の人間たちだ。

 手に原始的な鈍器を携え、遠巻きにバッドたちの様子を窺っている。


「さっきまでいたデウス・レイブや陸上戦艦は、比較的組織だった力のある連中だ、活きの良い神を狩って売り飛ばすのが目的のな」

「では、今いるのは……」

「彼らは、暁光で戦場となった跡地を攫い、破壊されたデウス・レイブや神力機関デウス・マキナから中身の神を盗み取る……飢えた貧者の群れだ」


 包囲する貧者の群れを見渡し、バッドが呟く。


「あさましいものだ……反吐が出るな」


 マナクリの口元が凶悪に吊り上がる。


「真に厄介なのは彼らの方だ、生きるか死ぬかの瀬戸際だからな、こちらの警告はまず聞かないし……俺らが去るのを待って、ハゲタカの様に群がってくる……彼等に捕らえられた神の運命は悲惨だ、ただでさえ無慈悲に消耗させられているのに、粗悪な神力機関デウス・マキナに据え付けられ、発狂死するまでマナを搾り取られる」


 迫りくる群衆を前に、バッドが微笑む。


「ふん、そんな奴等、蹴散らせばよかろう」


 マナクリが言い放つ。


「そうしたいがな、俺は出来る限り殺生をしない主義だ」


 バッドは、微笑みを崩さない。


「生ぬるいな」


 マナクリは、唾棄した。


「仕方がない、力も富も持たぬ者にとっては、安全に、そしてロハで生きる糧を得られる確実な手段だからな」

「貴様は、それを良しとするのか?」

「いいや、連中に神はやらんさ、神力機関デウス・マキナに取り込まれた神は、すべてバッドカンパニーが助け出す」

「だがそれでは、奴らは引き下がるまい」

「だから招き入れるのさ、彼らを、我が艦隊にな」


 バッドが真顔で言い放つ。


「貴様……正気か?」


 マナクリが問う。


「我が艦隊では、人と神が共存している。神に依存しなくとも、人は生きて行けるんだ。それを人に学ばせ、その為の機材を与え、安住の地まで運ぶ……それが我が艦隊の使命でもある」


 バッドはそう言って、笑った。


「大した理想主義だ、我はお前を勇猛な戦士と認めたが、正体は単なる夢想家か」


 マナクリが嘲る。


「そうでもないさ、我が艦に来れば分かる」


 バッドは、呆れ果てるマナクリを尻目に、唇の端を歪めた。

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