表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/62

衣服

 「大事な話があるんだ。」

 俺はリューの肩に手を置いて、膝をおとして目線をあわせる。これから彼女にお願いしようとしていることは、断ってもらっては困るのだ。

 「頼むから服を着てくれ~~~~っ!!」

 「ん~~ん。」

 断られました。


 「服っていうのはね、文明人なら着るものなんだ、だからねリューちゃんにも着て欲しいんだ。それに服着てたほうが可愛いと思うし♡」

 「うっわ~~ すっごく胡散臭い。」

 「お姉さま、お願いですから協力してください。」

 リューちゃんも、こくこくと頷いているし・・・

 「ん~~~~っ!!!」

 こちらの言うことよりも、リューちゃんのほうが伝えたいことがあるらしい。手をぶんぶんと振っている。

 顔をしかめているところから、まだ口の中が酸っぱいらしい。

 よし、こういうときは交換条件だ。

 「じゃあ水を用意するから、服を着てくれるよね?!」

 「ん~~~」

 川のほうに目を向けている。

 水なら、いくらでもあるのだ。

 「お~ね~が~い~だ~か~ら~」 

 これ以上、全裸の女の子を連れ歩くのは、精神的に、辛いのだ。

 「これ以上、裸見せられると襲っちゃうんだって。」

 「なるほど、やっぱり!」

 姉と姫が俺を犯罪者予備軍と認定する。

 味方がいないどころか、十字砲火である。

 「ん~。」

 何か考えているようだ。

 皮膚の表面に膜が張り、桃色に変わる。

 競泳用水着ぐらいだろうか。

 「できるなら、できるなら最初からして下さい・・・」

 「できるよ~」

 「かんたん~」

 「ほらほら~」

 精霊ちゃん達も服を・・・

 「影ちゃんっ!!」

 ボンテージは許そう、でも隠すべきところを露出してはいけません。

 他の精霊ちゃん達はビキニタイプの・・・水着というより下着っぽいデザインに見えるが、多くは望むまい。

 「できるなら、できるなら・・・」

 なぜだろう、涙が・・・

 俺は、リューちゃんに着せる予定だったズボンを穿く。シャツは左腕だけ通す。

 文明ってすばらしい。

 「《そういえば姉ちゃん、姫様と話してるけど言葉わかるの?》」

 「言葉わからなくても、何言ってるかだいたいわかる。」

 「ですわね。」

 女子のコミュ力 スゲェ~

 「水!」

 スライムを倒すのに使った土鍋に、水を注ごうとするのだが、魔法陣にオッサンにスライム戦、MPか体力かわからないが、そろそろ限界・・・

 なんとなく川を見て気づいた。水を発生させるのではなく、操ればいいのだ。


 川の上から水蒸気を集めて露結。

 ・・・疲れた・・・

 しかし、なんとか一杯分。

 リューちゃんが、あっさりと飲み干す。どこに入るんだろう。

 底にナイフが転がっている。スライムは、召喚したのだろうか、それとも柄の中に入っていたのだろうか?

 中に入ろうとして・・・

 「ぐえ・・・」

 襟がつかまれる。

 「あれ駄目。」

 いつの間にか俺の背中にユシルちゃんがいる。

 「触っちゃ駄目。」

 「ユシルちゃんいつのまに・・・」

 「ずっと居た。」

 「え?」

 「ずっと居る。」

 

 ナニソレ、コワイ・・・

 

 右手に刃を出して、ナイフの柄を下から三分の一程切る。簡単に切れる。さすが未来兵器♥

 ついつい撫でてしまう。

 この武骨さがいい。

 「好きだよなそ~ゆ~の。」

 「うん。」

 姉さんが、なにかをあきらめるような顔をしている。

 ナイフを拾う。今度はユシルも止めなかった。

 軽い。アルミニウムだろうか。

 ファンタジー特有の不思議金属か?

 ナイフは軽かったが、中空ではなかった。

 柄に召喚用の魔法陣が埋め込んであったようだ。それも宝石のようなものを使ったタイプの。

 ナイフはもらっておくことにした。

 


 ありがとうございます。 

 まだ続きます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ