森国
北の大陸は樹の大陸と呼ばれている。
逆さにした『へ』の字の形をしていて、位置は人族の大陸の北東にある、巨大な樹を中心に北に針葉樹、南に広葉樹の森が広がっている。
「光」
ごちん!
「痛いよ姉ちゃん。」
「なにするつもりかね、きみわ?」
「光学迷彩を使って偵察・・・」
コブシを堅めて微笑む姉ちゃん。
「事前の情報収集は大切だと思うんだ。」
「・・・・・・・・・」
ウメボシ
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い~」
念の為ウメボシについて説明するが、頭を両手の拳でぐりぐりと押さえつけて圧迫する拷問技である。
「ったく、何のためにここまで来たんだよ! そんな姑息な真似するような育て方してないぞ!!」
「ごめんなさい。」
尻に敷かれているなどといわないで欲しい、そんな事は俺自身が一番よくわかっているのだから。
ちなみにここにきたのはユシルちゃんのためである。
より正確に言うとユシルちゃんの出産の為だ。
この北の大陸でユシルちゃんは産まれたのだが、純粋のエルフが誕生するのは樹の股からだそうだ、フォリゼもリラタも当然の事だと言っていた、俺は未だに信じられない。
そしてエルフの出産には森の力が必要なのだとか。フィトンチッドとかが必要なのだろうか?
人族の大陸には彼女に必要な力のある森は無いそうで、蛮森では安心して出産が出来ないとのこと。
そんな訳でユシルちゃんの故郷にやって来たのだが、俺自身ものすごく不安なのだ。
故意ではないとはいっても魔法陣による召還というのは誘拐のようなものではないのだろうか? しかも淫行目的の・・・
本人の承諾無しに盗むように略奪し、さんざん陵辱して妊娠したから出産の為に連れて来ました・・・こう思われても仕方ない状況である。
証拠として弓で狙われている現状がある。 エルフの特徴を持った褐色の肌の女性が二人、ダークエルフだ・・・ごくり・・・
身長よりも大きな弓に、槍としても使えそうな矢、茶色の髪の毛に焦げ茶色の肌、瞳はエメラルドグリーンで鋭く睨んでいる。服は麻のような繊維で袖のないもので、赤黄緑で迷彩のように染めてある。袖のない、肩から臍のあたりまで開いた服は、横から見たら胸が覗けそうである・・・もうちょっと胸が大きかったら、そこはユシルちゃんと同じでほとんど平ら・・・
「痛ひ・・・」
つねられた
ほっぺたを両側からユシルちゃんと姉ちゃんの手で
「何でこの状況でスケベな目ができるのか不思議だよな・・・」
「浮気者」
「「姫?!」」
ダークエルフ二人が叫ぶ。
まだ続きます。




