廃墟
この大陸は丸かった。
完全な真円である。自然界ではあり得ない、人工的に造られた直径432㎞の大陸が地軸を中芯にタジン鍋のような形をしていた。
中芯の山には縦穴があり、その穴のまわりに同心円状に筒らしき物があった。
この山の高さは43.2㎞(海抜)、筒は二十四層、この筒が振出し竿のように伸びると、軌道エレベーターとか宇宙エレベーターといわれる物になるのではないだろうか?
現在俺達は、縦穴を降下中である。
上から見たときは驚きの光景だったが、中に入ると赤茶色の壁がまわりにあるだけで・・・・・・
「もうや~だ~あ~き~た~ か~え~ろ~お~よ~っ!」
今ここに身長二メートル九センチのだだっこが誕生した。
「見てよ姉ちゃん、これ多分宇宙エレベーターだ、地上から宇宙空間まで飛行機やロケットを使わずに行くことが出来るんだ。
完成したら、だけどね。
ここには、なければならない物が無い。
なんだかわかる?」
「あ~ うん。あたしちょっと寝る。」
・・・お姉さま・・・
ちなみに、この施設には人が入って整備したり修理したりするスペースが無い。
修理はロボットかナノマシンを使う予定だったのだろう。『プラ』とかいうエネルギーが消失していなければこの惑星は、魔族と呼ばれる事になったラフン族は、宇宙へと進出して、豊かな世界を築いていたかもしれない。
だが、エネルギー源を失ったとき修理できる技術者がいないと、この廃墟のようなものが量産されることになる。
事実、この大陸には人が住んでいない。
そろそろ下に着く、床には埃が積もっている、動かなくなったロボットがそこここにある、机がありそこに同じ型のロボットか二つある。
「ニコイチかな。」
同じ部分にマーキングのあるロボットが、何台か並んでいる。壊れやすい箇所や部品というものは、大体同じらしい。
デルちゃんになおせるか聞くと、可能とのことだった。修理するつもりも持って帰るつもりもなかった、この世界においてこれはオーバーテクノロジーである、理解する事も模倣するのも難しい、この大陸の幾つかの施設を修理が可能だったとして、もう一度ラフン族がこの大陸に戻って来たとしても、人族を含む他種族との交流が失われるだけでしかない。
それで良いのか悪いのかわからないが、この世界で生きてゆくのならば、この世界に対して、この世界に生きている人々に対して責任と覚悟が必要だと思う。
静かな、とても静かなこの場所で、俺は覚悟を決めることができた。
この世界に地獄を・・・
まだ続きます。




