砂煙
朝日が昇ると砂煙で平原がけぶっていた。
魔族の国ラフンの都ラフン城、その南にある平原、ノトと呼ばれていた頃は南の平原と呼ばれていたが、魔族は勝利の平原と呼んでいる。
毛羅五匹を放ち、そのため土砂が強酸となり草一本生えなくなってしまい砂漠化してしまった。その平原に砂煙が昇ったのである。
戦争状態である事もあって、人族の襲撃だと考え抗戦を行おうとしたのだが、砂煙が散るとそこには何も無かった。
さらに数ヶ所不自然に砂煙が昇ったが、それだけだった、テロにしては意味が無く、実際に被害も無かったので調査もすぐに打ち切られた。つむじ風が原因と結論が出された。
誰もつむじ風を確認してはいないのに。
魔族は渡河作戦のために、筏を作っていた。五~六歳の少年兵によるもので、指導する魔族の兵士も経験が無いのだろう。蔦で繋いだ丸太を、持ち上げるとバラける、川に浮かべるとバラける、やっと川に浮かべたが人が乗るとバラける、そのうち蔦を編んで丈夫なロープを作る事を思い付いたが、蔦そのものに切れ目が多く作業は進まなかった。
砂煙が出るようになって三日目、勝利平原に三千を超える人影があった。
まだ続きます。




