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翼被

 簡単に倒せると思っていた。

 十匹の魔獣には攻撃力など無かった。いや、それを補う為の毒ガスだと言われれば納得できる。

 攻撃力が無いうえに防御力も無かった、代わりに自己修復能力があった。

 全長30m全幅100mで±7mといったところか、十匹もいると個体差がある。数字だけだと巨大だが重量は・・・ (姉ちゃんと同じくらい?)

 はっ! いや考えて無い考えて無いよ。

 そんな御命を縮メルヤウナオソロヒキコト・・・

 とりあえず斬った。

 ペラペラの羽は簡単に切れてすぐに元に戻った。

 羽は常に風圧で引っ張られた状態のはずなのに、斬られればそこから裂けてゆくものなのに、なぜ?

 「デルタミュー、切れた端から繋がってる。理由わかるか?」

 「全身を力場の一種が覆っています。三分の一以上を二秒以内に破壊するか、力場の発生源を破壊することを御奨めします。」

 なるほど、こちらが攻撃してから修復開始まで二秒か、後は発生源というとまたあのナイフだろう、つまりそれを使っている者ということだ。

 羽爪と甲殻召還獣は生け贄の他に操縦者がいた。この魔獣も操縦者がいるのだろう、いや、操縦者兼力場維持者が・・・

 居場所は毒蔦畑近くの工場か、それとも少しでも近くにいるために川向こうか?

 まずは一匹、上空へ成層圏近くまで登り、重力加速度を利用して魔獣の頭頂から尻尾まで一気に斬り裂く。

 さらに力場で修復出来ないように片方を弾き飛ばす、ここまでで二秒。

 魔獣の運動能力が低く、風に乗っているだけなので予測が容易だから出来る芸当である。

 一度戦法が確立してしまえば、あとは同じ事の繰り返しだ。

 一匹、上空の風を利用してこちらが他の魔獣を斬り裂く瞬間を狙って来たが、自由に起動できるリューちゃんがいるのだ、軽く身体をひねって二匹同時に斬り裂いた。

 だが、倒せたのは一匹。

 先の一匹は力場での修復が間に合ったのだ。

 それでも同じ戦法で狙うと、あっさり倒せた。運動能力の差だ。

 戦闘が終了すると、川向こうに魔族の部隊がいないのを確認すると、川上の工場へと向かう。工場を破壊しても、毒蔦があれば毒は流せるので戦略的に優先順位は低かったのだがナイフが有るとなると話は別。

 途中で岩を拾うとそのまま工場に放り込んだ、慎重でよかった。

 工場には毛羅がいた。

 デルちゃんに確認するが、近くには誰もいないようだ。毛羅の大きさからかなりの死体がここにはあったのだろう。

 ナイフが無いか確認すると、毛羅の下に埋めてあるようだ。

 毛羅を毒蔦畑に誘導すると、ナイフを回収した。毛羅のナイフと魔石の配置が違うがそれ以外は同じだった。

 ナイフを持って逃げなかったのは、逃走手段を用意していなかったのだろうか?

 おそらく自決して毛羅を喚んだのだろう。

 毒蔦畑を荒らす毛羅を眺めながら、城に戻ることにした。

 傾いた陽を眺めながら、別の戦場へ向かう覚悟をしながら。

 (姉ちゃん妊娠中なんだから少しは加減して欲しいな・・・)

 地表と上空では風の向きが違います。

 まだ続きます。

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