魔獣
子供は国の宝
そんな言葉をあたりまえのように聞いて育ってきた。百人の赤ん坊が百個の死体になっていた。
泣き声をあげておおきくひらいた口はそのままに、あいた眼には虚ろな光が宿っている。
その先には、赤いナイフを誇らしげに翳した魔族がいた。
俺を蔑んだ眼で見ながら、ナイフに蓄えられた力を操っていた。
やがて召還した『何か??』に呑まれてゆく。
「火!」
それが何なのかわからないが、火の精霊の力を借りて火球を三連射して距離をとる。
召還が終わるまで待つ義理はない。
それでも少し遅かった。羽爪のようにナイフでコントロールするタイプと読んだのだが、だからこそ操縦者を倒せていれば良かったのに、判断が遅れてしまった。
出現したのは菱形だった。
正確には、同じ大きさの鋭角二等辺三角形を八つ組み合わせた、というより四角垂を二つ底面で接合した物が浮いていた。
全長約十二メートル、色は黒に近い灰色で重そうに見えるのに、地上二メートルぐらいに浮いている。
もう一度、火炎弾を放ったが表面に弾かれて効果はなさそうだった。
これで飛行船や気球の可能性は消えた。
「デルタミュー!」
カッターの刃にみえるが、高周波ブレードを展開して切りかかる。
小回り重視の為人型のリューちゃんで加速する。
くらえ、未来兵器!
刃が折れた。
え?
まだ続きます。




