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暗所

 リューちゃんがよく食べる子だとは知っていたが、本当に何でも食べるとは思わなかった。

 砂の中を進んでいる。

 以外に崩れてこない、セメント状に焼き固めているらしいが、あまり実感が無い。

 それよりもリューちゃんの角から不満が伝わってくる。

 不味いらしい。砂だし。

 龍の姿で砂を食べる、というより飲むように進んで行く。デルちゃんが精霊の力をコントロールして砂を焼き固めていく。

 地下からこそこそと侵攻中である。

 あとまだ2㎞ぐらいある。時速1㎞は驚異的な速さだろう。何せ場所が地中である。

 さっきから同じような事ばかり考えているが、正直退屈なのだ。地中は景色も変わらないし・・・

 あ、そうだ。退屈しのぎにデルちゃんに記録映像を見せてもらう。

 この国に雨が降らないのは白銀山脈があるためだ。西の海で蒸発した水は、蛮森へ降り白銀山脈にせき止められる。最高三万二千メートルの山々は雲さえ貫いて、雨になるはずの水蒸気を雪や雹粒に変えてその身に纏う。

 そしてそれは溶けて水となり、そのほとんどが地下水となり、わずかな量が川として地表を潤すのだ。

 地下水を利用するのは難しい。この国の砂は元は火山灰や溶岩だったと思われる。地下水となった水は、地下深くへと潜ってしまう。

 この世界には地下深くから水を汲み上げる技術は無い。地下千メートルからでも汲み上げるポンプなど無いのだ。

 白銀山脈の側から水を引いてくるのも難しい。川は川底に水止めとなる泥や粘土が必要となるが、それを必要量用意して新たに川を作るには、どれだけの人功がいるだろうか?

 水が確保できれば畑を作れるだろうか?

 腐葉土や粘土粒がホームショップで売っている訳では無いのだ。

 そういえば・・・川に流された毒って何の毒なのだろう。

 そう考えるとデルちゃんが、あっさりと答えをくれた。ノト国に毒草(蔦の一種)を育てている場所があった。

 植物毒か、鉱物や化学系の毒よりましだろう。供給が止まれば時間はかかるかもしれないが分解されるかもしれない。

 そろそろ目的地直下となる。

 目的地は食糧倉庫である。定番の敵の食糧を奪う作戦である。

 とはいえ単独では大したことは出来ない。

 倉庫内の食糧を、地下十メートルに移動させるだけだ。倉庫の底を抜いて、上から砂を被せるだけだ。

 倉庫が一カ所に集中していて助かった。

 さて、今夜は徹夜作業になりそうだ。

 どうという事は無い、誰かを殺すよりも心理的に楽だというだけの事だ。

 どうか、この仕掛けに気付きませんように・・・

 まあ、気付かれても次の手はあるのだが、楽で戦死者が少なく済むほうがいい。

 うん、分かってる。

 実際の作業をするのはリューちゃんだよね。この埋め合わせはするから。

 (埋めるだけに)

 我ながら暗くて狭い所にいたせいで疲れているようだ。

 

 まだ続きます。

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