内部
デルタミューの撮影した映像の中に、旧ノトの王城があった。魔族の本拠地である。
流石に宇宙文明の高性能個人兵装、上空から城の内部まで撮影していた。残念ながら熱源探知に電磁波検出を併用した物なのでぼんやりとしか映っていないし音声も無いが、重要な情報がそこにはあった。
玉座の間、エウラドと同じ造りで立派な椅子と、大きなテーブルがある。王の両側に側近がそれぞれ五人で計十人と、その後ろに三人づつの近衛兵、テーブルの反対に三人の人物。その三人の中に一人、王を糾弾するように、激しく動いている。
玉座に座った人物が、対面で激しい動きをしていた人物に杖の先端を向けた。
その人物は死んだ。
電磁波が途絶え、体温が下がってゆく、筋肉も弛緩しているようだ。
その人物の左右にいた二人は、その人物に同調するような動きを見せていたから、その人物が罪人で、処刑されたのではないだろう。処刑するならば王本人が手を下さないと思う。それ以外だと王政に抗議に来た人物を、殺害したのではないだろうか?
抗議内容は、出兵の失敗だろう。
側近に動揺が無かったから、王の権力基盤に影響は無いようだが、兵として未熟な少年兵を用いなければならない程度には、社会不安が存在しているようだ。
殺された人物が和平派か、人族殲滅派かは判らないが、王としての権力基盤に綻びがあるようだ。それとも、人族を敵対視することで内政を安定させていたのが、結果として人族の過大評価となり、出兵せざるを得なかったのだろうか?
どちらにしろ次の戦いは近い。
こんどはこちらから攻めるしかない。
犠牲を最小限にするために。
まだ続きます。




