少年
三人の子供を摘まんでは投げる。
大人と子供の・・・闘いとはいえないなこれは、少なくとも姉ちゃんは遊んでいる。
「死ねぇえっ! 下等生物がっ!」
ひょいつ! ころっつ
「くたばれっつ! 邪悪な人族がっ!」
ひょいつ! ころっつ
「ちくしょおっつ! このブタめぇっつ!」
あ、それ言っちゃ駄目。
両脚を掴むと、三回転して残りの二人に向けて放り投げる。
軽く手をはたいて、首を回す。
「なあ、あれで良かったのか?」
「うん、ありがと。これで少しはとっかかりが出来る。」
彼等は魔族として育てられた。魔族であることを誇りとして、そして、相対的に人族を蔑むように教育されて・・・
さらに、女性を闘いの役に立たない存在で弱いイキモノとして・・・
少なくとも姉ちゃんはその範疇に無い。
「やいキサマッ! 本当に女かっ!」
「いや間違い無いあれは魔獣の一種だ!」
「ぶよぶよのバケモノめぇっつ!」
「なっ! だ、だれがぶよぶよだってえっ!」
ここのところ運動不足気味でお腹の肉が落ちなくて悩んでいるのだ。
「っつたく、可愛げのねえガキだな。」
「戦時下に独裁者の下で教育されていればああなる。」
日本もかつて鬼畜米英を唱えていた時代があった。戦時中の事だ。
彼等の意識を変えるには、負けるのがよいのではないかと思った。それも相手が女の方が効果的ではないだろうか?
とくに根拠は無いが駄目もとということもある。
今朝デルちゃんを回収してきた。昨日からずっと空間固定で魔族の国ラフン上空で定点カメラをしてもらっていたのだ。
非道な国だった、女性は昼間畑仕事をして、夜は子作り。それも強制的に。
先ほどの子供達も、同じように作られたのだろう。
魔族の妊娠期間は三年、人族は一年、ならばその混血は・・・
短期間で戦力を増やそうとしているのだろう。この世界には人権なんてない。
あらかじめ予測していたのだが、証明されると、また嫌なものだ。
あと、魔族の人数が思ったより少なかった。
大人の魔族は百人前後と思われる。
魔族の主戦力は魔獣と少年兵のようだ。
もう一つ、重大な変化があった。
まだ続きます。




