城外
城壁の周りには村というか難民キャンプがあった。
それを見て『ああやっぱり』とおもった。
太陽がなんとなく大きくて赤い気がした。
体重が少し軽い気がした。
それでも確信が持てなかった。
住人達の髪の毛が赤かった。ときどき見かける赤毛とは違って、薄桃~濃紅ぐらいの色で、癖毛の人はいても極端なパーマの人はいなかった。染めているにしては、あまり洗っているように見えない。
ざっと見たところ、髪が赤いだけで・・・
いや、もう一つ違っていた。
背が低い。
活気が乏しく、ほとんどの人が座っているせいで気づかなかったが、150㎝以下の人ばかりだ。
それ以外は人間と変わらないように見えた。
「エルフやドワーフはともかく、犬耳や猫耳兎耳の美少女はど~した!!」
異世界の癖にっ?!
「それなら付けてみせよっか?ネコミミ。」
ごめんなさい、かんべんしてください。
身長208㎝体重90㎏で(たくさん歩いたから減ってるかも?)筋肉質の姉がネコミミ・・・
なぜだろうネコミミよりも割れた腹筋を思い出してしまうのは・・・
はっ・・・ヤバいオネエサマが冷たい眼でこっちを見てる。
慌ててフォローしようとしたせいで、走ってくる子供に気づけなかった。
ぶつかった!
小さい子で、布の塊を持ってたのでこちらは何ともなかったのだが、布は舞い散って子供は尻餅をついていた。
「だいじょうぶ?」
近寄ろうとすると、あからさまに怯えた顔で後じさる。
「怪我とかしてない?」
姉さんが声をかけると・・・
ヘビに睨まれたカエルとか、猫に見つかった鼠とか、そんな感じ。
散らばった布を集めよう・・・
布には魔法陣が描いてあった。
やっと次から話しが動きます。