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結婚

 結婚式が終わった。

 夜半に始まり、二時間ほどで終わった。

 王族の結婚式としては、記録的と言っていいほどの短時間だったそうだ。

 婿一人に嫁七人(+六)というのは、この世界では珍しく無いらしい。

 戦前(十年前)には、裕福な商人や貴族が数十人の妻を娶ったり、十何日続けて毎日別の女と結婚式をしたりということがあったそうだ。

 俺はこの結婚式で一つ学んだことがある、結婚式で新郎と新婦が腕を組むのは、相手をこの場から逃がさないようにするためだ。少なくとも俺の場合はそうだった。

 とくに姉さんと姫さんは、必ずどちらかが俺の腕を掴んでいて、姉さんなんか、ちょっとでも不審だとキメにくる。さすが現役アマレス部。そういえば柔道部の助っ人もしてるらしい。メインでやらないのは、柔道着はスポーツブラをしてても乳首がこすれて痛いからだそうだ。

 しかし、ずっと気になっていたのだが人数がおかしい。姉さん、姫さん、デルちゃん、ユシルちゃん、リューちゃん、セアちゃんで六人、精霊さん達は別として、一人多い。

 部屋の隅にいる小柄だけど巨乳の女は誰?

 この世界には花嫁がベールを付ける習慣は無かったらしいが、我が姉によって新たな意匠(衣装)が持ち込まれたらしい。

 おかげで彼女の顔が判らない。

 まさかゴーストなんてないよな、いやでもここは世界が違うし、もしかして習慣の一つで一人増やしておくとか・・・王家って妙な習慣とかありそうだし・・・

 「なんだお前やっと気づいたのか?」

 「ずっと気になっていたんだけど。」

 「この服も~ちょっと胸がひらいてるほうがセクシーだよな♡」

 うん、心底どうでもいい。

 「だよな!」

 だから胸を押し付けない。

 この姉あまりにもしょっちゅう胸を押し付けてきたり、風呂上がり裸でいたり、さらにその状態で胸を押し付けてきたりするので、姉の胸には耐性ができてしまった。

 なにしろ大きくなり始めた中学のときからずっとである。

 「窒息固め!」

 説明しよう、これは大きな胸を相手の顔に押し付け、呼吸を止める必殺技である。

 「姉ちゃん!」

 強引に抜け出す。脇が甘い。

 「う~ん、やっぱこの格好だとな~」

 「脱がない!!」

 「なんで?! 新婚初夜だぞ♡」

 すいません、できるだけ考えないようにしてました。

 「その前に紹介しておきますね。ノト家の第三王女、私の元婚約者ですわ。」

 まだ続きます。

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