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捕獲

 大勝利と叫んでいた。勝斎の声をあげていた。

 人々が喜びに湧いている中で、俺は一人敗北感に苛まれていた。

 言ってたのに。約束したのに。

 「十日後だっていったのにっ!」

 「よくゆ~よ十日以内に逃げるつもりだったくせに。」

 なぜそれを?!

 「わかるに決まってるだろ。何年君の姉をしてると思ってるのかな? 君のオムツを替えたことだってあるんだぞ。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あったねえそんなこと、俺が小一のとき押し入れで見つけたオムツを無理矢理穿かされたんだよね。」

 泣いて嫌がった記憶がある。

 「ま、これからはオムツプレイぐらいいつでもしてやるから。」

 「ごめん姉ちゃん、俺そぉいう趣味ない。」

 「そっか~じゃあこれからだね。」

 「何がだよっ!」

 俺これからどうなるんだろ。

 「結婚するんだよ、ア♡ナ♡タ♡」

 十日後だったはずの結婚式が、祝勝会を兼ねてこれから行われるらしい。

 姉さんの胸に顔を埋めるように抱きついてくる。

 愛情表現ではない。逃がさないように捕まえているのだ。

 デルちゃんが広域探索しているが、いつラフン軍が襲ってくるかわからない。

 こっちが攻撃したことでいつ反撃されても仕方ないと思っている。

 「まぁた下んないこと考えて全部背負い込もうとしてっだろ。」

 そう言うと、ぐぅつと抱き寄せる。

 「なんか、姉ちゃんは姉ちゃんだよな。」

 「なんだよそれ。」

 「姉ちゃんに一生のお願いがある。」

 「逃がさないからな。」

 

 あれはまだ二人共中学生だった。戸籍から姉が養女であることがわかった。

 そのときの姉の反応は「そっか~それならよそで婿さん探さなくていいな、楽でいいや。」だった。

 あのときのあれがどこまで本気だったのかわからない。ただあの時から、俺への態度が変わった気がする。

 そう、具体的には慎みとか恥じらいとかがなくなって、扱いが雑になった。

 結婚が、また一つ不安になりました。




 まだ続きます。


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