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深夜

 そろそろ真夜中過ぎだろう。

 初期設定の時限カウントも半分を切っている。

 俺が罪を認めたら、兵士の皆さんも槍を納めてくれた。とはいえ姫様誘拐の実行犯である。

 普通なら即処刑だろう。

 「姫、このような者奴隷にしてどうするおつもりですか?」

 即処刑でないならば、苦痛を長引かせて殺す以外は有り得ない。

 フォリゼ姫は、それに答えず人差し指を立てる。

 しばらく身悶えするような仕草を続ける。

 時間がたって、兵士の皆さんが姫様の正気を疑いだした頃、姫の髪の中から青い点が出てきて、指先をくるっと回ると髪の中に消えた。

 「あの姫、それはまさか・・・」

 微笑みを浮かべて頷く。

 うわ、さすが権力者。しゃべらないことで神秘性が増すことを知っているし利用している。

 状況を理解するための数秒。

 喝采をあげる兵士達。

 ビクッとなってあたりを見回す姉さん。

 寝てたね。

 弟が犯罪者で奴隷にされようとしてるのに・・・

 しばらく姫を褒め称える言葉が続き、兵士の一人が城への伝令に走る。

 「その者のおかげです。」

 兵士達が落ち着くのを待って。俺を指す。

 兵士達は困惑の表情で俺をみる。

 そして、さっきから姫に話しかけていた兵士(おそらく隊長だろう)のほうをみる。

 「その者は、六柱の精霊を宿し、毛羅を倒しました。」

 しばらく、沈黙が続く。

 姉さんが焚き火のそばであくびをしている。

 もしかしたら言葉がわからないのは、すばらしいことなのかもしれない。

 ちなみに毛羅というのは、触手スライムのことらしい。

 「そんな、まさか・・・」

 「疑うのですか?」

 微笑みが怖いです。姫様。

 でも俺、このヒトの奴隷になっちゃったんだよなぁ・・・

 「精霊様を見せなさい。」

 奴隷の身では逆らえない。・・・え?

 冷や汗をダラダラと流しながら、セアちゃんに言葉を託す。

 この場の会話を理解するために、ずっと起きていてもらった。眠りそうになるのを邪魔したとも言う。

 め~わくそうに眼を細めながら。

 「眠いからやだって!」

 姫様は、俺を睨むと。

 「そうですか、それではしかたないですね。」

 兵士さん達は、俺を疑いの目で見ています。

 俺はその視線から逃げるように、焚き火のほうを見る。いいな、あったかそうで。

 姉君様は御就寝中で、リューちゃんも丸くなっている。龍だから蜷局とぐろを巻いているのだろうか?

 セアちゃんは、こちらを睨みながら『眠い!眠い!』と念を送ってくる。

 ユシルの姿が見えないが、俺の背中にいるのだろうか?なんの感触も無いのだが・・・

 《姫様、眠ってもヨロシイでしょうか?》

 俺自身眠いのもあるが、セアちゃんを眠らせてあげたい。

 「そうですか、どうぞお好きなように。  ・・・なんて図太い。」

 

 セアちゃんが、ほっとした様子で横になる。火のそばで眠るのは久しぶりらしい。

 俺の背中に毛布が掛けられ、前から姉ちゃんが抱きしめてくる。

 あれ、むこうで寝てたはずじゃ・・・

 「愛してるぞ」

 耳元で囁く。

 

 愛が重いです。

 

 まだ続きます。


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