「あれは最悪だったな」
正月で太りそうです。皆様も気を付けましょう。
※1/13指摘された脱字を直しました。
「[勇者]の新島竜麻です。皆さんよろしくお願いします」
竜麻が自己紹介をしてきたのでメイノル達も自己紹介を始める。
「メイノルだ。武器は短剣でレベルは91。斥候が得意だ。よろしく頼む。」
「ロクシャス。槍と盾を扱う。危なくなったら我輩の後ろに隠れろ。レベルは116だ」
「レベル132のサディス様だ!もし足を引っ張ったら俺の斧でぶっ叩いてやるからなっ!」
「サディスさん、死んじゃいますよそれ…。どうも、僕は魔法使いのコンクルです。主に火魔法と風魔法を使います。レベルは86です」
「ごきげんよう勇者様方。改めて紹介させて頂きます、ミルフィー・グモイルですわ。治癒魔法と水魔法が扱えますわ。怪我をしたら私の所まで来てくださいね。レベルは74と低いですが魔力量には自信がありますわ」
「そんな事にならなければいいのじゃがのぅ。ワシの名はオルスじゃ。武器は己の拳が一つ、こんな年寄りじゃからレベルは152じゃ。よろしく頼むぞぃ」
「……レイミー。足技が得意…、レベル96……」
メイノルを初めとして紫鎧、赤髪、ローブの少年、令嬢、年寄り、少女の順に自己紹介を終わらせる。しかし後一人がまったく名のる気配がしないので、竜麻は他の人に聞いてみることにした。
「皆さんよろしくお願いします。……ところで、そちらの方は?」
「おいフェイ!自分の名前ぐらい自分で言え!」
「………………、フェイだ。武器は弓」
くぐもった声で答える。
「………」
「………………」
「え、えっと、ちなみにレベルはおいくつですか…?」
「200」
「おおっ!?」「うそっ!?」「スゴいですねぇ…」「そうですね」
そのレベルの高さに驚く竜麻達四人。
Lv.200。それはつまりこの強者達の中で一番強いと言うことだ。この世界では一般人がLv.1~20、そこらの兵士がLv.25~35、中堅の冒険者や騎士等がLv.40~60。そして上級の冒険者や近衛騎士がLv.70以上となっており、拳法家のオルスみたいに歳が経った人や、特別 力を持ったサディスのような人がLv.100以上になれる領域で、Lv.200となるとそれこそ幾万の相手を一人で倒すくらいしないと辿り着けない領域だ。
そしてこの世界のレベルの最高値はLv.250。しかしLv.200を越える為には今は失われた儀式が必要となっている。五百年以上昔にはLv.250がポンポンといたという記述が有るがそれは神話の類いになっている。
「いったいどうやって……?」
「秘密。それよりそっちの小娘達は何なんだ」
「小娘ってなによ!」
「実菜ちゃん落ち着いてぇ、最後の飴あげるからぁ…」
「ありがとっ!」
これ以上話したくないのか話を逸らす。
「ア、アハハ、すいません。この煩いのが実菜、気弱そうなのが里沙、お淑やかなのが遥です」
少女達の紹介も終わり、紫鎧のロクシャスが今回喚ばれた件についてきり出す。
「それでは話に聞いた灰色の巨人について話し合おう」
「ああ、そうだな。まずはこれを見て欲しい」
メイノルはアイテムボックスから二つの物を取り出す。
「それがデビルゴートウルフの角か、これはデケーな。そしてそっちの棒は何だ?」
サディスが謎の棒を弄くる。棒の先端には離れて浮いている正方形がある。
「それは灰色の巨人から出てきた物だ。何かしら魔力を感じて綺麗だから持ってきたが、加工が一切出来ないみたいでな」
「ふぅん」
お気づきだろうが、これはウィンシーが【オーバーリアクション】で出した『!』である。ウィンシーがビックリした際にMPの半分以上を注ぎ込んで産み出された『!』はちょっとやそっとじゃ消えず、アイテムボックスに入れられたのも相まって一週間以上も存在していた。なんとも驚きである。
「確か魔力を感じんな……、おいコンクル、ミルフィー。これどう思う」
サディスはコンクルに向かって棒を放り投げて渡す。
「そうですね…、っ!……この棒にはかなりの量の魔力が籠められています。それも僕以上の。その灰色の巨人、魔法を使える可能性が高いですね……」
「おいおい!怪力で走るのも俊敏、しかも魔法まで使えるのかよ!とんでもねーバケモンだなそいつぁ」
「そうなるとこの棒は杖なんでしょうか?鑑定には出しましたか?」
「いや、出してはいない。そこまで気が回らなかった、すまない」
「いえ、謝る必要はありませんわ。ですがこの棒の事が解れば灰色の巨人の事が解るかもしれません」
「ではワシが【鑑定】してみよう。少し借りるぞ。……、これは……?」
____________________
名前:『!』
寿命:永年
説明:!
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「ふむ……?杖じゃないようじゃ。しかもワシの【鑑定】では全く解らん。ただ解った事はこの正方形が下であることくらいじゃな」
『!』がちゃんとした方向になった時、それまで沈黙していた竜麻が口を開く。
「あの、それビックリマークじゃないですか?」
「ビックリマークとな?」
「ええ、人がこう…ビックリしたときとかに使う表現記号?みたいな物です」
「なるほど!流石勇者様ですわ!つまりこれは灰色の巨人が驚いた証と言うことですのね!」
なんとミルフィーは竜麻の発言によりほぼ真相に近づいた。しかし、
「だがこれが出現した時、私も驚いた。もしかしたら相手は私の心を読んだのかもしれん……」
メイノルが話をあらぬ方向に持っていく。
「そうだとしたらマインドポットのような戦いになりそうですね……」
コンクルが言ったマインドポットとは相手の心を読んで相手に一番嫌な事をする、筒に手足の生えた嫌がらせモンスターである。
「あれは最悪だったな」
「皆怒りで顔が真っ赤になりましたからね……」
話がどんどん逸れていき、この日はマインドポットの悪口大会になりお開きとなってしまった。
最後に、ロクシャスがこれは不味いと思ったのか、
「では明日、また集まって会議を行う。早めにこの件を何とかしないといけないからな」
そう言い残し、皆は各々の寝床へ帰っていった。
ウィンシー討伐メンバーとレベルに関しての話回になりました。
ホントはもっと書きたかったんですが時間がないのですん。
次回は主人公回にしたいな。