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「痛いっ!」

あけましておめでとうございまする。


※1/8指摘があった台詞の脱字を直しました。

「ぐぬふふっ……ぐくふひゃひゃっ!うひゃっ!うひゃひゃひゃ!!」

 太陽石から作られた柔らかな灯りが照らす室内に人前ではけっしてしてはいけない様な怪しい笑い声がある男から製造されていく。


「ここが理想郷か……!!最高っ!」


 怪笑製造機ことウィンシー。彼は今、自分で作った理想郷をインナー姿で満喫していた。

 家を建ててもう一週間が経ち、最初の日を除けば未だ人に出逢っておらず前世界で負った心の傷を全力で癒していた。大自然による相乗効果もあるかもしれない。しかしこの笑い声はどうにかならないものだろうか……。


「あー、今なら人と話せる気分かもー」

 なんとも残念台詞をはなったウィンシー。彼はこの一週間、家の家具作りやこの森の散策、狩りをしたり、森に害を為す吸着トレント(推奨Lv.25)や綺麗な湖の水を飲み干すウォーターテイスティンガー(推奨Lv.90)等を討伐してこの森を豊かにする一端を担ったりもした。森を豊かにするのは無自覚だったが。

 だいたいの事はスキルで何とかなるし必要なお風呂や便所の設備も今の彼なら高ステータスのアシストによって数時間で完成する。

 家の隣には畑も作り、蒔いた野菜や薬草が芽吹いている。


 しかし彼は知らなかった。彼の変身後の姿と強さを報告したメイノルにより、この一週間の間謎の灰色巨人を討伐せんと着々と強者の冒険者が集結していることを。


「でもー、人いないしなー。くひゅひゅ、しかたないよなー」


 彼が人と出会う時は近い。



~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ぺーチノー王国首都インタリアにあるギルド本店。その奥のVIPルーム。

 そこには数多くの強者や豪傑が八人ほど顔を合わせていた。

「これで全員なのか?」

 ミロウクス鉱石から作られた紫色の全身鎧を着込んだ金髪の真面目そうな顔つきの男が言った。

「いや、あと城から[勇者]達が来るそうだよ?」

「おいおい、最近聖地から召喚されたって噂のヤツ等かよ」

 ローブ姿の頭をすっぽり隠した少年が答えると長い赤髪がボサボサの紅いビキニアーマーの女性が茶化す。

「使えんのか?ソイツ等」

「2日ほど前に見た時はなかなかの腕前でしたわ」

 赤髪の質問に令嬢風の格好をした緩いツイストをかけた金髪の女性が答える。

「じゃが実戦は経験しとらんだろう。大丈夫かの?」

「じいちゃんは心配性だな。なんなら指導してやればいじゃねーか」

「オルスが指導、勇者は死ぬ……」

「失礼じゃのう、ワシの孫は」

「手、抜くの……?」

「そんな訳なかろうが。何を言っとるんだワシの孫は」

「やっぱ死ぬ」

 短髪白髪、藍色道着の年寄りと、年端のいかない年齢をした青色の髪を持つ少女が家族漫才(?)をし出した。

「家族の会話を楽しむのは後にしてくれ」

 存在の薄かったメイノルが注意する。

「すまんのぉ……。孫が可愛くてな、つい」

「オルス、話すだけでお金くれる。大好き」

「おい、お前の孫黒いぞ」

「なんじゃとぉ!ワシの孫を侮辱するかっ!!」

 わいのわいの。なんの為に集まったか分からなくなってきたが、部屋の隅でずっと沈黙していた全身をローブで隠し更に布で顔を覆っている人が唐突に言う。


「[勇者]がきたよ」


 その声で皆の視線がドアへと向かう。そしてドアの向こう側から足音が聞こえてきた。

「すみません。遅れましうぉっ!?」

 八対の視線に驚き止まる[勇者]。しかし後から蹴りを受けたらしくつんのめりながら部屋へと入る。

「痛いっ!」

「ちょっと!つまってるからさっさと入ってよねっ」

「実菜ちゃんキックは危ないよぉ……。せめてチョップにしなよぉ…」

「ふふふ、実菜さんはお転婆ね」

「ふんっ。竜麻がどんくさいのがいけないのよ」

 そして三人の女の子達が続く。女の子達が入ってくる間に体勢を直した[勇者]が口を開く。


「お待たせしました。[勇者]の新島竜麻です。皆さんよろしくお願いします」


 彼らは、ウィンシーが勝海の頃死ぬ前の世界で見た光って消えリア充男と少女等だった。

なんと使う予定の無かったリア男が出てきました。

使うとしてももっと後にしようかと思ったけどまぁいいや。

人が増えるのは良いことだ。主人公包囲網がふえたよ!やったね!

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