「ヒヨコォッ!?」
こうして書いてくと小説って書くの難しいですね。
まだ二話なのに……。
※1/10指摘された誤字をなおしました。
※1/13指摘された脱字を直しました。
沢山の木々をバックに、上半身を起こす。
「こっ、ここ、は……?俺……死んだはず…じゃ……」
勝海は自分の腹を無意識にまさぐる。そこでふと自分の格好に気づいた。それは自分が刺される前の服装ではなく、
「【絶対採取くん】シリーズ……」
【絶対採取くん】シリーズ、勝海が自分で作った装備で一式装備すると採取系統のスキルはもちろんのこと、【潜伏】【鑑定】【調理】【調合】と何故か【料理】までスキルに恩恵がある。勝海はよく薬草や鉱石、モブモンスター素材を採取する際に最もお世話になった相棒の一つである。
(何が、どう、なってるんだ……)
刺された筈なのに腹の痛みは無く、むしろ活力が湧いてくる。いったい自分に何が起こってるんだと混乱して頭上にヒヨコ達が回る。頭上を見る。ヒヨコが回っ「ヒヨコォッ!?」
ビックリした拍子に『!?』が飛び出てヒヨコにぶち当たりヒヨコ達が墜落!呆然とその様を眺める。
「まさか……【オーバーリアクション】…?」
とあるスキル名にあり得ないと思っても頭にチラチラと思い浮かんでくる1つの可能性。【オーバーリアクション】とは、『リトルフリーダムオンライン』に数多あるスキルの、俗に言うネタスキルである。その使い道は多く、宴会芸に使えば芸が華やかになったり、今さっきみたく『!』を出して某鋼の歯車の潜入ミッションゴッコをすることができたり、自分の感情を表に出せたり、それを利用しPvPで様々な感情表現をくり出し相手に目眩ましをすることもできるし、別のスキルと組み合わせてエフェクトをかっこよくすることもできる、きわめてポピュラーなネタスキルだ。
ちなみに勝海は「これがあれば皆の人気者!」と言う説明文に踊らされ、結局、パーティーを組む人は、騒がしい事を好まない人や、効率的攻略組だったりとそのスキルが日を見ることはなかった。実に哀れである(勝海が)。
「あれ……?涙が……」
ぐずぐずと泣き呻きながら思考する。今自分がする事。
「ずずっ…………、んんっ……ズデッ、ステータス!」
ヲォンと表れた半透明のウィンドウ。
________________
名前[ウィンシー]
職業[鎧魔装者]
Lv.1(2751)
種族[ヒューマン(▽)]
称号[ひとりでできるもんっ!]
HP 8745445/8745445
MP 9478552/9478552
STR 75263
VIT 68526
INT 70523
MIN 69528(欠損)
AGI 82369
DEX 99198
________________
(数値が、おかしい……)
このステータスを見てまず彼が思ったのは数値の高さ。『リトルフリーダムオンライン』の最大レベルは250。全ステータスの平均値は良くて7000そこらだ。それでいても十分高いと思われるが自由を掴むにはこんぐらいないといけないのだ。そして実はこのゲーム、ステータス振り分けが自動で行われる。自分がどのような行動をしたかによって能力値のいずれかが勝手にレベルアップと同時に上がる仕様となっており、物理攻撃ばかりしているとSTRが、攻撃を耐えたり回復をするとVITが、魔法をよくつかうと種類によりINTやMINが、走ったり避けたりするとAGIが、道具を使ったり生産したらDEXが上がっていく。
こんなところが自由じゃないじゃん。と騒がれたが、昔のRPGゲームのようで初心者にも優しい仕様です。と製作者側は「嫌ならやんなよ」と言った態度で挑み成功した。
(もしかして転生回数か……?確かに十回くらい転生した気がする)
だとしたら何故?ここは『リトルフリーダムオンライン』の中かもしれない筈なのに。まだこの妙にリアルな現実に目を向ける時ではない。そう考えているうちに、
ガサガサガサッ
悪魔のような角を生やした黒い狼があらわれた。
今回はほぼ説明だった気がする……けど気にしない!
次回戦闘!にできるといいな