植物人間
ある日、ひとりの女が庭に種を植えた。
「愛情たっぷりに育ててやるんだから」 女は意気込んだ
毎日水はやったし、肥料も十分に与えた。 なのに、
花は何年経っても咲かないー。それでも、女は毎日毎日水をやった。
「はやく綺麗なあなたを見せて頂戴。もう待ちくたびれたわ」
芽すらでてこないー。 なにせ、ひろった種なのだから、インターネットで調べるにも調べようがない。
女は焦っていた。このままさかないと、私はどうなるのだろう? 死んでしまうのだろうか?
被害妄想だ。頭をよぎる。なんて気持ち悪い発想。
女はそんなことを考えるのはやめて、また、いつものように、毎日毎日水をやりました。
花を育ててからもう40年はたったでしょうか。 芽すら見せてくれない花に、女は怒って、
-ちゃんと肥料はなかにはいってるわよね?-
女はきになって、おもいきってつちに入ることにしました。
中はとても暗く、足元もみれないくらい。
女は肥料を探し始めました。
まずは 右、左、前、うしろ? どこどこどこなの??
みぎもひだりもわからない!
と、女は足になにかあたったのを確認しました。
種です。 40年も経っているのに、全然そだってない・・・
「このまま、この種から芽がでるまで、私がここにいれば育つのかな」女はそんなことを考えていました。
花を育て始めたのは30歳頃、ということは今は70歳? もういいか、このまま寝てしまおう。
女はねむりました。起きても暗闇の中ー・・・。
「これからはずっと、一緒にいようねー・・・」
女は、種と一緒に居るばかりに、ついに種のなかにはいってしまいました。
するとどうでしょう?種はにょきにょきと成長し始め、みるみる育ちました。
地に出るその瞬間、待ち構えていたかのように光りだした太陽、午後11時、夜なのに太陽がでてるなんて不思議ー・・・。
「ありがとう女。きみのおかげで僕はまた蘇った。感謝しているありがとう。」
女はきっとこの「植物」の身体の一部になったのだろう。つきやぶって骨になってしまっている。
「僕はあるきださなければいけない。 でも、こんな根っこだらけの足じゃ恥ずかしくてあるけないな・・・」
そんなことをぽつぽつつぶやいていると目の前にはとても身長の高い人間「女」がー
「綺麗なお花・・・。」こんな僕のことも綺麗っていってくれる女、色黒で、黒光っている足もうつくしい。
-ほしい・・・-
こんな足が僕ににあうだろうか。僕はおもいきってきいてみた
「ねぇ。そこにいる女。僕にうつくしいものをくれないか」
すると女は「できることならなんでもどうぞ」
足なんてくれるわけがない。 懸命におねだりするとしよう。
「要件は何ー?」
「きみのその綺麗なー」




